AMG史上最強のカスタマースポーツモデル「AMG GT トラックシリーズ」誕生

AMG GTに55台限定のスペシャルモデル登場! レースを制するために生まれたサーキット専用マシン

メルセデスAMG GT トラックシリーズのフロントビュー
メルセデスAMG GT トラックシリーズのフロントビュー。AMG生誕55周年にちなみ、55台のみが限定生産される。
メルセデスAMGは、2022年3月23日に特別仕様車「AMG GT トラックシリーズ」を発表した。AMG GT ブラックシリーズをベースに開発した55台限定のサーキットモデルで、アファルターバッハで1台ずつハンドビルドされる。

Mercedes-AMG GT Track Series

AMG史上最強のカスタマースポーツ車両

メルセデスAMG GT トラックシリーズのコクピット
メルセデスAMG GT トラックシリーズのコクピット。サーキット専用車として、レースに必要な数々の必要装備を完備している。

2022年に生誕55周年を迎えるAMGは、アニバーサリーイヤーを祝して様々なサプライズを用意している。そのうちのひとつが、3月23日に発表した特別仕様車「AMG GT トラックシリーズ」だ。わずか55台のみがアファルターバッハでハンドビルドされる、稀少なスペシャルモデルである。

AMG GT トラックシリーズは、現行AMGのトップパフォーマーであるGT ブラックシリーズをベースに開発したサーキット専用車だ。心臓部に搭載するのは、ブラックシリーズと共通の4.0リッターV8ツインターボエンジン。モータースポーツ用のインジェクターや専用のチューニングを施すことで、最高出力734hp、最大トルク850Nmを実現した。

一般的にV型8気筒エンジンには、4気筒分のクランクピンが90度位相で配置されている「クロスプレーン」と、全てのクランクピンが180度位相で配置される「フラットプレーン(フラットクランクシャフト)」というふたつのバリエーションがあり、これまでAMG製V8エンジンはクロスプレーンを採用してきた。クロスプレーンは特徴的なエンジンサウンドを持ち、抜群の滑らかさと低回転域での高トルクが特徴となる。

しかしGT ブラックシリーズでは、4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンの排気量を最大限活用するために、フラットプレーンの採用を決定。クランクとピストンの取り付け角度が180度となった結果、より俊敏なスロットルレスポンスを実現している。

1400kgの車両重量を実現

メルセデスAMG GT トラックシリーズのリヤウィング
メルセデスAMG GT トラックシリーズのリヤウイング。サーキット専用モデルとして開発されたGT トラックシリーズは、エアロダイナミクスと軽量化を徹底的に追求。車両重量は1400kgに抑えている。

GT ブラックシリーズ同様、最適な重量配分を実現するべくトランスアクスル方式を採用。ヒューランド(Hewland)製の6速シーケンシャルギヤボックスとデフをリヤアクスル側に搭載し、後輪を駆動する。エンジンとトランスミッションを繋ぐトルクチューブは軽量なカーボンファイバー製だ。サスペンションには4段調整式のビルシュタイン製ダンパーを搭載。また、アンチロールバーも各自個別に調整が可能となっている。

空力を重視した造形のボンネットとウイング、シル、バックドア、リヤエプロンはすべてカーボンファイバー製。軽量素材の活用により、1400kgという車両重量を実現している。しっかりとしたダウンフォースを生み出すフロントスプリッターは、GT トラックシリーズ専用に開発されたもの。ボンネット上の巨大なエアアウトレットも、エンジンコンパートメント内の熱を排出するとともにダウンフォースの向上に寄与する。

シートはドライバーの体型に合わせてカスタム可能

メルセデスAMG GT トラックシリーズのシート
メルセデスAMG GT トラックシリーズのシート。ドライバーの体型に合わせてウレタンの形状をカスタムすることができる。

GT系のレースカーと同じリムサイズを採用した18インチの鍛造ホイールもトラックシリーズ専用の仕様。もちろん競技用タイヤに対応している。また、GT3及びGT4マシン同様、トラクションコントロールやABSはレースでの使用を想定し、12段階で調整可能となっている(介入レベルは、レベル1で最大、レベル11で最小。レベル12でオフ)。

乗員の安全を最大限に確保するべく、アルミニウム製スペースフレームには高張力綱を用いたロールケージをボルト留めし、ルーフには脱出用ハッチを装備。5点式ハーネスと消火装置に加え、ドライバーの体型に合わせて発泡ウレタンの造形を変更できるシートも備えている。

最新のドライバーディスプレイユニットを採用

メルセデスAMG GT トラックシリーズのセンターコンソール
メルセデスAMG GT トラックシリーズのセンターコンソール。トラクションコントロールとABSの介入レベルは、12段階で変更することが可能。

モータースポーツ専用のサラブレッドとして開発したGT トラックシリーズの内装は、極めて簡素である。1400kgの車重を実現するために、快適装備の類は非搭載。ソフトパッドや電動ウインドウなども排除されている。

ステアリングホイールは、シムレーシングのエキスパートであるCube Controlsと共同開発した専用品。ペダルもドライバーの体格に合わせて個別に調整できる仕様となっている。さらに、ダッシュボードにはボッシュ製のドライバーディスプレイユニット「BOSCH DDU 11」を搭載。ラップタイムやセクタータイム、タイヤ内圧、各種警告を直感的に把握できるモータースポーツ用のカラー液晶ディスプレイで、データロガーとしての機能も併せ持つ。ちなみに、2020年以降のGT500では同社製「DDU 10」が使用されており、GT トラックシリーズは最新のシステムをいち早く導入したクルマの1台である。

特別なトレーニングプログラムやエンジニアサポートも提供

メルセデスAMG GT トラックシリーズのリヤビュー
メルセデスAMG GT トラックシリーズのリヤビュー。車両購入者には、特別なトレーニングやレース時のエンジニアサポートなど、様々なメニューが提供される。

AMGのアニバーサリーイヤーにちなみ、わずか55台のみがハンドビルドされるGT トラックシリーズ。インテリアでは「1 of 55」と刻印されたプレートとともに、「Track Series」と刺繍されたシートがスペシャルモデルであることを主張している。また、専用のボディカバーも付属する。

GT トラックシリーズのオーナーは、納車前に技術的なトレーニングを受けることができる。さらに、サーキットイベントの際のエンジニアサポートや、クラブスポーツ関連のプログラム、サービス部門とのホットラインなども用意。専用のポータルサイトを通じて、アクセサリーやスペアパーツ、技術資料などをオンライン注文することも可能となっている。

デリバリーは2022年の第2四半期よりスタートする。欧州での車両価格はエアコン付きで36万9000ユーロ(約4933万円)で、オプションとして、スペアパーツのスターターセット、シート、ヘルメットなどを用意。さらに、顧客からのリクエストに応じて幅広い装備オプションに対応するという。

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三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…