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Audi RS Q e-tron
3名のワークスドライバーが参加

6月30日にドイツのノイブルグ・アン・デア・ドナウで行われたシェイクダウンでは、RS Q e-tronが正常に作動・走行できるか機能チェックが行われた。7月中旬、スペインのマクデブルク近郊で行われたテスト前半は、グラベル路面(未舗装路)におけるマイレージを積み上げることに集中。その後、スペインのサラゴサ近郊アラゴンのテストエリアに移動し、灼熱の気候のもとダカール・ラリーによく似たコンディションでのテストが行われている。
アラゴンで行われた8日間のグラベルテストには、アウディ・スポーツから3名のワークスドライバーが参加。ダカールの優勝記録保持者である、ステファン・ペテランセルとコ・ドライバーのエドゥアール・ブーランジェは、金曜日から日曜日までの第1スティントを担当した。
DTMやラリークロスでの経験豊富なマティアス・エクストロームとエミール・ベルグクビストは月曜日から任務を引き継ぎ、2日間ステアリングを握った。そして、WRC王者であり、ダカールでも経験豊富なカルロス・サインツとルーカス・クルスが水曜日から金曜日までの3日間、RS Q e-tronの集中的なテストを行っている。
初ドライブで好印象を得たカルロス・サインツ

3組のクルーは高速グラベル区間における電動バギーのハンドリングと信頼性に驚いたようだ。テストの第3スティントを担当したサインツは、次のようにRS Q e-tronを絶賛している。
「ダカールを想定したコンディションにおける最初のテストということを考えると、クルマの挙動にはとても満足しています。ドライブしてすぐに、とても良いフィーリングを得られました。もちろんセッティングの微調整は必要ですが、スタート地点は悪くありません」
9月に砂丘での本格的なテストも開始

RS Q e-tronは、TFSIエンジンで発電された電気を使ってモーターを駆動。前後アクスルにはそれぞれ最新のフォーミュラEマシン「e-tron FE07」と同じモータージェネレーターユニット(MGU)を搭載する。
今回、10.5マイルの長いグラベルセクションで、RS Q e-tronは最高速度112mph(約180km/h)を記録。また、最高気温が34度にも達する過酷なコンディションにおいて、複雑な機構を持つRS Q e-tronの冷却システムの作動状況を確認することができたという。
RS Q e-tronの開発担当エンジニアを務めるアルナウ・ニウボ・ボッシュは、1000マイルにも及ぶテストを終えて次のように手応えを語った。
「今回のテストではできるだけ多く走行し、弱点を洗い出すことに重点を置きました。次に予定している9月のテストでは、初めて砂丘を走行する予定です」