英グッドウッド恒例の祭典でBMW Mの50周年を祝う

BMWが新型M3ツーリングを6月23日に世界初披露! 今年のグッドウッドが見逃せない5つの理由

2022年6月23日にワールドプレミアするBMW M3ツーリングのリヤイメージ
英国で2022年6月23日午前10時(日本時間=6月23日午後18時)にワールドプレミアされる、BMW M3ツーリング。M3初のワゴンモデルだ。
2022年6月23〜26日に行われる「グッドウッド フェスティバル オブ スピード」で、BMW Mは新型M3ツーリングをワールドプレミアする。同時に、M4 CSLを英国初お披露目。今年はBMW M社が50周年を迎えたアニバーサリーイヤーとあって、M1 プロカーなど往年の名モデルも姿を現す模様。

50年前に誕生した高性能車専門家集団、M社

BMW Mの起源ともいえる3.0 CSL(E9)
BMW Mの起源ともいえる3.0 CSL(E9型)。CSLは「Coupe Sport Leichtbau(=クーペ、スポーツ、軽量構造)」の意味。

1972年5月1日、35人のスペシャリストを集めた高性能車の専門部隊、BMWモータースポーツ社が発足した。かつて、ポルシェのワークスドライバーを務めたヨッヘン・ニーアパッシュ率いる専門家集団は、ミュンヘンのプロイセン通りに8000平方メートルを超える広大な敷地を確保。

レーシング・ワークショップ、レーシング・エンジン組立部門、工具製作部門、エンジンのテストベンチを設置した本格的な体制を築き上げ、3.0 CSLクーペという傑作ツーリングカーを送り出してレース界を席巻した。以来、Mの名前、そしてまっ白な下地に青/紫/赤の3本ストライプを配したアイコンは、自動車愛好家の間で常に憧れの存在として君臨し続けている。

今年、そのM社が創業50周年を迎えた。そのアニバーサリーイヤーを祝い、2022年6月23〜26日に英国で開催されるカーイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)」では特別なプログラムを多数用意している。

その1:M3初のワゴンを世界初お披露目

BMW Mの復刻エンブレム
BMW Mの50周年を記念して、Mモータースポーツ社(M GmbHの前身)のレーシングカーに最初に装着されたエンブレムが復活。2022年3月以降に生産されるBMW Mモデル、及びMスポーツパッケージを装着したBMW車に装着することが可能。M3 ツーリングにも装備することができるはずだ。

M社の主力モデル、M3に初めてのワゴンモデルとなる「M3 ツーリング」が登場する。彼らはそのワールドプレミアの場に、今回のFoSを選んだ。

M3、及びM4のテクノロジーを投入した実用的な5ドアワゴンは、現地時間6月23日午前10時(日本時間=6月23日午後18時)に発表。同時に、MotoGPのセーフティーカー仕様のM3 ツーリングも公開されるという。

その2:“グッドウッドハウス前”に新旧のレーシングカーが集結

グッドウッドハウス前の特設M専用ブースには、3.0 CSLをはじめとした往年の名モデルを展示する。1970年代終盤に登場したワンメイクレース用車両「M1 プロカー」や、WTCC仕様3シリーズ(E90型)、1999年のル・マンを制したV12 LMRといった栄光のレーシングカーと共に、来季デビュー予定の最新LMDh規定マシン「BMW M ハイブリッド V8」もハウス前を飾る。

その3:ピケの子息がブラバム BT52でヒルクライム!

BMWのM12/13エンジンを搭載したF1マシン、ブラバムBT52
ブラバム BT52には、BMW製の1.5リッターターボユニット、M12/13を搭載していた。写真は、1983年のブラジルGPを戦うネルソン・ピケ。

1983年にネルソン・ピケがドライバーズタイトルを取得したF1マシン、ブラバム BT52もやってくる。ゴードン・マレーが設計し、BMW製の直4ターボエンジン(M12/13)を搭載したブラバム BT52は、グッドウッド名物のヒルクライムに挑戦する。しかも、ドライバーを務めるのはネルソンの息子、ペドロ・ピケ。80年代F1ファンは必見である。また、ル・マンウィナーのV12 LMR、“シャークノーズ”の635CSi、2015年のスパ24時間で勝利したZ4も出場予定だ。

その4:憧れのプロダクションモデルも集合

BMW XMのフロントビュー
現在開発を進めている、M専用の電動プラグインハイブリッドSUV「XM」。2022年12月からアメリカで量産をスタートする予定。

オリジナルのM1をはじめ、E30型M3、E46型M3 CSLなど、かつて憧れたMの名車も一堂に会する。さらに、635hpというハイパワーを誇る最新のM5 CSや、M4 GT3、M850i コンバーチブルといった最新のモデルラインナップもずらりと揃う。電気自動車のi4 M50や、M専用モデルの高性能電動SUV「XM」のコンセプトモデルも同じスペースに展示されるのもユニークだ。

その5:発表したばかりの最新EVの試乗イベントも

iX M60やi4、iX3など、最新のBMWピュアEVのテストドライブプログラムも実施。さらに、先般発表したばかりのiX1や、フラッグシップEVのi7、そして、もっと先のBMWのカタチを提案するスタディモデル「i Vision Circular」も展示車として用意される。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…