ロータス タイプ72をオマージュした「エヴァイヤ」登場

電動ハイパーカー「ロータス エヴァイヤ」の1972年F1ダブルタイトル獲得50周年記念モデル、その名は「フィッティパルディ」【動画】

ロータス エヴァイヤ フィッティパルディと、ロータス タイプ72のランデブー走行。
エマーソン・フィッティパルディのドライバーズ選手権制覇、そしてチーム・ロータスのコンストラクターズ選手権制覇をもたらしたタイプ72。その栄光から50周年を記念し開発された「ロータス エヴァイヤ フィッティパルディ」。
エマーソン・フィッティパルディとチーム・ロータスが、1972年シーズンのF1選手権においてドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権を制してから50周年。それを記念してロータスは8台のみのスペシャルモデル「エヴァイヤ フィッティパルディ」を発表した。

Lotus Evija Fittipaldi

現存する8台のタイプ72が登場したワールドプレミア

ヘセルで行われた「エヴァイヤ フィッティパルディ」のローンチイベントには、現存する8台のタイプ72が勢揃いした。このマシンでタイトルを獲得したエマーソン・フィッティパルディも喜びを隠さない。
ヘセルで行われた「エヴァイヤ フィッティパルディ」のローンチイベントには、現存する8台のタイプ72が勢揃いした。このマシンでタイトルを獲得したエマーソン・フィッティパルディも喜びを隠さない。

エマーソン・フィッティパルディは1972 年にロータスに加入し、タイプ72のステアリングを握り、そのシーズンのグランプリで5勝を挙げた。これによりフィッティパルディは自身のドライバーズ選手権タイトルと、チーム・ロータスにコンストラクターズ選手権をもたらしている。

その偉大な記録から50年を迎えた2022年、ロータスはフル電動ハイパースポーツ「エヴァイヤ」をベースにした記念モデル「エヴァイヤ フィッティパルディ」を開発。ロータスのグローバル本社、英国ノーフォークのヘセルにおいて、わずか8台がハンドメイドで製造される。8台の製造枠は既に全てがソールドアウトとなっており、カスタマーへのデリバリーは2023年初めに開始する予定だ。

ヘセルで行われたローンチイベントに参加したエマーソン・フィッティパルディは、次のようにコメントしている。

「このプロジェクトに参加できて、本当に楽しかったです。『エヴァイヤ フィッティパルディ』と、私がチャンピオンシップを獲得したF1マシン『ロータス タイプ72』を、ヘセルのテストトラックでドライブできたことも、本当に素晴らしい経験になりました」

この発表会では、現存するタイプ72、8台すべての車両が1ヵ所に集められ、ヘセルのテストトラックで走行。これは史上初の試みとなる。ロータス・アドバンスド・パフォーマンスのディレクターを務める、サイモン・レーンは、次のように感動を語った。

「レジェンドの協力によってユニークなハイパーカーを実現し、真のワールドプレミアを実施できました。すでにエヴァイヤ フィッティパルディの生産はヘセルで開始されています。これら8台のスペシャルモデルは、私たちの歴史における重要な瞬間を祝う特別な存在です」

タイプ72のアルミ製パーツを再利用

ブラックとゴールドで纏められた、ロータス エヴァイヤ フィッティパルディのインテリア。
フローティング・インストルメントパネルに配置された「ロータリーダイヤル」は、オリジナルの「タイプ72」のアルミニウムパーツを再利用して製作された。

エヴァイヤ フィッティパルディは、2022年初めに立ち上げられた、ロータスのビスポーク/パフォーマンスラインを手掛ける「ロータス・アドバンスド・パフォーマンス(Lotus Advanced Performance)」の最新プロジェクト。世界的に有名なブラックとゴールドのリバリーを採用し、2022 年のダブルタイトル獲得50 周年を祝うことになった。

ハンドペイントで描かれたエクステリアディテールをはじめ、多くのユニークなデザインが導入された。カーボンファイバールーフには、エッチングされた「タイプ 72」の平面図が描かれ、ダッシュボードにはフィッティパルディ本人のサインが刺繍される。そして最も感動的なディテールが、フローティング・インストゥルメントパネルに配置されたロータリーダイヤルだろう。

