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BMW M4 GT4
ニュルブルクリンクでのテストに続き正式公開
BMW M4 GT4は、正式発表に先立ちドイツのニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにおいてカモフラージュが施された状態でテストを披露。今回のレースウイーク初日、6月17日にBMW Mモータースポーツのカラーリングを纏った状態で正式公開された。
BMW M社(BMW Gmbh)のフランク・ヴァン・ミールCEOは、カスタマー向けレーシングカー「M4 GT4」について次のようにコメントした。
「私たちは、大成功を収めた初代M4 GT4の後継車開発にチャレンジしました。経験豊富な開発チームは、カスタマーの皆さんから頂いた様々なフィードバックをもとに、6代目となるM4の市販仕様をベースに、より速く、より信頼性の高い、非常にエモーショナルなレーシングカーを完成させました」
性能・信頼性・コスト・メンテナンス性を重視
M4 GT4は、先代モデルと同様にカスタマーが最大限ポテンシャルを活かせるように開発。市販モデルに採用された最新の主要テクノロジーをベースに、上位モデルのM4 GT3から様々なコンポーネントが導入されている。
今回、開発チームは性能/信頼性/コスト/メンテナンス性という4つのテーマを掲げた。さらに、人間工学とエレクトロニクスを進化させたことで、プライベーターがレースシリーズに参戦する場合のコストパフォーマンスが大幅に向上したという。
ボディディメンションは全長4863×全幅2093×全高1368mm、ホイールベース2857mm。GT4規程に準拠し、最高出力405kw(550hp)・最大トルク650Nmを発揮する3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボエンジンを搭載。ZF製7速シーケンシャルギヤボックスを介して後輪を駆動する。
PC接続が不要になった「Mトラック・コクピット」
キャビンには、ロングディスタンスのレースに対応すべくエアコンディショナーを採用。「Mトラック・コクピット」をはじめ、ヒーター付ウインドスクリーン、各種コントロール機能付きファナテック製GT4イルミネーション・ステアリングホイール、専用設計のレカロ製セーフティシートを標準装備する。
データロガーシステム「Mトラック・コクピット」は様々な車両設定やチェックを、ノートパソコンを接続せずに車両のコントロールエレメントから直接行えるように改良された。室内には通常のプラスチックよりも軽量かつ、エネルギー使用量、CO2排出量を大幅に削減したBcomp製天然繊維複合材も導入されている。
今回のアメリカにおける正式発表後、M4 GT4はテストの最終フェーズに進み、ニュルブルクリンク耐久シリーズ、ポルティマオ24時間レースへのテスト参戦を予定している。ヨーロッパにおける価格は18万7000ユーロ~。すでに予約受付がスタートしており、2023年シーズンの各レース開幕に間に合うよう、2022年10月から生産が開始される。