ジェンソン・バトンが開発・セッティングを担当したスーパースポーツ

ロータスの協力のもと、現代に蘇ったラドフォードが「ロータス タイプ62-2」を復刻・公開!

ロータス・エンジニアリングによる完全協力、現代に蘇ったラドフォードが「ロータス タイプ62-2」を公開
ラドフォードが手掛けた「ロータス タイプ62-2」のスタイリング
元F1ドライバーのジェンソン・バトンや、テレビパーソナリティのアント・アンステッドらによって復活を果たした英国のコーチビルダー「ラドフォード(Radford)」が、1969年製ロータス タイプ62を現代に蘇らせた「ロータス タイプ62-2」を発表した。

Lotus Type 62-2 by Radford

カリフォルニアのリヨン航空博物館でアンベール

ロータス・エンジニアリングによる完全協力、現代に蘇ったラドフォードが「ロータス タイプ62-2」を公開
現代に蘇ったコーチビルダー「ラドフォード」は、ロータスの協力によって開発された最初のモデル「ロータス タイプ62-2」をカリフォルニアのリヨン航空博物館で公開した。

ラドフォードは、アメリカ・カリフォルニア州オレンジ郡のリヨン航空博物館において、ロータスのコンサルタント部門「ロータス・エンジニアリング」の協力を得て製作されたロータス タイプ62-2を公開した。新生ラドフォード初の近代的なコーチビルドモデルは62台のみの限定生産となり、それぞれがオーナーの希望する仕様に合わせてハンドメイドで製造される。

新生ラドフォードは、英国の伝説的なコーチビルダーからインスピレーションを得て誕生。開発・生産はカリフォルニアの拠点において行われる。

その経営陣には、様々なメーカーでカーデザイナーとして活躍してきたマーク・スタッブス(Mark Stubbs)、テレビ番組『名車再生! クラシックカー・ディーラーズ』でお馴染みのアント・アンステッド(Ant Anstead)、元F1ドライバーのジェンソン・バトン、そしてビジネスアドバイザーとして弁護士のロジャー・ベイル(Roger Behle)が経営陣として名を連ねている。

クラシカルなスタイルと最新の空力性能

ロータス・エンジニアリングによる完全協力、現代に蘇ったラドフォードが「ロータス タイプ62-2」を公開
1969年製ロータス タイプ62-2のスタイルを現代的な解釈で再現しながらも、現代的なマテリアルやデバイスを採り入れたことで、高い安全性やダウンフォースも獲得した。

今回のワールドプレミアでは、エクステリアのエレガントで美しいボディラインが初めて公開され、究極のラグジュアリーを求めたインテリアは今後公開される予定だという。

エクステリアデザインは、マーク・スタッブスが中心となってスケッチの段階からプロジェクトを進めてきた。スタッブスがデザインしたタイプ 62-2は、オリジナルのタイプ62を彷彿とさせる流れるようなラインを持ちながら、ロータスの輝かしいモータースポーツの歴史へオマージュを捧げている。

エクステリアデザインで最も印象的なのは、地面に吸い付くような低いスタンスだろう。わずか1133mmに抑えられた全高、ボリューム感のあるホイールアーチ、印象的なサイドエアインテーク、特徴的なダブルリヤダックテール、ルーフラインに食い込みルーフ構造の一部となっているドアなど、オリジナルのタイプ62の特徴が美しく表現された。

一方で、フラットなアンダーボディと現代的な形状のディフューザーによって並外れたダウンフォースも獲得。不格好な空力パーツはあえて装着されていない。また角型LEDヘッドライトはボディワークと同じ高さに設置されており、視認性を高めるデイタイムランニングライトを内蔵する。

タイプ62-2には、ふたつの仕様が用意された。「クラシック(Classic)」バージョンは、ウイングのないオリジナルのロータス タイプ62にヒントを得てデザイン。フロントに17インチ、リヤに18インチの5スタッド鍛造アルミホイールが装着されている。

