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年間出荷台数は対前年比で41%増
マセラティは2022年3月19日、同グループの2021年の事業実績を公開した。
ステランティスグループ唯一のラグジュアリーブランドであるマセラティは、2021年の世界シェアが2.4%まで増加したと発表。とりわけ好調だったのが北米と中国で、前者が2.9%、後者で2.7%それぞれ成長している。年間出荷台数は世界累計2万4269台に達し、対前年比41%アップ。AOI(Adjusted Operating Income=調整後営業利益)率は5.1%、純売上高は20億2100万ユーロ(約2671億5130万円)を記録した。
マセラティ初のBEVは次期型グラントゥーリズモ
マセラティは発表資料の中で、「2025年までにすべてのラインナップで電動化を実現する、初のラグジュアリーブランドになる」と明記。同時に、イタリアンラグジュアリーカーブランドとして、最初にフル電動モデルを投入することを宣言している。その第1弾となるのが、次期型グラントゥーリズモだ。
グラントゥーリズモは、2007年のジュネーブ・ショーでデビュー。ピニンファリーナの描いた美しいプロポーションをまとった4人乗りの2ドア クーペは、1947年のマセラティ A6 1500の現代的解釈として誕生した。2009年のフランクフルト・ショーではオープンモデルのグランカブリオを追加。クーペ、カブリオともに数回のアップデートを重ねたのち、2018年には最終形となる現行モデルへ。官能的なサウンドを発するフェラーリ製4.7リッター自然吸気V8エンジンと、妖艶な美しいスタイリングは世界中で広く評価され、2007年の誕生以降、2万8805台のグラントゥーリズモ、1万1715台のグランカブリオ、合計4万台超のシリーズを全世界で売り上げてきた。
電気で走るグラントゥーリズモは2023年にデビュー
2019年11月11日、マセラティはイタリア・モデナ工場でのグラントゥーリズモ及びグランカブリオの生産を終了。一度は系譜が途絶えたものの、マセラティは両モデルともに「電動化し、今後もブランドの重要なポジションを担っていく」と明言していた。
次期型グラントゥーリズモはフォーミュラEで培われた最先端のテクノロジーを採用する最新のピュアEVとなる模様。生産は、8億ユーロ(約1058億円)を投資した伊トリノのミラフィオーリ工場で行われ、正式な市場デビューは2023年を予定している。
グレカーレやクアトロポルテ、MC20にもBEV仕様を
マセラティのピュアEVシリーズは「Folgore(イタリア語で稲妻の意味)」と名付けられ、グラントゥーリズモを皮切りに続々とラインナップを拡充していく。
マセラティはレヴァンテに続くSUVモデルとしてグレカーレを導入するが、同車にもピュアEV仕様を2023年に追加する。さらに、スーパースポーツのMC20、新型クアトロポルテ、新型レヴァンテなど、2025年までに全てのマセラティ車にフル電動モデルを設定するという。