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Aston Martin Vantage GTE
優勝を狙うノースウェストAMRのダラ・ラナ
2021年のル・マン24時間レースは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて、従来の6月から8月中旬に日程を変更。先週末に行われたテストでは、通常市内で行われていた公開車検がパドックに変更された。決勝レースは8月21日土曜日の16時00(日本時間22日0時)にスタートする。
11ヵ月前、2020年のル・マン24時間レースにおいてアストンマーティンは、GTE ProクラスとGTE Amクラスを制した。GTE Proクラスは、ワークスチームのアレックス・リン、マキシム・マルタン、ハリー・ティンクネルの3人が、フェラーリやポルシェとの名勝負を繰り広げて優勝を果たした。TFスポーツから参戦したジョニー・アダム、チャーリー・イーストウッド、サリフ・ヨルクが、GTE Amクラスで勝利を飾っている。
今シーズンは、GTE Proクラスへのワークス参戦が行われない一方、GTE AmクラスにはWEC史上最多となる4台のヴァンテージ GTEがプライベーターチームとして参戦する。今回のル・マンにおけるGTE Proクラスは23台がエントリーしており、過去最多台数で優勝が争われる。
もっとも優勝に近い存在が、オーナー兼ドライバーのポール・ダラ・ラナが率いるノースウェストAMRチームだろう。ダラ・ラナとコンビを組むマルコス・ゴメスのふたりは、2020年アジアン・ル・マン・シリーズでタイトルを獲得。前哨戦となったWEC第3戦モンツァ6時間レースで2位表彰台を手にした。今回のル・マンでは、世界タイトル獲得経験を持つニッキー・ティームがチームに加わる。
2台体制でクラス連覇を狙うTFスポーツ
昨年のル・マン24時間レース、GTE Amクラスで優勝を飾ったTFスポーツは、ベン・キーティング、ディラン・ペレイラ、フェリペ・フラガの3名を今シーズンから起用。コンペティティブなドライバーラインナップでル・マン連覇に臨む。3人は開幕戦スパ・フランコルシャン6時間レースで2位を獲得。前戦モンツァではパンクで順位を落とすまでクラストップを快走していた。
TFスポーツはジョン・ハーツホーン、オリー・ハンコック、ロス・ガンが2台目のヴァンテージ GTEで参戦。また、4台目のヴァンテージ GTEとなるD’stationレーシングは星野 敏と藤井誠暢の日本人コンビに加えて、英国GT界期待の星、アンドリュー・ワトソンがステアリングを握る。
アストンマーティン・レーシングの副社長兼スペシャル・オペレーション担当のデビッド・キングは、ル・マン24時間レースに向けて次のようにコメントした。
「昨年のル・マンでは、ヴァンテージ GTEがクラス2冠を獲得し、WECのGTマニュファクチャラーズ選手権タイトルを獲得するという素晴らしい偉業を達成しました。私たちの有能なパートナーチームの手にかかれば、今年も素晴らしい戦いを見せてくれるでしょう。GTE Amクラスでどんなレースが繰り広げられるのか、期待しています」