パイクスピーク100回記念大会にポルシェ 911 ターボSが参戦

ターゲットはベントレーの10分18秒488! ポルシェ 911 ターボSがパイクスピークの市販車部門・最速記録に挑戦

イビッド・ドナーがドライブするポルシェ 911 ターボSのフロントスタイル
パイクスを知り尽くしたデイビッド・ドナーが、2022年のパイクスでドライブするポルシェ 911 ターボS。
2022年6月26日、記念すべき100回目の開催を迎えるヒルクライムの最高峰イベント「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(100th Pikes Peak International Hill Climb)」。米国コロラド州コロラドスプリングスで開催される歴史的イベントに、3度の優勝を誇るデイビッド・ドナーが、市販仕様のポルシェ 911 ターボSで挑戦する。

Porsche 911 Turbo S

ベントレーの市販車記録更新がターゲット

デイビッド・ドナー(写真左)は、2019年にベントレー コンチネンタル GTが記録した、市販車最高記録10分18秒488の更新を狙う。
デイビッド・ドナー(写真左)は、2019年にベントレー コンチネンタルGTが記録した、市販車最高記録10分18秒488の更新を狙う。

2021年、ナパバレーでポルシェ・コレクターのジム・エドワーズ、雑誌編集者のピート・スタウトとディナーを共にしたデイビッド・ドナーは、すぐに会話のテーマが100回目の記念大会を迎えるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムになったと明かす。

スタウトは2020年のパイクスピークにおいて、ドナーと共に911 GT2 RS クラブスポーツで参戦。タイムアタック1クラスにおいてコースレコードを叩き出し、優勝を手にした。すぐに3人の間で2022年は市販車部門の記録更新を狙って、ふたたびポルシェ 911でチャレンジする計画が立ち上がったという。

2014年、ドナーが911 ターボS(タイプ991)で記録した10分26秒896というタイムは、2019年にベントレー コンチネンタルGTをドライブしたリース・ミレンが更新。ミレンはドナーの記録を8.4秒も短縮する10分18秒488を叩き出した。市販車記録をベントレーから奪還すべく、3人はジム・エドワーズがオーダーしたばかりの911 ターボS(タイプ992)の導入を決定した。

「パイクスピークへと向かう理由は、いつだって優勝か記録更新のためです。まだテストでやるべきことがたくさんありますが、100回目のパイクスピークに最新のポルシェ 911 ターボSで参戦するのが、今から本当に楽しみです」と、ドナーは笑顔で語る。

市販仕様の911 ターボSで挑戦する意義

独立系ポルシェ専門誌『000 Magazine』に掲載された911 ターボ特集企画がラッピングされた、ドナーのポルシェ 911 ターボS。
今回、モンスターマシンが列挙する改造部門ではなく、あえて市販車部門への参加を決めたドナー。そこには古き良き時代のモーターレースへのリスペクトがあった。

パイクスピークのような過酷で注目度の高いイベントにおいて、公道走行可能なモデルを走らせることは非常に過酷な挑戦となる。今回の立案者のひとり、ピート・スタウトは次のように彼らの計画を説明する。

「パイクスピークにおける記録更新は、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェのタイムアタックによく似ています。コロラドスプリングスのヒルクライムには、カーエンスージアストを熱狂させる要素が含まれているのです。標高4298m、走行距離は19.99kmのコースは変化に富んでおり、リスクも小さくありません。フルコースを使った練習走行ができないため、天候に恵まれたとしても、1年にたった1回のプラクティスしか走行が許されていないのです」

「パイクスピークは、ル・マン24時間、モナコGP、マン島TTレースと並び、国際的な注目を集めるイベントです。そして、私たちの911であれば、古き良き時代のように、日曜日にパイクスでレースに挑み、月曜日にはランチに出かけることだって可能なのです(笑)」

雑誌の911 ターボ特集をラッピング

独立系ポルシェ専門誌『000 Magazine』に掲載された911 ターボ特集企画がラッピングされた、ドナーのポルシェ 911 ターボS。
独立系ポルシェ専門誌『000 Magazine』に掲載された911 ターボ特集企画がボディ全体にラッピングされたドナーのポルシェ 911 ターボS。

ドナーが2022年のパイクスでドライブするのは、最新の2022年型911 ターボS。フロリダ州ポンパノビーチのカーディーラー「チャンピオン・ポルシェ(Champion Porsche)」でオーダーされ、ドイツからショールームに到着するとレースショップへと直行し、競技用の改造が施された。

エクステリアには、2016年に米国で創刊された独立系ポルシェ専門誌『000 Magazine(トリプルゼロ・マガジン)』に掲載された911 ターボ特集の誌面が全体にラッピングされた。

「現行のターボというと、ラグジュアリーな911をイメージされる方が多いと思いますが、初期の911 ターボはグループ4やグループ5規程のレース用ホモロゲーションマシンでした。今回の特集記事では、初代911 ターボがどのようなマシンだったのかを徹底的に解説しています」と、今回の参戦企画を担当するピート・スタウトは説明する。

「今回、私たちがパイクスに投入する911 ターボS ライトウェイト パッケージは、競技用の安全装備のみが装着されています。それ以外は市販モデルと一切変わりません。チャンピオン・ポルシェはこのクルマを準備するために素晴らしい仕事をしてくれました。パイクスピークでドナーがどんな走りを見せてくれるのか、今から楽しみです」

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