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持続可能性にマッチしたルナズの電動化ビジネス

世界有数のレストア/リマスタリング、電動化ビジネスを展開するルナズは、電動ヒストリックモデルの世界的な需要の高まりに応えるため、2024年の生産台数枠を大幅に増加。レストア・電動化車両の生産能力を、年間110台まで引き上げる予定を明らかにした。これは、2020年比で50%もの生産枠の拡大となる。
2021年12月、ルナズはシルバーストン・サーキットに隣接する現在の生産施設を拡大する形で、英国最大のレストア・電動化施設を建設すると発表。これにより、ふたつの敷地の合計で13万平方フィートもの生産スペースを確保し、シルバーストン工業団地最大規模を誇る生産施設が誕生する。
ルナズの創業者であり、CEOを務めるデイビッド・ロレンツは、電動ヒストリックカーの生産の拡大について次のようにコメントした。
「ルナズによるヒストリックカーの電動化に対する世界的な需要の高まりは、英国の自動車史における有名な車種を保護するだけではありません。より持続可能な経済への移行という、多くの人々の関心の高まりも示しています」
「信頼性、使いやすさ、持続可能性という重要な課題に応え、ヒストリックカーを所有する喜びを高い意識を持ったみなさんに紹介できることを私たちは誇りに思います。私たちはこれらの美しい遺産をさらに多くの人に知ってもらい、高度な技術を持った雇用と経済効果を生み出せることも嬉しく思っています」
英国製ヒストリックカーを網羅したラインナップ

近年、これまでは信頼性、使いやすさ、持続可能性などの問題から古いクルマに否定的だった層が、電動化によってヒストリックカーに関心を持つようになった。ルナズへの問い合わせも増加し、生産体制の整備が早急な課題となっていた。シルバーストンの生産拠点を拡大することで、電動ヒストリックカーに対する世界的な需要の高まりにも対応することが可能になるという。
ルナズは、レンジローバー・クラシック、ベントレー コンチネンタル S1/S2/S3、ジャガー XK120/140/150、ロールス・ロイス シルバークラウド、ロールス・ロイス ファントムなど、英国が誇る自動車文化を網羅した幅広いラインナップを展開。昨年、新たにアストンマーティン DB6が加わった。
価格は、レストア・リエンジニアリング・電動化された状態で、レンジローバー クラシックが29万ポンド~、ベントレー コンチネンタルとロールス・ロイス シルバークラウドが35万ポンド~、ジャガー XKは37万5000ポンド~、ロールス・ロイス ファントムは55万ポンド~、アストンマーティン DB6は95万ポンド~となっている。
2020年比で従業員数が5倍の規模に拡大

ルナズは、2020年初頭から受注を開始。以来、需要に応じて従業員を当初の500%にまで増加させ、現在では120名以上の高度な技術を持つエンジニア、デザイナー、職人、レストアスペシャリストが、シルバーストンの生産拠点で働いている。
彼らは、高級自動車業界やエンジニアリング業界を代表する企業から集結。アストンマーティン、ベントレー、フェラーリ、マクラーレン、ロールス・ロイス、ジャガー・ランドローバーなどのブランド出身者に加え、ウィリアムズ F1、ルノー F1などモータースポーツ業界において得た多くの経験も持ち、ヒストリックカーの電動化に活かしている。