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数多くのコラボレーションウォッチを発売
ウイングBのロゴを戴くステアリングホイールから視線をダッシュボードに移すと、そこにはブライトリングのロゴが刻まれたクロックが時を刻んでいる。その馴染みの風景が変わろうとしている。2002年以来、19年にわたり密な協力関係を紡いできたベントレーは、2021年末をもってブライトリングとのパートナーシップを解消すると発表した。
車載クロックだけでなく、両社はこれまでに多くのコラボレーションウォッチを送り出してきた。ル・マン優勝やベントレー100周年といった折々のマイルストーンとして登場した限定ウォッチの数々は、いずれもコレクター垂涎のアイテムとして注目を集めてきた。
“最後の限定ウォッチ”の25本はすべて完成
今回のパートナーシップ終了の宣言にあたり、2021年4月に発売した25本限定の「ブライトリング プレミエ B21 クロノグラフ トゥールビヨン 42 ベントレー リミテッド エディション」が、盟友とのコラボレーションの有終の美を飾る“最後のコラボレーションウォッチ”となることが分かった。25本はすでに全数が完成しており、近々最後の1本がオーナーのもとへと届けられるという。
「ブライトリング プレミエ B21 クロノグラフ トゥールビヨン 42 ベントレー リミテッド エディション」は、1940年代に登場したオリジナル腕時計「ブライトリング プレミア」に再解釈を加えた限定モデル。C.O.S.C(スイスクロノメーター検定協会)認定のトゥールビヨン・ムーブメント「マニュファクチュール・キャリバーB21」を搭載し、約55時間のパワーリザーブと、100mの防水性を備えている。もちろん、特別設計されたトゥールビヨン・キャリバーとケージ、文字盤にはベントレーを象徴するグリーンを採用した。
ブライトリングに捧げるベントレーも誕生
ベントレーとブライトリングのおよそ20年にわたる物語は、印象的なウォッチやクロックをいくつも生み出した。一番最初にブライトリング製の車載クロックを採用したのは2003年の初代コンチネンタルGT。そして同年のル・マンでは、ベントレーがル・マンへ復帰して1-2フィニッシュを獲得し、チーム・ベントレーのメインスポンサーだったブライトリングが限定クロノグラフを製作している。
ブライトリングにインスパイアされたベントレーも誕生した。2015年、ブライトリングのジェットチームのエンジニアやフライトコントローラー、パイロットに敬意を表し、特別なコンチネンタルGT スピードを7台限定で製造。ブライトリングのジェット機のカラーリングを反映した特徴的な2トーンカラーのボディを採用していた。
2000万円超の“車載トゥールビヨン”も話題に
ベントレーが100周年の節目を迎えた2019年には、エレガントでユニークなエルムバール(楡)の文字盤を採用した「プレミエ ベントレー センテナリー リミテッド エディション」をリリース。これは、1930年にティム・バーキン卿が愛用していた伝説の「ベントレー ブロワー」のシートから受け継いだ、「コンチネンタルGT ナンバー9 エディション」(2019年のジュネーブショーで発表した100周年記念車)のウッドインサートにちなんだものであった。
ベントレーとブライトリングのコラボレーションで生まれ、最も話題になった時計といえば、やはり2014年のベンテイガの車載クロックだろう。ベントレー初のSUVとして登場したベンテイガのダッシュボードクロックには、有償オプションとしてトゥールビヨン機構付き機械式時計を採用した。2000万円超のプライスタグを掲げたオプションは、「クルマ自体を除けば、ベントレーがこれまで車載した装備の中で最も高価なアイテム」(ベントレー公式資料)だという。
ベントレー モーターズの会長兼CEOのエイドリアン・ホールマークは次のように語っている。
「ベントレーとブライトリングの長年にわたるコラボレーションにより、志を同じくするふたつのブランドが協力することで、互いのパフォーマンスを向上させることができるのだ、ということを示しました。この20年は本当に楽しい思い出であり、ブライトリングの今後の活躍を心からお祈り申し上げます」