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Audi S1 e-tron quattro Hoonitron
フル電動マシンとして現代に蘇ったグループB

アウディ S1 e-tron クワトロ フーニトロンは、ドイツ・ネッカーズルムにあるアウディ・スポーツが、ケン・ブロックのために開発。かつてWRC(世界ラリー選手権)やパイクスピーク・ヒルクライムで活躍したアウディ・スポーツクワトロS1を、フル電動プロトタイプとして新解釈した。現代に蘇ったグループBと言えるスタイリングは、マーク・リヒテ率いるアウディ・デザインが担当している。
ワンオフモデルとして開発されたS1 e-tron クワトロ フーニトロンは、2基の電気モーターによる強大なパワーで4輪を駆動。カーボンファイバー製超軽量シャシーの採用により、内燃機関モデルを凌駕する強烈な加速力を実現した。現時点で公式シリーズへの投入は予定されていないが、FIA(国際自動車連盟)が定める安全基準もクリアしている。
トム・クリステンセンがゲストで登場

ラスベガスでの撮影は、スポーツ用品メーカー「DCシューズ」の創業者であり、ラリーやジムカーナで活躍するケン・ブロックが企画。かつてアウディでル・マン24時間レース制覇経験を持つ、デンマーク出身のレーシングドライバーのトム・クリステンセンもゲストとして参加した。
お城やエッフェル塔、凱旋門などがズラリと並ぶ有名なホテル街、無数のネオンやライトが煌めくメインストリート「ストリップ」を舞台に、S1 e-tron クワトロ フーニトロンは華麗なジャンプやドリフト、ドーナツターンを披露。
さらに、90 IMSA GTO、200 トランザム、スポーツクワトロ S1 パイクスピーク、 クワトロA2、R8 LMP、R18 e-tron クワトロなど、アウディの歴史を彩ってきた様々な名車たちが、ラスベガスでの夜間撮影に用意された。撮影を終えて、アウディAGの技術部門担当副社長を務めるオリバー・ホフマンは次のように感想を語った。
「S1 e-tron クワトロ フーニトロンによって、私たちはアウディに全く新しい世界を持ち込んだのです。ケン・ブロックのユニークなリクエストに応えるため、このフル電動プロトタイプを開発できたことは、私たちにとっても刺激的なチャレンジになりました」