718 ケイマン GT4 eパフォーマンス、グッドウッドで45秒50を記録

電動レーシングカー「ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンス」、グッドウッドで初披露 【動画】

ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンスの走行シーン
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行シーンを初披露した、ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンス。
6月23~26日に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、ポルシェは電動レーシングカー「718 ケイマン GT4 eパフォーマンス」の走行を初めて一般公開した。今回のグッドウッドにおけるデモンストレーションランは、世界中で開催される「GT4 eパフォーマンス・ツアー」の幕開けとなる。

Porsche 718 Cayman GT4 ePerformance

グッドウッドを皮切りに世界ツアーを実施

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行シーンを初披露した、ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンス。
ポルシェはカスタマー向け電動レーシングカーをアピールすべく、今回のグッドウッドを皮切りに「GT4 eパフォーマンス・ツアー」を実施する。

ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンスは、グッドウッドの敷地内にある1.9kmのヒルクライムコースで、そのパフォーマンスを披露。この最新電動レーシングカーは、今回の英国を皮切りに今後2年間をかけて世界各国のサーキットを舞台に「GT4 eパフォーマンス・ツアー(GT4 ePerformance Tour)」を実施する。

ポルシェがワールドツアーを実施するのは、最先端電動レーシングカーコンセプトのポテンシャルを示しつつ、それに伴う新たなレース形式の可能性をカスタマーレーシングチーム、パートナー企業、レースオーガナイザーにアピールする目的があるという。

ヒルクライムコースで45秒50を記録

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行シーンを初披露した、ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンス。
718 ケイマン GT4 eパフォーマンスは、グッドウッドのヒルクライムコースを舞台に行われたシュートアウトに参加。マクマートリー スピアリング(39秒08)に続く、2番手タイム(45秒50)を記録した。

718 ケイマン GT4 eパフォーマンスは、2021年にミュンヘンで開催されたIAAモビリティにおいて発表されたコンセプトスタディ「ミッションR」から様々な電動技術を流用しており、フロントとリヤアクスルに永久磁石同期型モーター(PESM)を2基搭載。将来的なカスタマー向け電動GTレーシングカーのビジョンを示した1台となる。

シャシーは、こちらも実績のある718 ケイマン GT4 クラブスポーツをベースに開発。予選モードでは最大システム出力800kW(1088ps)を発揮する。テストで行われた模擬レースでは、カレラカップの標準的なレース時間に相当する30分間、450kW(612ps)という安定した出力で走行を続けている。これは、992世代の911 GT3 カップに匹敵する性能だ。

高度な900Vテクノロジーとポルシェターボチャージャーによって、わずか15分で残電量5%から80%までバッテリーを充電することが可能。今回、グッドウッドで718 ケイマン GT4 eパフォーマンスのステアリングを握ったポルシェのワークスドライバー、リヒャルト・リーツは次のように感想を語った。

「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、クルマ好きのための本当に特別なイベントです。ヨーロッパでは他に類を見ないモータースポーツのメッカだと言えるでしょう。718 ケイマン GT4 eパフォーマンスに関しては、テストで乗っていたので良く知っています。とにかく凄まじいスピードを持っていて、ドライブが楽しいレーシングカーです」

「718 ケイマン GT4 eパフォーマンスは、これこそ私が想像する未来の電動カスタマーレーシングカーの姿です。効果的なエアロダイナミクス設計が導入されているので、グッドウッドのようなヒルクライムコースよりも、サーキットでの走行に適しています。それにもかかわらず、45秒50というタイムを記録し、総合2位という順位を獲得して見せたのです」

サステナブルを追求した電動GTレーシングカー

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行シーンを初披露した、ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンス。
718 ケイマン GT4 eパフォーマンスは、電動パワートレインの採用に加えて、ボディには天然繊維複合素材を導入。リサイクルカーボンも活用されている。

ポルシェは、718 ケイマン GT4 eパフォーマンスのために約6000点のパーツを新設計した。さらに、デザイナーのグラント・ラーソンの指揮のもと、ポルシェスタイルのチームが専用エクステリアをデザインしている。

ミシュラン製18インチレーシングタイヤを装着するためフェンダーは拡大され、718 ケイマン GT4 クラブスポーツと比較して14cmもワイド化された。ボディには天然繊維複合素材を使用し、同等の合成素材を使用した場合よりもCO2排出量を大幅に削減。また、試験的にリサイクルされたカーボンファイバーも導入されている。

8月20日にライプツィヒ工場でツアーを実施

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行シーンを初披露した、ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンス。
今回のグッドウッドでのお披露目に続き、8月20日にはポルシェのライプツィヒ工場20周年記念イベント内で「GT4 eパフォーマンス・ツアー」が実施される。

718 ケイマン GT4 eパフォーマンスの販売プロジェクトマネージャー、オリバー・シュワブは、グッドウッドでの走行を終えて次のようにコメントした。

「718 ケイマン GT4 eパフォーマンスは、電動レーシングカーを使ったポルシェのカスタマーレースへの道を切り拓く存在となります。その第一歩として、私たちはこのコンセプトをグッドウッドを皮切りに世界中のパートナーに公開するのです。また、ドライバー、チーム、オーガナイザー、その他の関係者と共に、将来のポルシェのレースフォーマットをどうすべきか、様々なアイデアを集めています」

「GT4 eパフォーマンス・ツアー」は、今回のグッドウッドに続き、8月20にポルシェのライプツィヒ工場で行われる20周年式典内での開催を予定。ライプツィヒ工場には、世界各地のサーキットにある有名なコーナーを集めた3.7kmのレーストラックがあり、718 ケイマン GT4 eパフォーマンスはここでデモンストレーションランを披露する。

ポルシェ 718 ケイマン GT4 eパフォーマンスを動画でチェック!

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