これはオリジナルの「タイプ72」のアルミニウムパーツからハンドメイドで製作されており、アイコニックなF1マシンで実際に使われていたパーツが、現代のスペシャルエディションの一部として蘇ったことになる。

リヤウイングに勝利記録を祝う専用デカール

ロータス エヴァイヤ フィッティパルディのエクステリア。
JPSを彷彿させるゴールドとブラックで纏められたレーシーなエクステリア。アクティブリヤウイングには、1972年シーズンのF1における、それぞれの勝利を記したゴールドの専用デカールも配置された。

エヴァイヤ フィッティパルディのエクステリアには、ボディサイドに当時のJPSをイメージさせるゴールドのレタリングが描かれたユニークなペイントフィニッシュを採用。足元にはアルマイト処理された、ブラックとゴールドの「タイプ 72ホイール」を装着し、ブレーキキャリパーにもブラックとゴールドが組み合わされた。

カーボンファイバーとゴールドという専用ロータス・ノーズバッジをフロントに装着。アクティブリヤウイングには、1972年シーズンのF1における勝利を祝う専用デカールが配置され、B ピラーにはフィッティパルディのレーシングナンバー「8」の数字が掲げられている。

クラシック・チーム・ロータスが開発に協力

ロータス エヴァイヤ フィッティパルディのエクステリア。
エヴァイヤ フィッティパルディの開発には、ロータス製F1マシンのメンテナンスと運用を行うチャップマン家のファミリービジネス「クラシック・チーム・ロータス」が強力した。

エヴァイヤ フィッティパルディは、クラシック・チーム・ロータスの支援を受けて開発。クラシック・チーム・ロータスは、ロータスの創設者であるコーリン・チャップマンの家族が、ロータスのF1マシンのメンテナンスと運用を行うモータースポーツビジネスとして展開している。

彼らはヘセルのロータス本社の向かいに拠点を置き、今回のローンチイベントにおいても、ガラディナーを主催。マネージングディレクターを務めるクライブ・チャップマンは、エヴァイヤ フィッティパルディについて、次のようにコメントした。

「モータースポーツ界で最も尊敬されるドライバーのひとり、エマーソン・フィッティパルディが、これまで参戦したレースの中で『最高のクルマ』と表現するタイプ72と再会するのは、いつであっても感動的です。エヴァイヤとタイプ72、ブラックとゴールドのカラーリング、そしてエマーソンの世界選手権制覇を記念し、すべてをここに集約させました。これ以上の存在が他にあるでしょうか」

伝説のタイプ72をドライブしたバトン

ロータスのヘセル・テストコースを疾走するロータス タイプ72。
自身でもエヴァイヤをオーダーしたというジェンソン・バトンは、ヘセルにおいてエヴァイヤ フィッティパルディだけでなく、タイプ72のステアリングも握った。

今回、元F1ドライバーのジェンソン・バトンもローンチイベントに参加。最高出力2000ps超、最大トルク1700Nmを発揮する世界で最もパワフルな市販モデル「エヴァイヤ フィッティパルディ」のステアリングを握った。

「EV は静かだと思われていますが、そうではありません。そして、そのトルクは天文学的です。ドライブすれば、誰もが自然と笑顔になってしまうでしょう。まるで宇宙船のようにも感じられますが、運転しやすさとステアリング操作の正確性から、ロータスを運転していると理解できます。これは正に未来のロータスであり、私自身がオーダーしたエヴァイヤを運転するのが待ちきれません」

さらにバトンは、1972年シーズンにフィッティパルディがタイトルを獲得したタイプ72を運転する機会も得ている。「昔のマシンですし、スペースはあまりありませんが、すべてが適切な位置にあります。特に足先と踵のスペースが素晴らしいですね。このような特別なマシンをドライブできることは本当に名誉なことです」と、付け加えた。

SPECIFICATIONS

ロータス エヴァイヤ フィッティパルディ

ボディサイズ:全長4459×全幅2000×全高1122 mm
パワートレイン:フル電動4WD
最高出力:1500kW(2039ps)
バッテリー電力:93kW
最大トルク:1704Nm
0-100km/h加速:3秒未満
0-300km/h加速:9秒未満
最高速度:350km/h
EV航続距離:402km
充電時間:18 分
車両重量:1887kg
生産開始:2022年

ロータス エヴァイヤ フィッティパルディを動画でチェック!

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