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Skoda Enyaq iV
電動SUV「エンヤク iV」が高い評価を得たシュコダ

2011年に英国で設立された「カー・エキスパート」は、年間200万人以上が利用する消費者向け自動車購入アドバイスサイト。英国の自動車系ウェブサイトや自動車専門誌、30社のレビューを統合し、独自の指標となる「エキスパート・レーティング(Expert Rating)」を公開している。
今回カー・エキスパートは、英国を拠点とする自動車ジャーナリストが各国の自動車をどのように評価しているか包括的な調査を行った。2022年3月1日時点で英国において販売されている340以上の新車を対象とし、最低10件の自動車評価レビュー記事を分析。自動車産業の製造拠点は世界中に広がっているため、工場の所在地ではなくもともと生産されていた国でブランドをグループ化している。
この結果、コンパクトカーから高級モデルまでラインナップする「シュコダ」が高得点を獲得。シュコダを擁するチェコ共和国が評価スコア76%という素晴らしい得点をたたき出し、国別トップの座を獲得した。
シュコダは2020年に投入した電動SUV「エンヤク iV(Skoda Enyaq iV)」が84%と高い評価を得ており、ラインナップで最も低いスコアだったショートワゴンの「スカーラ(Scala)」も64%と、Cセグメントに属するライバルと比べ比較的高いスコアを得ている。
高級車ブランドを持つ国の評価が高い傾向に

2位はボルボやポールスターを展開するスウェーデン(74%)、3位にはドイツが入った。ブランド別ではポルシェ(82%)、BMW(73%)、アウディ(73%)とドイツ勢が上位を占めたものの、ドイツ全体としての評価は73.5%に留まっている。結果を押し下げたのはスマート(43%)で、ドイツ・ブランドで最も低いスコアとなっている。
4位はスペイン(72.2%)、5位は英国(71.5%)、6位米国(69.1%)、7位ルーマニア(68.3%)、8位韓国(67.6%)、9位イタリア(67.5%)、10位日本(66.8%)、11位フランス(65.9%)と続く。多くのメーカーを抱えるイタリアや日本、フランスが平均レートを落としている傾向が見られるようだ。
ベントレー、ランドローバー、ジャガーといった世界有数の高級車メーカーを数多く抱える英国は5位にランクイン。個別車種評価でも、マクラーレン 765 LT(91%)、ロールス・ロイス ファントム(92%)、ベントレー コンチネンタルGT(84%)、ランドローバー ディフェンダー(83%)といったモデルが高い評価を得た。一方、英国発のブランドでありながら、現在は中国を拠点としているMGはブランド評価が53%と低く、特にMG 3とZSは下位ランク5車種の中に入っている。
アルピーヌがトップも、国としては11位のフランス

フランスは11位と主要生産国では下位に沈んだものの、アルピーヌが88%のスコアを獲得してブランド別トップの称号を手に入れた。このスコアは、アルピーヌの「A110」が高評価を受けていることに起因するのは間違いないが、一方でアルピーヌが現在英国で販売している車種が「A110」のみであり、スコアを下げる要因となるラインナップが存在しないため実現したとも言えるだろう。
例えば日本メーカーではトヨタのGR ヤリス(91%)、ホンダ シビック タイプR(87%)、マツダ MX-5(86%)などスポーツモデルが高い評価を得ているのに、それぞれのブランドが展開している別の車種がスコアを下げて上位に食い込めなかったこととは対照的だ。
今回の調査結果を公開したカー・エキスパートのエディトリアル・ディレクターを務めるスチュアート・メイソンは、次のようにコメントしている。
「私たちが展開するエキスパート・レーティングは、英国における有力自動車専門誌の膨大なレビューをもとに、独自のアルゴリズムでそのデータをパーセンテージ評価に落とし込んでいます。いわば、自動車に関するメタ分析ともいえる、ユニークな評価軸だと言えるでしょう」
「多くの高級ブランドを抱えるドイツがトップでなく、チェコがタイトルを獲得したことに驚かれた方も多いはずです。シュコダは長年にわたって大きな進歩を遂げ、そのラインナップは自動車ジャーナリストや消費者から常に賞賛されてきました。全体として、シュコダの高いコストパフォーマンスと、多くの上位ブランドを凌駕する車種を提供する能力が、ようやく相応しい評価を得たと言えるかもしれません」
【関連リンク】
・カー・エキスパート レーティングサイト
https://www.thecarexpert.co.uk