よりパワフルな「ゴールドリーフ(Gold Leaf)」バージョンは、レーシングカーを思わせる象徴的なカラーリングと、かつてロータスがサーキットテストの後にダウンフォースを得るために追加した、特徴的なダブルダックテール型リヤウイングを装着する。フロントに18インチ、リヤに19インチの2ピース鍛造アルミホイールを採用。オプションで1960年代当時を思わせるセンターロック式ホイールのチョイスも可能で、ヒストリックレーシングスタイルをさらに強調することができる。

500bhpを発揮する3.5V6スーパーチャージャを搭載

ロータス・エンジニアリングによる完全協力、現代に蘇ったラドフォードが「ロータス タイプ62-2」を公開
搭載されるパワーユニットの詳しいスペックは明らかにされていないが、430bhpと500bhpを発揮する3.5リッターV6スーパーチャージャの搭載が発表された。

タイプ62-2のシャシーはアルミニウムと高強度カーボンファイバーで構成。先進的な軽量素材を活用したことで抜群の剛性レベルが確保されながらも、乾燥重量は1000kg以下を実現した。軽量アルミニウム製モノコック構造は、衝突時におけるパッセンジャーの安全性も確保。その卓越した剛性とねじり強度により、キャビン内に追加の補強材を設ける必要がなくなり、すっきりとしたインテリアと軽量化が可能になった。

軽量アルミニウム製モノコックに組み合わされるのが、カーボンファイバー製複合構造だ。この構造体はバルクヘッド、フロントガラス、ルーフ構造を内蔵しており、パッセンジャーセル構造を効果的に作り出している。この構造自体が非常に剛性が高く、アクシデントの際にパッセンジャーを保護するためのカーボンコンポジット製ロールフープが組み込まれている。 

パワーユニットは3.5リッターV型6気筒スーパーチャージャーエンジンを搭載。このエンジンは、ロータスのレーシングカーとロードカーの哲学に基づき、専用開発されたチューブラーリヤサブフレームにミッドマウントされており、最適な重心と優れたロードホールディングを実現した。

「クラシック」のエンジンは最高出力430bhpを誇り、1トンあたり430bhpという驚異的なパワーウェイトレシオを実現。これは現代の多くのスーパーカーに匹敵するレベル。「ゴールドリーフ」のエンジンは、ピストン、コンロッド、カムシャフトをアップグレードし、マッピングを改良することで出力とトルクを向上。最高出力500bhpという驚異的なスペックを実現した。

組み合わせられるギヤボックスは、6速マニュアルトランスミッションと、7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)。「ゴールドリーフ」に標準装備される7速DCTは、マニュアルモードではクイックなスポーツドライブを、オートマチックモードではリラックスしたクルージングを楽しむことができる。また、全モデルに最高のサウンドを提供する、チタン製エキゾーストシステムが採用された。

ハンドリングに関しては、ラドフォードのエンジニアのサポートのもと、元F1チャンピオンのジェンソン・バトンが、自身の手でタイプ62-2のセッティングを磨いていくという。

2021年後半から限定62台の製造をスタート

ロータス・エンジニアリングによる完全協力、現代に蘇ったラドフォードが「ロータス タイプ62-2」を公開
ロータス タイプ62-2の製造はラドフォードのカリフォルニア拠点で、2021年後半からスタートする。

タイプ62-2のオーナーには、完全にオーダーメイドかつ、カスタマイズされたサービスが用意された。ラドフォードからの手厚いサポートは、検討、購入、カスタムデザイン、製造のプロセス全体を通して行われる。さらに、これらのサービスは車両を所有している間も継続され、オーナーは自分のクルマが、その生涯を通じてケアされるという完全な安心感を得ることができる。

オーナーにはプロジェクトの進捗状況がリアルタイムで発信され、ファクトリーで製造中の車両を見学することも可能。納車はラドフォードのカリフォルニア拠点やテストコースのほか、世界中のあらゆる場所へのデリバリーも用意されている。

タイプ62-2は、2021年後半にも製造をスタートし、2022年前半に最初オーナーへのデリバリーを予定している。

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