PHEVスーパーカー、マクラーレン アルトゥーラ日本上陸!

マクラーレン アルトゥーラ日本上陸! ハイブリッドを得たスーパースポーツの実態に迫る 【動画】

マクラーレン アルトゥーラのフロントスタイル
マクラーレンの最新モデル、アルトゥーラ。早くも国内上陸を果たした話題のニューモデルを、間近で観察する機会を得た。
プラグインハイブリッド・システムを備えたマクラーレンの次世代モデル、アルトゥーラが早くも日本に上陸した。すべてが革新的なニューモデルのディティールに迫る。

McLaren Artura

未体験の衝撃

マクラーレンから発表されたアルトゥーラは、次世代のマクラーレンの中心となるハイブリッド・スーパースポーツだ。V6エンジン+モーターで680ps/720Nmを実現し、30kmのEV走行が可能なバッテリーを搭載しながら1.5トンを切る重量を実現している。GENROQは、いち早くアルトゥーラを撮影する機会を得た。新時代マシンの詳細に迫ろう。

「スーパースポーツの今後の姿をいち早く具現化した存在」

マクラーレンが次期主力モデルをハイブリッドにする、という噂は以前から伝わってきていたが、その全貌がついに明らかになった。過去にもマクラーレンはP1でハイブリッドスーパーカーを発売したが、あくまでも限定生産の特別なモデルだった。今回登場したアルトゥーラは従来のスポーツシリーズに取って代わる存在であり、同社の主力となる位置づけである。ラインナップの主力モデルをハイブリッド化するのは、スーパースポーツカーブランドとしては初めてのこと。アルトゥーラはマクラーレンだけでなく、スーパースポーツの今後の姿をいち早く具現した存在なのだ。

エンジンとモーター、そして大容量のバッテリーや制御システムを搭載しなくてはいけないハイブリッドは、純エンジン車とはパッケージングが大いに異なる。それだけに、アルトゥーラではまずそのスタイリングが従来のマクラーレンとどれくらい異なるのかに注目をしていた。しかし、いざ目の前に現れたアルトゥーラは、570Sや720Sといった今までのマクラーレンの流れを完全に受け継いでいた。いや、それどころかダイナミックで引き締まったボディは、複雑でかさばるパワーユニットを搭載しているとは思えないほど美しい。この姿を実現するために、マクラーレンのエンジニアたちは多くの手間と時間を費やしたことだろう。

「ゼロから始めた開発の基本はカーボン・ファイバー・モノコックだ」

アルトゥーラの開発にあたり、マクラーレンはすべてをゼロから始めたという。その基本はやはりカーボンファイバー・モノコックだ。ハイブリッドユニットのために新開発されたこれはバッテリーパック用のセーフティセルが備わり、重量わずか82kg。これにアルミニウム製のクラッシュビームとリヤサブフレームが装着され、軽量と高剛性、そして安全性を高いレベルで実現している。

エンジンは新開発のV6を採用し、従来のV8よりも50kg軽く、そして全長を190mm短くすることに成功した。3.0リッターの排気量にツインターボで加給し、パワーは585ps、585Nmを発揮。もちろんドライサンプで重心も低く抑えられている。新開発8速DCTとの間に搭載されるモーターは95ps、225Nmで、トータルでの出力は680ps、720Nm。これはスーパーシリーズの720Sに迫る数字であり、しかも中低速域をモーターが効率的に補うことで、かつてないほど全域での速さを実現したという。

乗員の背後に搭載されるリチウムイオンバッテリーは7.4kWhで、最大30kmまでのEV走行が可能。家庭でも充電できるので、ウィークデイの街中での使用は電気のみで行うことも可能だろう。また都市部でのEV走行に備えて、走行中にエンジンからバッテリーに優先充電を行っておくことも可能だ。

「最大30kmまでのEV走行が可能なリチウムイオンバッテリーを搭載」

これらハイブリッドのシステム全体の総重量は130kgとなるが、カーボンモノコックやエンジンの軽量化との相殺で車両重量は1498kgに押さえられた。これは従来のモデルとほぼ変わらないレベルで、結果として0-100km/h加速3.0秒を達成。ちなみに停止状態から300km/hまでの加速はわずか21.5秒だという。もちろん加速だけでなく、ハンドリング性能も第一級に仕上げられている。チーフエンジニアのジェフ・グローズ氏はアルトゥーラの仕上りに自信を見せる。

「アルトゥーラは妥協を強いることのない、スリリングで魅力的なスーパーカーです。クラストップのドライビング・ダイナミクスと最先端のテクノロジーというポリシーを見事に果たしています」

軽量を社是とするマクラーレンにとって、ハイブリッドという選択肢は大いなるチャレンジであったはず。しかし、彼らは見事にその壁を乗り越えたようだ。18万5500ポンド(約2700万円)という意外に低い価格設定にも、彼らの攻めの姿勢が伺える。

REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO&MOVIE/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)

MAGAZINE/GENROQ 2021年 4月号

マクラーレン アルトゥーラの走行シーン

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【SPECIFICATIONS】
マクラーレン アルトゥーラ
ボディサイズ:全長4539 全幅1913 全高1193mm
ホイールベース:2640mm
車両重量: 1498kg
エンジン:V型6気筒DOHC ツインターボ
総排気量:2993cc
エンジン最高出力:430kW(585ps)/7500rpm
エンジン最大トルク:585Nm(59.7kgm)/2250-7000rpm
電気モーター最高出力:70kW(95ps)
電気モーター最大トルク:225Nm(22.9kgm)
システム最高出力:500kW(680ps)/7500rpm
システム最大トルク:720Nm(73.4kgm)/2250-7000rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:RWD
サスペンション:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック)
タイヤ:前235/35ZR19 後295/35ZR20
0-100km/h加速:3.0秒
最高速度:330km/h(リミッター介入)

【関連リンク】
・マクラーレン 公式サイト
https://cars.mclaren.com/jp-ja

・McLaren Tokyo 赤坂ショールーム
https://tokyo.mclaren.com/ja

・McLaren Azabu
https://azabu.mclaren.com/ja

・McLaren Nagaya
https://nagoya.mclaren.com/ja

・McLaren Osaka
https://osaka.mclaren.com/ja

McLaren Fukuoka
https://fukuoka.mclaren.com/ja

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著者プロフィール

永田元輔 近影

永田元輔

『GENROQ』編集長。愛車は993型ポルシェ911。