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Alpine Alpenglow
未来のアルピーヌ・デザインを予告

アルペングローは感動、創造性、エレガンスを纏ったエクステリアを備え、水素エネルギーによる持続可能なパワートレインを搭載。アルピーヌが展開する自動車文化とモータースポーツの素晴らしさをアピールすべく開発された。アルピーヌ・ブランドの歴史に忠実でありながら、未来のデザインやテクノロジー、画期的な技術の出発点となる存在だ。
今回、アルピーヌをドライブすることで得られる純粋な感動は、未来において少しも変わらないことが表現された。アルピーヌのローレン・ロッシCEOは、アルペングローについて、次のようにコメントしている。
「アルペングローの力強くゴージャスなデザインは、未来のアルピーヌの姿、そしてモータースポーツに対する私たちのビジョンを示しています。水素パワートレイン技術を搭載することで、アルピーヌは責任ある未来へのコミットメントを表明しました」
山頂で輝く美しい輝きからネーミング

アルペングローとは「山頂において、日の出直前や日没直後に見られる美しい輝き」を意味している。その大胆な造形は革新的な技術とデザインが表現されており、まさに未来のアルピーヌを先導する「夜明け」の赤い光となる。
将来のモータースポーツは、センセーショナルであることに加えて、持続可能性が求められると、アルピーヌは考えている。アルペングローはアルピーヌの“リブート(再起動)”の象徴となり、モータースポーツ界に持続可能な発展をもたらすことがコンセプトに掲げられた。
そのエクステリアデザインは、1955年以来、アルピーヌにインスピレーションを与えてきたコンペティション・スピリットを表現。ドライバーとコクピットが一体となったフォルムや、水素パワートレインを内包した美しいラインは見る者に畏敬の念を抱かせ、心を揺さぶり、芸術作品を思わせる美しさをたたえている。
そのシルエットは耐久レース用のプロトタイプカーを思わせるもので、ヘルメット型フロントガラスは、在りし日のグループCレーシングカーのようだ。水素パワートレインはリヤミッドに搭載され、将来投入されるアルピーヌ製LMDhプロトタイプレーシングカーに採用されるヘッドランプ形状も示唆しているという。
ポンツーンの間に配置されたコクピット

走行時、水蒸気のみを排出する究極のクリーンエネルギーである水素は、持続可能なモビリティ実現のため、アルピーヌが検討している技術的ソリューションのひとつ。今回、排出される水蒸気ををデザインの中心に掲げ、ピュアな「水」が持つ力強さを、そのフォルムに活かしている。
ドライバーズシートは2基の水素タンク「ポンツーン」のセンターに配置。これにより、抜群のバランスに加えて、ドライビング時にこれまでにない車両との一体感を得られるようになった。
エクステリアカラーやマテリアルは、未来のアルピーヌを予告。「火」「水」「氷」「風」「蒸気」といった、自然の要素や状態からインスピレーションを得て、印象的かつおおらかなフォルム、流れるような流線型ボディが与えられた。一見レーシングカーのようにも見えるが、あくまでも公道とサーキット、どちらも快適にドライブできるよう、デザイン・設計されている。
ふたつの三角形が折り重なりあう複雑なボディシェルは、山頂がパラシュートを使わずに降下するエクストリームスポーツで使用される「ウイングスーツ」にも似ており、過酷なチャレンジへのリスペクトも込められた。
LMP1マシンを思わせるステアリングホイール

ステアリングホイールは、LMP1レーシングカーからインスパイアされた。ドライバーはプリズム型イグニッションキーをステアリングホイール中心に嵌め込むことで、水素パワーユニットが始動する。パワーユニットが動き出すと、プリズムに埋め込まれた雪の結晶を通して赤い光が放たれ、透明なバックライト付きパドルギアシフトは無駄のないコクピットの中で際立っている。
ステアリングホイールの根元には、F1やLMP1マシンでお馴染みの多機能型セレクターを2基設置した。トラクションコントロールや回生ブレーキの調整はこのセレクターで行う。また、ステアリングホイールの右サイドに「オーバーテイクボタン」が搭載されており、このボタンを押すことで、瞬時にエキストラパワーを得ることができる。