プジョーの最新デザインを予告する「インセプション コンセプト」

2025年のプジョーBEVを予言する「インセプション コンセプト」がCES 2023でワールドプレミア【動画】

プジョーが近い将来に導入を予定している市販モデルのデザインを予告する「プジョー インセプション コンセプト」。
ルーフまでを覆った巨大ガラス面を持つ、大胆なデザインを纏って登場した「プジョー インセプション コンセプト」。
プジョーは、アメリカ・ラスベガスで開催中の「CES 2023(コンシューマー・エレクトリック・ショー 2023)」において、電気自動車の将来的なビジョンを具現化した「インセプション コンセプト」を発表した。 インセプション コンセプトで採用されたデザインは、2025年以降に登場するプジョーモデルに導入される。

PEUGEOT INCEPTION CONCEPT

電動プラットフォーム「STLAラージ」をベースに開発

プジョーが近い将来に導入を予定している市販モデルのデザインを予告する「プジョー インセプション コンセプト」。
ステランティスが展開する電動プラットフォームで最も大型の「STLAラージ」をベースに開発され、伸びやかなフォルムを手に入れた、プジョー インセプション コンセプト。

プジョー インセプション コンセプトは、全長5000mm、全高1340mmのワイド&ローフォルムを採用。次世代型「i-Cockpit」やステアバイワイヤ技術を用いた革新的「ハイパースクエア・コントロールシステム」など、革新的な技術も搭載された。そのエクステリアやインテリアは、2025年以降に登場するプジョーのプロダクトを予告しているという。

ステランティスが開発し、2023年から導入される最新電動プラットフォーム「STLAラージ」をベースに開発。フロントとリヤに2基の電気モーターを搭載し、4輪を駆動する。最高システム出力は689PS(500kW)を発揮し、0-100km/h加速は3秒以下。100kWh容量の大型バッテリーを搭載し、航続距離は497マイル(約800km)が確保されている。

800Vテクノロジーにより、わずか1分間の充電で19マイル(約30km)、5分間で93マイル(約150km)の走行が可能。ワイヤレス充電にも対応している。プジョー・ブランドを率いるリンダ・ジャクソンCEOは、インセプション コンセプトについて次のようにコメントした。

「現在プジョーは精力的に電動化へと取り組んでいます。2023年には全ラインナップに電動モデルが導入され、その後の2年間で新たに5車種のBEVが発売される予定です。私たちの目標はいたってシンプルです。それは2030年までにプジョーをヨーロッパを代表する電動ブランドとすること。この目標と野心的なビジョンを掲げ、インセプション コンセプトに代表される様々車種が、ドラスティックな変革への道を切り開くことになるでしょう」

プジョーの最新デザインを予告するディテール

プジョーが近い将来に導入を予定している市販モデルのデザインを予告する「プジョー インセプション コンセプト」。
インセプション コンセプトに採用されたデザイン言語は、2025年から導入される将来のプジョー製モデルに採り入れられる。

インセプション コンセプトのエクステリデザインには、シンプルかつ洗練されたプジョー・ブランドの新たなデザイン言語を先行導入。このシャープなデザインは、2025年以降に投入されるニューモデルにも順次採り入れられる予定となっている。

フロントセクションは、最新プジョーを象徴するクロー(爪型)デザインを取り入れた、全く新しいライトシグネチャーが採用された。1枚のガラスで覆われたヘッドライトは、中央にプジョー・ロゴを配したフロントグリルと一体化し、様々なセンサー類を含む、ひとつのオブジェとして存在している。

ドアレイヤーには「テックバー(TECH BAR)」を水平に配置。サイドウインドウのフラッシュスクリーンは、ドライバーやパッセンジャーが近づくと、車外にさまざまなメッセージを発する機能が持たされている。搭載された人工知能はドライバーを瞬時に認識し、各パッセンジャーが望む快適性(シート位置、室内温度、走行モード、マルチメディアの好み)を設定。さらに、ここにはバッテリー充電状態を表示することもできる。

キャビンは航空機のキャノピーのようなガラスカプセルで覆われた。フロントガラス、サイドウインドウ、クォーターウインドウなど、すべてに建築用強化ガラスを採用。このガラスはNASAが宇宙飛行士用ヘルメットバイザーに採用したマルチクロム処理(金属酸化物処理)が施されており、抜群の熱特性が確保されている。

専用のエクステリアカラーは外部環境に応じて色合いが変化。この専用塗料はシングルコーティングされており、塗布時のエネルギー消費量が大幅に削減されている。

従来のステアリングを廃した「ハイパースクエア」

ハイパースクエア・コントロール・システムが導入された、「プジョー インセプション コンセプト」のインテリア。
コクピットには自動運転にも対応した、新デバイス「ハイパースクエア・コントロール・システム」を採用。プジョーは10年以内の実用化を目指している。

コクピットには、新開発された「ハイパースクエア・コントロール・システム」を搭載。最新世代「i-Cockpit」により、俊敏かつ直感的なドライブ体験が提供される。テレビゲームから着想を得たハイパースクエア・コントロール・システムは、従来のステアリングホイールを廃止し、デジタル電子制御とステアバイワイヤー技術が導入された。

ハイパースクエア・コントロール・システムの中央部には、コントロール情報を表示するためのタブレット型スクリーンを配置。各機能(エアコン、オーディオ音量、ADASなど)のピクトグラムは、ふたつのサイドパネルに表示され、ステアリング・コントロールから手を離さずに親指だけを動かして、簡単にコントロール機能へとアクセスできる。

また、インセプション コンセプトはレベル4の自動運転に対応。自動運転時はハイパースクエアがコンソールへと格納され、大型パノラマスクリーンがフロアから迫り上がる。プジョーは10年以内に、ハイパースクエア・コントロール・システムの実用化を目指している。

インテリアにはサステナブルな「モールド・テキスタイル」が採用された。デザインセンターの試作工房やサプライヤーから排出された、100%ポリエステル生地の切れ端を再利用しており、荷重支持パーツやトリムパーツにも導入されている。また、シートは100%再生ポリエステルで製造された「リサイクル・ベルベット」が使われている。

プジョー インセプション コンセプトを動画でチェック!

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