440km/hの走りを実現するシロン スーパースポーツ、デリバリー開始

量産ブガッティ最速のシロン スーパースポーツが出荷スタート! 第1号車の凄すぎる仕様とは

ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。フロントビュー
2021年6月にワールドプレミアしたシロン スーパースポーツが、集中的な開発プログラムを経て量産をスタート。第1号車がモルスハイムのアトリエからいよいよ出荷される。
ブガッティは、2022年4月4日にシロン スーパースポーツの第1号車を出荷したと発表。量産ブガッティ最速の最高速度440km/hを達成するため、シロンに特別な“ロングテール”を与えたモデル。その最初の1台に迫る。

「最高速性能」を重視したシロンの派生モデル

ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。サイドビュー
ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。ボディに映り込む光を表現した独特の塗装パターンは、熟練職人の手仕事によって完成した。

2021年6月にワールドプレミアした「シロン スーパースポーツ」が、いよいよデリバリーをスタートする。

シロン スーパースポーツは、“究極のコーナリングマシン”を標榜したシロン ピュア スポーツのカウンターパートとして誕生した。400km/hを超える最高速性能を重視して開発され、320万ユーロ(約4億3000万円)のプライスタグを掲げる。

ボディに映り込む光をハンドペイントで表現

ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。キャビン
ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。同車が新たに展開しているカスタマイゼーションプログラム「シュール・ムジュール」により、まさしく“オーダーメイド”の仕様が実現。キャビンは目の覚めるようなオレンジのトーンで統一されている。

シロン スーパースポーツの第1号車は、ブガッティが展開するカスタマイゼーションプログラム「シュール・ムジュール(Sur Mesure=フランス語でオーダーメイドの意)」により、世界に1台だけの仕様となっている。

シロン スーパースポーツのボディ曲面へ映り込む光を表現した複雑な塗装パターンは、熟練職人によるハンドペイントにより完成。デザインのテーマはずばり「Vagues de Lumière’(光の波)」。注文主とシュール・ムジュールの専門チームが密に連携し、過去に例を見ない独自のペイントワークを実現した。

W16エンジンは最高出力1600ps/最大トルク1600Nmを発生

ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。W16エンジン
ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。搭載するW16クワッドターボエンジンは、最高出力1600ps/最大トルク1600Nmを発生する。

シロン スーパースポーツは車両重量を23kg軽量化。搭載するのはお馴染みの8.0リッターW型16気筒エンジンで、大径化したターボチャージャーを4基搭載する。オイルポンプやシリンダーヘッド、バルブトレインにも改良を加え、出力は100psアップの1600psを実現。回転数も300rpm引き上げて7100rpmとしている。1600Nmの最大トルクも、2000〜7000rpmとさらに幅広いレンジで発生する。強化したパワートレインに合わせ、トランスミッションとクラッチも最適化した。

組み合わせるのは7速DCTで、0-200km/h加速5.8秒、0-300km/h加速12.1秒を記録。0-400km/hはシロンに比べて12%速くなったという。ちなみに、走行モードには「EB」「ハンドリング」「アウトバーン」「トップスピード」の4種類を用意している。

足元に履くミシュラン パイロット スポーツ カップ2タイヤは、シロン ピュール スポールではグリップ性重視だったのに対し、こちらは剛性とスムーズさに重きを置いて最適化。500km/hでの安定的な走行を想定して開発されたという。タイヤには一切の不具合が許されないため、出荷前に全数をX線検査に通すという。

リヤを25cm延長した“ロングテール”仕様に

ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。リヤビュー
ブガッティ シロン スーパースポーツの量産第1号車。リヤセクションを25cm延長した“ロングテール”が「スーパースポーツ」の証。

なかでも特徴的なのが、リヤセクションの長さを25cm延長した“ロングテール”。420km/hを超えるスピードで走行するクルマには、十分過ぎるダウンフォースが必要だ。そして同時に、空気抵抗は最小限に抑えなければならない。ブガッティのデザインディレクターのNo.2、フランク・へイルは次のように語っている。

「我々が目指したのは可能な限りの流線形デザイン、そして最高速度での走行時でもニュートラルな姿勢を保つ性能を両立することでした」

440km/h走行時、車体には膨大な揚力が生じる。そのため、シロン スーパースポーツは強力なダウンフォースでこれを押さえ込み、車体にかかる力のバランスを完璧にとる必要がある。

開発中のブガッティ シロン スーパースポーツ。フロントビュー
最高速性能を重視して開発されたブガッティ シロン スーパースポーツ。生産枠分はすでに完売しており、これから世界中の顧客に向けてモルスハイムからのデリバリーが行われる。

最適な空力性能を実現するため、彼らはシロン スーパースポーツに“ロングテール”を与えた。乱流を防ぎ層流を保持できるように、ベースのシロンに比べてテールの長さをおよそ25cm延長。さらにリヤディフューザーの形状も変更し、下端を持ち上げることでリヤの断面積を44%縮小している。そのため、従来は横一列に並んでいた特徴的なテールパイプもまったく新しい配置とした。

「ディフューザーでダウンフォースを確保できるなら、ウイングなどの必要が無くなります。ですからトップスピードモードであっても、できるだけウイングを格納したままで走行できるようになったのです」とフランク・へイルは言う。

左右のフェンダーに並んだ9つの空気穴はEB110 スーパースポーツへのオマージュなのはもちろん、フロントホイールアーチ内のエアを抜くという重要な役割も与えられている。フロントホイールの前方と後方にも、それぞれ空力を整えるための通気口を設置した。

ブガッティコレクションの“目玉”になる1台

ブガッティ タイプ55、EB110、ヴェイロン16.4、シロン スーパースポーツ
ブガッティは「タイプ55」、「EB110」、「ヴェイロン 16.4」という3モデルに、かつて“スーパースポーツ”モデルを用意した。シロン スーパースポーツはその系譜を受け継ぐ最新のモデルだ。

シロン スーパースポーツの第1号出荷を受けて、ブガッティ オートモービルズのプレジデント、クリストフ・ピオションは次のように語っている。

「我々のアトリエで、シロン スーパースポーツのお客様向けの最初のモデルが完成したのを見ることができて大変興奮しています。新しい8.0リッターW16エンジンに火が入る音を最初に聴いたとき、このクルマは間もなく世界中のお客様のコレクションの“目玉”になるのだと私自身は確信しました。シロン スーパースポーツのドライブ体験は、他のどんな自動車とも比較のできないものとなっています。私たちのお客様に、その運転席で何マイルもの忘れられない軌跡を刻んでいただけることを心から楽しみにしています」

ブガッティ ボリードのフロントビュー

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…