ジープ、超個性的な5台の電動コンセプトモデルを公開

これがジープの電気自動車!最新のコンセプトカーは「ワクワク感」が満載

ジープのコンセプトカー、ラングラー マグニート 2.0。フロントビュー
ジープのコンセプトカー、ラングラー マグニート 2.0。2021年に発表したジープブランド初となるEVのスタディモデル「マグニート コンセプト」の進化版だ。
ジープは、2022年4月9〜17日に開催される「イースター・ジープ・サファリ(Easter Jeep Safari)」に出展する5台のコンセプトカーを発表した。個性派揃いのスタディモデルを通して、電動化時代のオフロードの楽しみ方を提案する。

フルEV化したジープは1000Nm超のトルクを発生!?

ジープのコンセプトカー、ラングラー マグニート 2.0。リヤビュー
ジープのコンセプトカー、ラングラー マグニート 2.0。巨大な40インチオフロードタイヤをカバーする前後フェンダーをはじめ、Bピラーとボンネットにはカーボンファイバーを採用している。

米ユタ州グランド郡モアブ国立公園で2022年4月9〜17日に開催される「イースター・ジープ・サファリ(Easter Jeep Safari)」は、今年で56回を数えるジープファン及びオフロード愛好家のための祭典。今回ジープは同イベントへ、5台のコンセプトカーを出展する。

なんといっても注目なのが、2021年に発表したジープブランド初となるEVのスタディモデル「マグニート コンセプト」の進化版、「ラングラー マグニート 2.0」。ジープを象徴するラングラー ルビコンをベースに、高性能モーターとリチウムイオンバッテリーを搭載し、フルEV化したコンセプトカーだ。

マグニート 2.0は最高出力625hp/最大トルク1152Nmを標榜。「0-60mph(約96km/h)加速をジャスト2秒で駆け抜ける」と謳うほど、オンロードでのパフォーマンスも重視したコンセプトとなっている。

あえて「マニュアルトランスミッション」を提案

電動モーターには最大5250rpmで回転するアキシャルフラックス型を採用する。一般的なラジアルギャップモーターに比べて、薄型・軽量化しても高出力・高効率を維持できるアキシャルモーターは、モーターの需要と高性能化ニーズが高まる昨今、ますます注目が高まっている。

搭載するリチウムイオンバッテリーは、4パックに分けてシャシー各部に配置することで重量バランスを最適化(電池容量は合計で70kWh)するという。なお、トランスミッションに6速MTを組み合わせるというのもユニークな点。

ボディはあくまで2ドアながら、ホイールベースは12インチ(約304mm)延長した“アンリミテッド”スタイルを採用。巨大な40インチオフロードタイヤをカバーする前後フェンダーをはじめ、Bピラーとボンネットにはカーボンファイバーを用いることで軽量化も図っている。ちなみにボンネット中央にはブルーの透明カバーがあしらわれており、中のパワーユニットを眺めることができるようになっているのも面白い。

“グラチェロ”も“ジープの原点”もプラグインハイブリッドに

「グランドチェロキー トレイルホークPHEV」は、2基のモーターと400Vのバッテリーバック+2.0リッター直4ターボを組み合わせるプラグインハイブリッドコンセプト。“クアドラリフト”と呼ぶエアサスペンションを標準搭載し、インテリアにも千鳥格子パターンをあしらった上質なシートを組み合わせるなど、市販化の際はグランドチェロキーのフラッグシップグレード的なポジションになると思わせる1台だ。

ジープの歴史が始まった年号を車名に掲げる「ジープ ’41 コンセプト」は、同ブランドの原点といえるウィリスMBにオマージュを捧げるスタディモデル。いかにもレトロスペクティブなスタイルながら、中身は最新のプラグインハイブリッドであり、約34kmまでなら電気だけでも走行することができる。

パワートレインは2.0リッター直4ターボに2基のモーター、さらに高圧バッテリーパックで構成。トランスミッションには8速ATを組み合わせる。マットグリーンのボディやブラックの粉体塗装仕上げのスチールバンパー、タン色のソフトトップ、ハーフドアなどがジープ独特の個性を際立たせている。

ルビコンの20周年を祝うコンセプトモデル

米カリフォルニア州に存在する、世界で最も過酷なオフロードコースといわれるルビコントレイルをその名の由来とする「ラングラー ルビコン」は2003年に誕生。その20周年を祝うコンセプトカーが「ルビコン 20th アニバーサリー コンセプト」だ。

ベースとなっているのは、“ジープ史上最強・最速のラングラー”であるラングラー ルビコン 392。心臓部には6.4リッターV8を搭載する。獰猛なサウンドを放つ2モードパフォーマンスエキゾーストシステムと真ん中にスクープをもうけたボンネットがパフォーマンスを主張する一方で、ジープらしい“自由”を感じさせるワンタッチで開放できるルーフトップや着脱可能なサイドパネルを採用している。

ピックアップトラックの「ある流行」に注目

ピックアップトラックの荷台を短くする“ボブド ベッド(Bobbed bed)”スタイルが、アメリカの一部界隈で流行している。そのトレンドを受け、ジープが遊び心たっぷりで提案するのが「ボブ コンセプト」。

グラディエーター ルビコンをベースにしたボブ コンセプトは、3.0リッター“エコ ディーゼル”V6ターボエンジンを搭載。すべてのドアとBピラーを取り除いて開放感たっぷりの1台とした。頭上のハードトップも空に向けて大きく口を開けており、キャンバストップがその上を覆うことでキャビンを自然光で満たす仕組みになっている。

全身にQRコードをまとった今どきのコンセプトモデルも

Moparによる純正のパフォーマンス用品、ジープパフォーマンスパーツ(JPP)が提案するコンセプトカーからも、とりわけ独創的な2台を紹介したい。

「Dコーダー コンセプト by JPP」は、現代的なPR手法を装飾として採り入れた大胆なコンセプトモデル。ボディ各所に配された模様は、よく見るとそれぞれがQRコードになっており、スキャンするだけでオンラインストアサイトへアクセスすることができる。

屈強さをアピールするグリルやガード、シュノーケルはもちろん、スタンダード比で3倍の強度をもつフロントガラスも採用。日よけにはMopar製のメッシュ地トップを備えている。

ヘビーデューティーユースに対応した硬派なラングラー

「ラングラー 4xe バードケージ コンセプト by JPP」は、プラグインハイブリッドのラングラーがベース。フロントウインドウもワイパーも排除した硬派な仕様となっており、デイタイムランニングライトを一体化したフラットなフロントフェンダーなど、ロードクリアランスを最大限に確保するためのパーツも積極的に採用している。また、テールゲートパネル内には引き出し式のテーブルを格納。車載のエアコンプレッサーも備えるなど、様々な作業を外出先で行えるようになっている。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…