ポルシェ・レストモッドの雄「ポール・スティーブンス」が993をチューン

こんなタイプ993に乗りたい! 100kg以上軽量化した最強空冷911「ポール・スティーブンス・オートアート 993R」がデビュー

英国のポール・スティーブンス・オートアートが開発した「993R」のエクステリア。
ベースの993のスタイルを崩すことなく、現代に通用するパフォーマンスを目指した「ポール・スティーブンス・オートアート 993R」。
英国・エセックスを拠点とする、ポルシェ 911のレストア&レストモッドのスペシャリスト「ポール・スティーブンス・オートアート(Paul Stephens Autoart )」は、ポルシェ 911(タイプ993)をベースに開発した「993R」を公開した。

Paul Stephens Autoart 993R

5年以上の歳月をかけて究極の993を開発

英国のポール・スティーブンス・オートアートが開発した「993R」のインテリア。
993Rのオリジナルの雰囲気を残しながら、現代的にアップデートされたコクピット。開発がスタートしたのは2017年。5年の開発期間の途中には新型コロナウイルスのパンデミックなどにも見舞われたが、開発チームのハードワークにより、究極の993が完成した。

今回発表された「993R」は、ポルシェ 911(タイプ993)のあらゆる性能を25%向上させたいという、あるオーナーからの要望に応えて開発された。ナローボディのタイプ993をベースに、ボルト1本、ナット1本いたるまで磨き上げられたという。

その開発は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック下という想定外の事態に見舞われながらも、5年以上の歳月をかけて行われた。さらにサーキットと公道における数千kmにおよぶテスト走行を経て、今回の993Rの公開に至った。

993Rは、993 RSやポルシェ・モータースポーツが展開する最新のGT用パーツ、そしてポール・スティーブンスのオリジナルコンポーネントが組み合わせられた。空冷ポルシェが持つワイルドな魅力を保ちながら、現代のエンジニアリングを注入し、徹底的な軽量化が施された結果、20年以上の時を経たとは思えないレベルのパフォーマンスを手にしている。

最後の空冷ポルシェにかける強い想い

英国のポール・スティーブンス・オートアートが開発した「993R」のエクステリア。
英国・エセックスを拠点に20年以上もポルシェのレストアとレストモッドを手がけてきたポール・スティーブンス。最終世代の空力911であるタイプ993には並々ならぬ想いがあったという。

ポール・スティーブンスが最初のポルシェ911の開発をスタートしてから20年以上。993Rはポール・スティーブンスが手がける最後の空冷911となる。彼らが掲げてきた「Less is more(少ない方が豊かである)」の哲学を、最も純粋に体現した1台になった。

ポール・スティーブンス・オートアートの設立者であるポール・スティーブンスは、993Rについて次のようにコメントした。

「2000年代初頭、ポール・スティーブンス・オートアートはタイプ964をベースにレストアや改造を施すようになりました。以来、様々なブランドが空冷911を自分たちの解釈で改造を施し、それぞれが非常に高い人気を集めています。私たちは決して他人の真似をする会社ではありません。そして、今こそ最後の空冷モデルである、タイプ993を手がけるタイミングだと感じました」

「エンジン、サスペンション、軽量ボディパネル、そして特注のミニマルなインテリアに至るまで、私たちが持つ空冷911の豊富な経験をすべて993Rに投入しました。だからと言って、993Rは私たちにとって最後の作品ではありません。ただ、最上を超える『ベスト・オブ・ベスト』でありたいと強く思ったのです」

「ポール・スティーブンス・オートアートがこれまで手がけたどの911よりも、993Rは『Less is more』を体現しています。そして、一見すると気づかれないような、絶妙なディテールにもこだわった1台です」

専用開発されたサスペンションを装備

英国のポール・スティーブンス・オートアートが開発した「993R」の996 GT3 RS用18インチホイール。
足まわりには、トラクティブ社とセンターグラビティ社の協力のもと独自開発した5段階調整式サスペンションが採用された。ブレーキは993 RS用ディスク&キャリパーがチョイスされている。

約20年前に誕生した「300R」と同様、オリジナルの993を超えるドライビング体験を提供すべく、軽量化とパワーアップ、そして強化されたシャシーを導入。開発作業はオーナーと共同で進められ、アナログなドライビングエクスペリエンスを確保することが絶対条件となった。

現代の交通事情下において求められる快適性を備えながら、電子制御によるドライビングサポートやエキゾーストシステムなどの最新デバイスに頼ることなく、ピュアなドライビングプレジャーの実現を目指したという。

足まわりは、993が製造された当時から大きく進化しており、ポール・スティーブンス・オートアートは、サスペンションのスペシャリストであるトラクティブ(Tractive)社とセンターグラビティ(Center Gravity)社の協力のもと、専用設計された5段階調整式・アジャスタブル・サスペンションを採用している。

最高出力は330bhpを発揮する3.8リッターボクサー6

英国のポール・スティーブンス・オートアートが開発した「993R」に搭載される、3.8リッター・ボクサー6。
3.8リッター水平対向6気筒自然吸気ユリニットには、ポルシェ・モータースポーツ製パーツなどを採用したことで、最高出力330bhpを発揮。360bhpまでパワーアップするオプションも用意されている。

心臓部に収められた3.8リッター水平対向6気筒エンジンは、997 GT3用クランクシャフト、911 RSR用ピストン、ポール・スティーブンス自身が設計を手がけたカムシャフト、ポルシェ・モータースポーツ製ソリッドリフターなどを採用。最高出力は330bhp、最大トルクは360Nmと、スペック上のパワーよりも日常的なドライバビリティが重視された。

出力を求めるカスタマーには、最高出力360bhpまでパワーアップ可能なメニューも用意されている。オリジナルの1370kgから軽量コンポジット素材のパーツを採用するなど、大幅な軽量化を進め、車両重量は1220kgを実現。この結果、タイプ996 911 GT3と同じレベルのパワーウエイトレシオを手にしている。

ターボ付きレストモッド、「シンガー ターボ スタディ」のエクステリア。

空冷911 ターボのレストモッド「シンガー ターボ スタディ」デビュー! シンガー初の過給機付きモデル

アメリカ・カリフォルニア州を拠点とし、空冷911に最新のメカニズムを組み合わせた独自のレストモッドを製作する「シンガー・グループ(Singer Group)」。今回、待望の過給機付きモデル「ターボ スタディ」を発表した。ターボ スタディは多くのカスタマーからの要望に応える形で開発され、すでに70名以上のオーナーがレストアをオーダーしている。

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