SUV、セダン、バンまで勢揃いしたメルセデス・ベンツのBEV6台早わかり 【後編】

メルセデス・ベンツの電気自動車「EQ」ファミリー総まとめ。自分にぴったりな1台はどれだ?!【EQE/EQS/EQV編】

メルセデス・ベンツ EQE、EQS、EQV、EQS SUVの4台イメージ
メルセデス・ベンツは電気自動車のポートフォリオを着々と拡充している。写真はすでに欧州では販売がスタートしているEQE(左上)、EQS(右上)、EQV(左下)、そして間もなく生産を開始するEQS SUV(右下)。
メルセデス・ベンツのBEVファミリー「EQ」シリーズは、2019年のEQCを皮切りに続々と拡張を続けている。前編では現状日本で買えるEQモデル3車に焦点をあてたが、今回は未導入のモデルに注目してみたい。間もなく市販モデルが登場予定の次世代モデルも含めてまとめてみよう。

EQE

法人需要も見込めるエグゼクティブ向け電動セダン

EQEは、EQファミリーにおける「Eクラス」。オーソドックスな3BOXボディを持つEセグメントサルーンだ。メルセデスがプレミアムクラスの電気自動車用に設計したプラットフォーム「EVA2」をベースに、ショーファードリブンとしても使える広く上質な上屋を組み合わせている。

ダッシュボード全体が液晶画面になったかのような「MBUXハイパースクリーン」をはじめ、エアサスペンション、自動開閉ドア(フロント)や後輪操舵など、フラッグシップのEQSに準じる装備類を用意。なお、ハイパースクリーンやエアサスペンションはオプション設定とし、適宜取捨選択できるようになっている。これは価格をなるべく抑えたい法人需要を視野にいれた結果のようだ。また。90kWhの大容量バッテリーを搭載することで最長654kmの航続距離も実現しており、ハイヤーとしての利用も十分に見込める。

また、音響生態学者が開発に協力した音の演出(夏の雨や森の葉ずれなど)や、電気自動車のイメージに合わせて作った専用のパフュームアトマイザーも採用。キャビンの“雰囲気”づくりにも力を入れているのがユニークだ。

EQE は、まず292ps/530Nmの「350+」から導入をスタートし、ついでAMGの「43」(476ps/858Nm)と「53」(687ps/1000Nm)を追加した。日本の導入時期は現時点(2022年7月)では不明。参考までに、欧州での販売価格は7万626.5ユーロ(約980万円)〜となっている。

SPECIFICATIONS

メルセデス・ベンツ EQE 350(欧州仕様)

ボディサイズ:全長4946 全幅1961 全高1512mm
ホイールベース:3120mm
ラゲッジスペース(VDA方式):430リットル
車両重量:2355kg
モーター:永久磁石式同期モーター×1
最高出力:215KW(292ps)
最大トルク:530Nm
駆動用種電池:リチウムイオン電池
電池容量:90kWh
駆動方式:RWD
サスペンション:前4リンク 後マルチリンク
0-100km/h加速:6.4秒
最高速度:210km/h
航続距離:567-654km(WLTPモード)

EQS

電気時代のフラッグシップサルーン

EQファミリーを率いる旗艦モデルがEQS。EQEと同じ「EVA2」プラットフォームを採用する全長5m超えの高級サルーンだ。「EV界のSクラス」といわれるEQSだが、2ボックスデザインの流れるようなボディラインは、既存のオーセンティックなショーファードリブンとは明らかに一線を画す。シャチのようにツルリとした滑らかなスタイリングにより、EQSは量産市販車最高レベルの0.20というCd値を実現している。ちなみにポルシェのラインナップ中最良の空力性能を誇るタイカンのCd値は0.22である。

メルセデスの最高位を表す“S”を車名に冠するとおり、EQSには革新的な最新技術がこれでもかというほど盛り込まれている。ダッシュボードの左右いっぱいに広がる巨大なガラスディスプレイ「MBUXハイパースクリーン」をはじめ、自動開閉システムを備える4枚ドア、レベル3相当の運転支援システム、速度に応じて車高を自動調整するエアサスペンション、クリーンルームに匹敵する性能をもつエアフィルターなどハイテク機構が満載である。

