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CORNES DRIVING ACADEMY
自分の運転は正しいか

ドライブテクニックを磨きたい、運転がもっと上手くなりたい──クルマ好きであれば、誰もがそう思うことだろう。それなりに運転には自信がある人でも、自分の運転が本当に正しいのか、自己流ではなかなかわからない。そんな人におすすめなのが、コーンズ・ドライビングアカデミーだ。
これはコーンズの顧客向けのドライビングレッスンで、一般道では体験できないダイナミックな運転を通して、正しいドライブテクニックを国内外のレースで活躍するプロドライバーたちが丁寧に教えてくれるというもの。6月22〜23日に富士スピードウェイ(FSW)で開催されたレッスンに参加することができたので、その模様をお伝えしよう。



22日と23日では内容が異なり、22日はBASIC、23日はBASIC+となっている。BASICはFSWのP2駐車場で中速域でのクルマの操縦を学ぶ基礎コース。BASIC+はFSWのショートサーキットでより速く走るためのテクニックやハイスピードでのクルマの動きと操縦を学ぶ実践編となる。ボクが参加したのは23日開催のBASIC+。当日はフェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェといったコーンズ取り扱いブランドのスーパースポーツたちがFSWのショートサーキットに集合した。
講習はショートサーキットを3つのステージに分けて行われた。第1ステージが1〜2コーナー、第2ステージが4〜6コーナー、そして第3ステージが最終7コーナー。参加者全体を3つのグループに分け、この3ステージを順番に練習していくという流れだ。ボクのグループは4〜6コーナーの練習からスタートした。
まずは全員が川端インストラクターの先導に連なって慣熟走行でコースを覚え、次にインストラクターの運転に同乗してライン取りなどの指導を受ける。そしていよいよ自分のクルマで実際に走行だ。全車無線を搭載し、走るたびにインストラクターから細かな指示が行われる。先ほど教えらえたラインを思い出しながら走るが、自分でもクリップにつけなかったな、と自覚する走りで、川端インストラクターからはステアリングの切り始めが遅くてクリップにつけていない、とすかさず指導が入る。次は意識して早めに姿勢を変えてみたが、今度は進入スピードをもう少し上げてみよう、と指導。
指摘された運転のクセを修正


何度か繰り返すうちに「いいですね〜」と合格をもらえるようになった。続けて7コーナーへとステージを移す。ここでボクが強く言われたのが、最初のブレーキが強すぎるため、ステアリングを切りながらアクセルを踏んでしまっている、ということ。ステアリングはブレーキを抜きながら切り込んでいくように、と川端インストラクター。このコーナーはライン取りも難しかったが、これも何度か繰り返して合格点をもらえるようになった。グループの台数は4台だけで、何度も繰り返して走行できるため、指導を受けて走るごとに自分の走りが変わっていくのが実感できる。
最後は1〜2コーナーだ。ここは進入スピードが速いためについ強めにブレーキをかけてしまい、またステアリングを切りながらアクセルを踏んでいる、と指導を受けた。どうやら強く減速しすぎる結果、ステアリングを切りながら加速してしまうのがボクの欠点のようだ。最終コーナーほどRがきつくないので、ブレーキを抜きながら速度を調整し左の縁石に向かって進入していく。また次の第3コーナーへのラインも考えながら第2コーナーをクリアするように、とのこと。
午前中に全3ステージの練習が終了し、午後はいよいよヘルメットとグローブを装着してのタイムアタックだ。あいにく雨が本格的に降り出してしまって路面は完全なウエットとなったが、グループごとに15分2回のセッションへ全員が果敢にチャレンジしていく。
タイムアタックで学びの進化を実感



ボクがこの日運転したのはベントレー・コンチネンタルGTスピードコンバーチブルという、サーキットにはやや不似合いなクルマだったのだが、低回転からの太いトルク、そしてAWDがウエットのトラクションでは有効だったようで、コーナーの立ち上がりはかなり力強い加速を示す。しかし回転が高いとなかなか2速に落ちてくれなかったり、フロントヘビーとロールの大きさには苦労した。また、いかにウエットでも2t越えのボディはセッション後半でブレーキが明らかに辛くなってくる。それでも走るごとにタイムは向上し、午前中の指導が確実に身についていることを実感した。
今は高性能な愛車を思い切り走らせる機会はなかなかない。走行会に参加するという方法もあるが、走りは自己流になってしまう。一流ドライバーに個人レッスンのように指導してもらえるコーンズ・ドライビングアカデミーは自分の走りに突破口を見つけたい人にはうってつけだ。ホスピタリティも充実しているので、仲間やファミリーと参加するのも楽しいだろう。自分の走りが上達するのはもちろん、愛車への理解もさらに深まって、運転することへの意識も大きく変わっていくはずだ。
REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/CORNES MOTORS
MAGAZINE/GENROQ 2022年 9月号
【関連ウェブサイト】
コーンズ・モータース
https://www.cornesmotors.com