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PEUGEOT INCEPTION CONCEPT
電動プラットフォーム「STLAラージ」をベースに開発

プジョー インセプション コンセプトは、全長5000mm、全高1340mmのワイド&ローフォルムを採用。次世代型「i-Cockpit」やステアバイワイヤ技術を用いた革新的「ハイパースクエア・コントロールシステム」など、革新的な技術も搭載された。そのエクステリアやインテリアは、2025年以降に登場するプジョーのプロダクトを予告しているという。
ステランティスが開発し、2023年から導入される最新電動プラットフォーム「STLAラージ」をベースに開発。フロントとリヤに2基の電気モーターを搭載し、4輪を駆動する。最高システム出力は689PS(500kW)を発揮し、0-100km/h加速は3秒以下。100kWh容量の大型バッテリーを搭載し、航続距離は497マイル(約800km)が確保されている。
800Vテクノロジーにより、わずか1分間の充電で19マイル(約30km)、5分間で93マイル(約150km)の走行が可能。ワイヤレス充電にも対応している。プジョー・ブランドを率いるリンダ・ジャクソンCEOは、インセプション コンセプトについて次のようにコメントした。
「現在プジョーは精力的に電動化へと取り組んでいます。2023年には全ラインナップに電動モデルが導入され、その後の2年間で新たに5車種のBEVが発売される予定です。私たちの目標はいたってシンプルです。それは2030年までにプジョーをヨーロッパを代表する電動ブランドとすること。この目標と野心的なビジョンを掲げ、インセプション コンセプトに代表される様々車種が、ドラスティックな変革への道を切り開くことになるでしょう」
プジョーの最新デザインを予告するディテール

インセプション コンセプトのエクステリデザインには、シンプルかつ洗練されたプジョー・ブランドの新たなデザイン言語を先行導入。このシャープなデザインは、2025年以降に投入されるニューモデルにも順次採り入れられる予定となっている。
フロントセクションは、最新プジョーを象徴するクロー(爪型)デザインを取り入れた、全く新しいライトシグネチャーが採用された。1枚のガラスで覆われたヘッドライトは、中央にプジョー・ロゴを配したフロントグリルと一体化し、様々なセンサー類を含む、ひとつのオブジェとして存在している。
ドアレイヤーには「テックバー(TECH BAR)」を水平に配置。サイドウインドウのフラッシュスクリーンは、ドライバーやパッセンジャーが近づくと、車外にさまざまなメッセージを発する機能が持たされている。搭載された人工知能はドライバーを瞬時に認識し、各パッセンジャーが望む快適性(シート位置、室内温度、走行モード、マルチメディアの好み)を設定。さらに、ここにはバッテリー充電状態を表示することもできる。
キャビンは航空機のキャノピーのようなガラスカプセルで覆われた。フロントガラス、サイドウインドウ、クォーターウインドウなど、すべてに建築用強化ガラスを採用。このガラスはNASAが宇宙飛行士用ヘルメットバイザーに採用したマルチクロム処理(金属酸化物処理)が施されており、抜群の熱特性が確保されている。
専用のエクステリアカラーは外部環境に応じて色合いが変化。この専用塗料はシングルコーティングされており、塗布時のエネルギー消費量が大幅に削減されている。
従来のステアリングを廃した「ハイパースクエア」

コクピットには、新開発された「ハイパースクエア・コントロール・システム」を搭載。最新世代「i-Cockpit」により、俊敏かつ直感的なドライブ体験が提供される。テレビゲームから着想を得たハイパースクエア・コントロール・システムは、従来のステアリングホイールを廃止し、デジタル電子制御とステアバイワイヤー技術が導入された。
ハイパースクエア・コントロール・システムの中央部には、コントロール情報を表示するためのタブレット型スクリーンを配置。各機能(エアコン、オーディオ音量、ADASなど)のピクトグラムは、ふたつのサイドパネルに表示され、ステアリング・コントロールから手を離さずに親指だけを動かして、簡単にコントロール機能へとアクセスできる。
また、インセプション コンセプトはレベル4の自動運転に対応。自動運転時はハイパースクエアがコンソールへと格納され、大型パノラマスクリーンがフロアから迫り上がる。プジョーは10年以内に、ハイパースクエア・コントロール・システムの実用化を目指している。
インテリアにはサステナブルな「モールド・テキスタイル」が採用された。デザインセンターの試作工房やサプライヤーから排出された、100%ポリエステル生地の切れ端を再利用しており、荷重支持パーツやトリムパーツにも導入されている。また、シートは100%再生ポリエステルで製造された「リサイクル・ベルベット」が使われている。