EQSは後輪駆動の「450+」(333ps/568Nm)と、4輪駆動の「580 4マティック」(524ps/855Nm)に加え、AMGの「53 4マティック+」(761ps/1020Nm)をラインナップする。搭載するリチウムイオンバッテリーは107.8kWhという大容量で、航続距離は最長770kmを誇る長距離ランナーだ。最高速度も210km/h(AMGは250km/h)に達している。

なお、欧州ではノーマルモデルが10万6374.10ユーロ(約1474万円)〜、AMGモデルが15万2546.10ユーロ(約2114万円)〜というプライスタグを掲げている。参考までに、宿命のライバルともいえる7シリーズにもBEV版の「i7」が登場しており、日本でもすでにプレオーダーを受け付けている。i7は前後にモーターを搭載する4輪駆動で、最高出力536hp、航続距離590〜625kmを標榜。車両価格は1670万円〜となっている。

SPECIFICATIONS

メルセデス・ベンツ EQS 580 4マティック(欧州仕様)

ボディサイズ:全長5216 全幅1926 全高1512mm
ホイールベース:3210mm
車両重量:2585kg
モーター:永久同期式
最高出力:385KW(523ps)
最大トルク:855Nm
駆動用種電池:リチウムイオン電池
電池容量:107.8kWh
駆動方式:AWD
サスペンション:前4リンク 後マルチリンク
航続距離:770km(WLTPモード)
0-100km/h加速:4.3秒
最高速度:210km/h(リミッター制御)

EQV

もしかしたらこれが大本命!?なプレミアム電動MPV

EQVは、Vクラスの電気自動車バージョン。全長5140mmのノーマルモデルと5370mmのロングホイールベースモデルという2タイプをラインナップし、すでに欧州では後者の販売がスタートしている。車両価格は7万1388.1ユーロ(約989万円)〜。

搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は90kWhで、航続距離は418km。システム最高出力204ps/最大トルク366Nmを発生し、最高速度は160km/hでリミッター制御される。

広大なキャビンのおかげでシートも6〜8座まで、自在なレイアウトが可能となっている。広々リヤシートのシャトルにもなれば、テントなどのアウトドアギアを満載するキャンピングカーにも変身できるのはVクラス同様の魅力。EQVであれば、ショーファーの待ち時間や、キャンプ場の駐車時にアイドリングをすることなく過ごすことができるのもアドバンテージとなる。

ところで、EQVには弟分の「EQT」が間もなく登場すると言われている。コンセプトモデル段階の数字を参照すると、EQTは全長4945mmとEQVよりひと回り小さい7人乗りのミニバンで、より日本の道路環境に馴染みやすそうだ。3列目シートにもフルサイズの独立式シートを採用しており、Vクラスのように脱着可能となっているのは魅力的。もしかしたら、EQTはEQVとともに“電気自動車時代のミニバン界”を率いる存在となるかもしれない。

SPECIFICATIONS

メルセデス・ベンツ EQV エクストラロング(欧州仕様)

ボディサイズ:全長5370 全幅1928 全高1908mm
ホイールベース:3430mm
車両重量:2635kg
モーター:永久同期式モーター×1
最高出力:150KW(204hp)
最大トルク:366Nm
駆動用種電池:リチウムイオン電池
電池容量:90kWh
駆動方式:FWD
航続距離:417km(WLTPモード)
0-100km/h加速:12.1秒
最高速度:160km/h(リミッター制御)

実車化決定&実車化濃厚な近未来BEVモデル

EQファミリーはまだまだ拡大を続けていく。GLSのポジションに相当するBEV「EQS SUV」も2022年秋より生産をスタートする計画で、そのEQS SUVのマイバッハ版も追って投入されることが明らかになっている。

また、根強いファン層を誇るGクラスのBEV化を標榜するスタディモデル「コンセプト EQG」も公開されている。まごうことなきGクラス、といえるボクシーなシルエットのみならず、ラダーフレームとリヤのリジッドアクスルをも継承する、と資料には謳う。さらに、グラーツ近郊の伝統のオフロードコースで鍛え抜く、との文面も躍る通り、メルセデスは本気で量産化を見据えているように思われる。「Schockl proved(シェクルのお墨付き)」品質が与えられた“電気のゲレンデヴァーゲン”が、そう遠く無い日に登場するかもしれない。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…