目次
AI×アルピーヌが生んだ超現代的なアートカー

アンディ・ウォーホルが手掛けたBMW M1や、ジャニス・ジョプリンのポルシェ 356 カブリオレ、ビーズや電球を全身にまとったフォルクスワーゲン ビートルなど、世界的に有名になったアートカーはいくつも存在する。クルマとアートを掛け合わせるという試みは、時代を超えて多くの人を魅了してきた。
今回アルピーヌが製作したのは、A110をベースにした超現代的ともいえるアートカー。タッグを組んだのは、AIアートの生みの親と言われるObvious。パリを拠点に活動する3人組の芸術家集団の名は、AIが“描いた”肖像画がクリスティーズの競売で約4900万円の値で落札されたことで話題になった。
架空のサーキットコース図がボディに
アルピーヌとObviousが作ったアートカーの名は「Sastruga(サルツルギ=雪の表面が風で削られてできた模様)」。ボディ全体に渡って雪面に浮き彫りになった隆起を表現した模様があしらわれ、リヤクォーター部には架空のサーキットのコース図、そしてボディ後端には架空のサーキットから生成したアルゴリズムを表す数式が描かれている。
架空のサーキットを“設計”するにあたり、Obviousはル・マンやポール リカール、ペドラルベス、ペスカーラ、モンジュイック、モンサント、マニクール、ロングビーチ、ロサイル、キャラミといった、かつてアルピーヌが歴史を刻んできたトラックからインスピレーションを得つつ、ピットレーンやパッシングポイントなどを追加していったという。
アートカー、Sastrugaは2022年4月7〜10日にパリのグランパレ エフェメールで開催された「アート・パリ」内でお披露目された。アルピーヌのローレン・ロッシCEOは、「Obviousと我々は、自己を再発見するために技術革新を活用するという点で、同じ野心を抱いています。そして、可能性を絶えず拡張し続けていくのです」