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Aston Martin Vantage GTE
WEC初参戦のピタードが嬉しい初勝利
チームオーナーで2017年の世界チャンピオンであるポール・ダラ・ラナ、ワークスドライバーのニック・ティーム、デビッド・ピタードがドライブした「ノースウェスト AMR ヴァンテージ GTE」は、8時間のレースのほとんどでトップを走行。落雷により赤旗が出され、レースがフィニッシュを待たずに中止になった段階で首位に立っていたことから、WEC初優勝を達成した。また、昨シーズンのGTE Amクラス2位のTFスポーツも2位表彰台を獲得している。
2022年シーズン、ティームは2020年のGTE Proクラスのタイトル獲得以来となるWECにフルタイムで復帰。ダラ・ラナはキャリア17勝目を挙げ、WECの歴代クラス勝利数で3位に浮上した。今回、チームに3人目のドライバーとした加入したピタードも、初のWEC参戦をクラス優勝で飾っている。
「とても良い1日になりました。2回も赤旗が出されたのは残念でしたが、それもレースの一部ですし、僕らも素晴らしい結果を持ち帰ることができました。あらためて、WECで再び勝てたことが嬉しいですし、2022年シーズンのスタートとしてこれ以上の結果はありません」と、エースとしてチームを引っ張ったティームは喜びを語った。
予選からスピードを見せたヴァンテージ GTE
アストンマーティン・レーシングのWECパートナーチーム、「D’station レーシング」「ノースウェスト AMR」「TFスポーツ」の3チームは、前週末に行われた公式プロローグで期待通りのスピードを発揮。セブリングの予選では、マルコ・ソーレンセ、フロリアン・ラトール、ベン・キーティングがドライブしたTFスポーツの33号車がGTE Amクラスのポールポジションを獲得してみせる。さらに、ノースウェスト AMRも2番手グリットを確保し、ヴァンテージ GTEがフロントローを独占することになった。
3月18日金曜日の午後に行われた決勝レースでは、ダラ・ラナがわずかな周回数でトップに立つと、すぐに大きなアドバンテージを築き始める。ピタード、ティームとスティントを繋ぎ、1分以上のリードを築いたたものの、スタート4時間の段階で上位クラスのハイパーカーとGTマシンによるアクシデントでレースが中断。彼らのリードは帳消しになったが、レース再開後も着実にリードを保ってみせた。
WECデビューとなったピタードは45秒のリードを保っていたが、残り1時間を切ったところで、今度は落雷によって再び赤旗中断。落雷の危険が長引いたためレースは再開することなく、残り20分ほどを残して終了が決まった。これにより、その時点で首位を走行していたノースウェスト AMRが、アストンマーティンにとってWEC50回目となるクラス優勝を達成している。
TFスポーツは、ポールトゥフィニッシュこと果たせなかったものの、ノースウエスト AMRと並んで表彰台の一角を確保する2位を得た。また、D’station レーシングは、星野 敏、藤井誠暢、チャーリー・ファグのトリオが素晴らしい走りを見せ、トップ6フィニッシュを果たしている。
IMSAセブリング戦ではマグナスレーシングが6位
WEC開幕戦「セブリング1000マイルレース」に続いて、3月19日にはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦「セブリング12時間」が開催され、マグナスレーシングのヴァンテージ GT3がクラス6位で走り切った。
セブリングでの大活躍を受けて、アストンマーティン・レーシングのカスタマー部門トップ、ヒュー・タスカーは次のようにコメントした。
「ヴァンテージにとって、素晴らしいシーズンのスタートとなりました。WECでは歴史的なWEC50勝目を記録し、さらに2位表彰台も獲得しました。これからのシーズンに向けて、とても良い流れになったと思います」