目次
Porsche 911 RSR
コルベットを抑えて開幕戦勝利

WECの2022年シーズン幕開けとなったセブリング1000マイルレースにおいて、マイケル・クリステンセンとケビン・エストレがドライブした92号車のポルシェ 911 RSRが、ニック・タンディとトミー・ミルナーのシボレー コルベット C8.Rを抑えてGTE-Pro優勝を飾った。3位には91号車の911 RSRで参戦したリチャード・リエツとジャンマリア・ブルーニが入っている。
8時間を予定していた決勝レースは、ハイパーカークラスとGTマシンのクラッシュによる赤旗中断に加えて、激しい雷雨によりレース終了の60分前に2度目の赤旗中断となった。天候の回復が見込めなかったことから、主催者はレース終了を決定。この時点でトップに立っていた92号車が勝利を手にした。また、GTE-Amクラスでは、プロジェクト1 ・チームの911 RSRが3位表彰台を獲得している。
開幕戦での勝利にエストレは「予想がつかないクレイジーなレースになりました。スタートは本当に好調で、順調にリードすることができました。ただ、ライバルのコルベットもとても速かった。それでも私たちはペナルティや赤旗に動揺せず、ミスもなく走行できました。それが最終的に大きなアドバンテージとなり、勝つことができたと思っています」と、喜びを語っている。
ピットストップで遅れた91号車の911 RSR

ポルシェ・モータースポーツの副社長、トーマス・ローデンバッハは、優勝を喜びつつ、1-2フィニッシュを果たせなかったことに悔しさを隠さない。
「タイトル獲得に向けて重要なポイントを獲得することができました。残念ながら、今回は1-2フィニッシュを果たすことができませんでした。可能性があっただけにそこは少し残念です。最後のピットストップの際、91号車のホイールが一瞬外せなくなったのです。今後のためにも、原因をしっかりと調査する必要があります」
「それでも優勝と3位ですから、シーズンのスタートとしては最高の結果だったと言えるでしょう。ドライバーとチームには賞賛の言葉しかありません。もちろん8時間のフルディスタンスを走り切りたかったという思いもありますが・・・」
WECディレクターのアレクサンダー・ステーリッヒは、2位に入ったコルベットのパフォーマンスを警戒する。
「セブリングのレースで、今シーズンはコルベットが強力なライバルとなることが証明されたと思います。今回のレースでも、ある局面では私たちが、別の局面ではシボレーが優位に立ち、とてもエキサイティングなレースとなりました。そして、赤旗中断があっても冷静に対処し、最終的に勝利を手にすることができました。しっかりとポイントを獲得できたことは嬉しいですし、次のスパ・フランコルシャンが楽しみです」