AMG ONEが製造開始! パワーユニットはメルセデスAMG F1開発施設で製造

プロジェクトは最後までやり遂げる! 最新F1のテクノロジーを投入するハイブリッドハイパーカー「メルセデスAMG ONE」の製造スタート【動画】

英国コベントリーの製造施設において、カスタマー向け1号車の製造がスタートした「メルセデスAMG ONE」。
英国コベントリーの製造施設において、カスタマー向け1号車の製造がスタートした「メルセデスAMG ONE」。
メルセデスAMGが開発したハイブリッドハイパーカー「メルセデスAMG ONE」の顧客向け1号車の製造が英国において開始された。F1マシンの技術をロードカーに投入した「メルセデスAMG ONE」は2022年後半にカスタマーへとデリバリーされる。

Mercedes-AMG ONE

英国のF1開発施設でパワーユニットを製造

英国・ブリックスワースにある「メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ・リミテッド」で製造されるメルセデスAMG ONEのプラグインハイブリッド・システム。
メルセデスAMG ONEに搭載されるF1由来のパワーユニットは、英国・ブリックスワースの「メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ・リミテッド」において行われる。

メルセデスAMG ONEは、 F1マシン由来の1.6リッターV型6気筒ターボエンジンに、フロントに2基、ターボチャージャーとエンジンにそれぞれ1基という合計4基のモーターを組み合わせた、プラグインハイブリッド・ハイパーカーである。

パワーユニットは英国ブリックスワースにある「メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ・リミテッド」のパワーユニットスペシャリスト達により1基ずつ製造。ここでは、F1グランプリに参戦するメルセデスAMGペトロナス F1チームのパワーユニットの開発・製造も行われている。

ボディを含めたシャシーの組み立ては、製造パートナーのマルチマティック(Multimatic)社と協力し、英国コベントリーの専用生産用施設において行われる。メルセデスAMGのフィリップ・シーマーCEOは、ONEの製造開始に喜びを隠さない。

「メルセデスAMG ONEは、開発から生産に至るまで、私たちがこれまでに手がけた中で最も野心的なプロジェクトです。メルセデスAMGは、電動化されたドライビングパフォーマンス車両の開発に関して、新たな高みに到達することになるでしょう」

「この特別な少量生産車両の製造は、実にユニークな挑戦です。このハイパーカーは初めて、最新鋭のF1ハイブリッド技術をサーキットから公道へと持ち込むことになります。この世界初の試みは、ドイツ・アファルターバッハのメルセデスAMG、ブリックスワースのメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ、そして生産パートナーのマルチマティックの素晴らしいチームワークによって実現されつつあります。あらためて、最初の顧客向け車両の生産を開始できたことを、チーム全体として誇りに思っています」

完璧な接合を行うための丹念な作業工程

英国コベントリーの製造施設において、カスタマー向け1号車の製造がスタートした「メルセデスAMG ONE」。
それぞれのカーボンファイバー製ボディパーツが完璧に装着されるため、一度組み上げた後でチリやフィッティングを確認。その後、すべてがバラバラに解体される。

コベントリーの生産施設では、合計16ヵ所の組立・検査ステーションにおいてハンドメイドで製造される。その作業工程の多くは、高級時計の製造を彷彿とさせるものだという。搭載される各コンポーネントは事前に組み立てられ、それぞれの機能テストを行う。その後、再び分解され、ようやく車両へと組み付けられる。

カーボンファイバー製モノコックに取り付けられる着脱可能なボディパーツは、まずアウタースキン全体が一度完全に組み上げられる。ここですべてのフィッティングを入念にチェックし、必要であればサイズの微調整も行う。これによりチリひとつない、完璧なボディパーツの接合が可能になるという。

この工程では、最終的にラッカーペイントを行うため、材料の厚みが増すことも考慮しなければならない。カーボンファイバーの厚さがわずか1.2mmという箇所もあるため、非常に繊細かつ専門的な作業が要求される。すべてのボディパーツが完璧に組み合わされると、ドアやボンネットなどのパーツは再び解体され、ハンドペイントの工程へと向かう。

各工程に配置された50名のスペシャリスト

英国コベントリーの製造施設において、カスタマー向け1号車の製造がスタートした「メルセデスAMG ONE」。
ブリックスワースで製造されたハイブリッド・パワートレインは、コベントリーでシャシーに搭載。50名のスペシャリストによって1台ずつ厳しい製品チェックを受けながら、組み上げられていく。

アセンブリ工程では、パワートレインとホワイトボディがシャシーに組み付けられる。1.6リッターV型6気筒ターボエンジン、高電圧バッテリー、合計4基の電気モーターはブリックスワースのテストベンチで事前に動作確認を行い、性能と安全性がチェックされる。

メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズは、V6ハイブリッドパワートレイン、プラグインハイブリッド用高電圧バッテリー、2基の電気モーターを搭載したフロントアクスル、電気モーター用インバーターを含む、パワートレイン関連コンポーネントを供給する。

アセンブリ工程では、合計50名以上のスペシャリストがそれぞれの作業を担当。各ステーションでは綿密な品質チェックが行われ、すべての作業工程がメルセデスAMGの厳しい検査基準に沿って綿密に記録される。

最終段階として、近隣のテストトラックおいて、テストドライバーによる最終承認テストを実施。すべてのコンポーネントが正常に動作するか確認され、承認が下りると、車両は適切な輸送保護が施される。その後、密閉されたトラックでアファルターバッハのメルセデスAMG本社へと輸送され、オーナーへと最終的に引き渡されることになる。

メルセデスAMG ONEを動画でチェック!

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