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BMW M5
市販仕様のヘッドランプを装着
今回、ミュンヘンで撮影されたテスト車両もボディ全体に格子状のカモフラージュ偽装を施されているが、前後ライトに市販仕様のランプユニットを装着。ロワコンポーネントは、センター部に台形の大型開口部、四隅に小さなインレットを備えていることが分かる。
相変わらずBMWの警戒レベルは高く、フロントフェイスは徹底的に隠されているが、縦長ではなくワイド形状のキドニー・グリルが採用されていることも判明。また、ボンネット中央にはパネルがリベットで固定されており、ここに特徴的なデザイン要素が隠されているのかもしれない。
シリーズ初のPHEVとしてデビューする新型M5
足元には、Y字とV字を組み合わせたデザインのグロスブラック10スポーク・アロイホイールが装着されており、このデザインは市販仕様でも採用されることになるだろう。また、2021年にBMWのマルクス・フラッシュCEOが「次期M5はハイブリッドパワートレインを搭載する」と述べており、その発言を裏付けるように、ボディサイドとリヤには「Electrified vehicle(電動車両)」のステッカーが貼られていた。
リヤセクションは、最終的なデザインを隠すためのパネルが多数貼り付けられていた。テールランプもパネルで覆われているため、正確な形状は分かりにくいが、現行モデルの流れを汲む横長の形状がキープされるようだ。また、エキゾーストシステムはディフューザー(パネルで隠されているが)を取り囲むように、左右にセパレートされたクワッドテールパイプが配置されている。
4.4リッターV型8気筒ガソリン+2基の電動モーター
ヨーロッパの情報筋によると、次期M5は、8世代目5シリーズ(BMW G60)の1年後、2024年にデビューをを予定。M5の歴史上初の電動モデルとなる次期型に搭載されるプラグインハイブリッド・パワートレインは、4.4リッターV型8気筒、もしくは3.0リッター直列6気筒ガソリンエンジンに2基の電気モーターが組み合わせられる。
現時点では4.4リッターベースが有力か。先にデビューした「XM」が、4.4リッターV8ベースのハイブリッドパワートレインを搭載しており、こちらのスペックは最高出力644PS、最大トルク800Nm。次期M5ではこれが最高出力750PS、最大トルク1000Nmにまで引き上げられるだろう。
フル電動仕様「i5M」の投入は2025年以降か
次期M5には、BMWカーブドディスプレイ(フルデジタル・インストルメント・クラスターとセンター・ディスプレイをシームレスに統合)、「iDrive 8.0」、超ワイドバンド技術搭載BMWデジタルキープラス(デジタルキー3.0)など、BMWグループが誇る最新コネクティングデバイスを搭載。また、高速道路におけるハンズフリー走行や、ハンズフリー駐車機能を備えた「レベル2」自動運転も採用される可能性が高い。
最後に気になるのはフル電動仕様「i5M」の存在だろう。現時点で、BMWが「M」を名乗るにふさわしいと考えるスペックを、既存のフル電動パワートレインで実現するのは不可能なようだ。BMWは2025年に次世代電動アーキテクチャーを採用した新型EV「ノイエ クラッセ(Neue Klasse)」の導入を計画。それまで、BMW M社はPHEVと、既存のEVモデルの改良版のリリースに留まることになる。