目次
JAPAN BRAND
SVR
「速き者は美しい」を体現するフェラーリ

決して単なるドレスアップではない。エアロダイナミクス性能を筆頭に、機能を最優先したボディパーツを作ることこそSVR(オートベローチェ・レーシング)のコンセプトである。今年はSVR F8とSVR 720Sを登場させた。特に前車は往年のフェラーリを彷彿とさせるデザインが最新のF8に巧く融合している。機能最優先かつ「デザインで魅せる美学」を持つ代表、谷 暢之氏の感性と技術を感じさせる。このロッソスクーデリアのボディを支えるホイールはハイパーフォージドの新作「ESR」。この星形形状もまた往年のフェラーリっぽく絶妙に調和している。
AZZURRE MOTORING
ハイエンドカーのファッションブティック

ヨーロピアンからアメリカンまで分け隔てなく染め上げるのがアズールモータリングだ。それを象徴するようにブースにはF8やアヴェンタドールそしてコルベット、M4が並んだ。彼らは車両販売などを積極的に行うものの、カスタムカーの提案が多く、自社ブランドとしてボディパーツのゼロデザイン、ホイールのスカイフォージドなどを展開する。今では豊明の本社のほか、栄と麻布にショールームを構え、本社のそばにはアメリカ車専門のショールームも開設した。SEMAへの挑戦を筆頭に、アメリカンカーカルチャーを取り入れているのもアズールらしさだ。
LEAP DESIGN
レアなスーパースポーツを自分色に

リープデザインはフェラーリやランボルギーニ、マセラティなどを中心にボディパーツを提案する。今年は特に究極的なモデルがお目見えした。マセラティMC20にアヴェンタドールSVJである。特にMC20はカーボン製の前後スポイラーにサイドステップなどで独特のデザイン性を投入。アヴェンタドールSVJのほうもボディパーツが投入されるほかサテンブラックでフルラッピング。異様なオーラを放っていた。数などそう出回らないスーパースポーツであっても臆せずオリジナリティを加えていく、リープデザインの真骨頂を感じさせるものだった。
balance it
孤高のアウディチューナー

日本では数少ないアウディ専門チューナーとして孤高の存在感を放つのがバランスイットだ。今回は漆黒のRS6とRS3という強烈な2台が集った。いずれもバランスイット製のボディパーツやオリジナルホイールが装着されている。アウディらしい精緻な印象を崩さないまま、空力性能を高めつつヴィジュアルをスポーティに誘うアプローチがいかにもバランスイットらしい。なおRS6のほうは最高峰の車高調として知られるKW V4(3ウェイ)で、RS3は新時代のサスペンションとして話題のMSSアジャスタブルスプリングキットでセッティングされていた。
MCC Complete/BC FORGED
伝統と革新、双方の魅力を訴える

ネクストイノベーションのエアロパーツや、BCフォージドのホイールを多数展示するコラボ体制。MCCコンプリートのブースは話題が盛りだくさんだった。その中でLC500コンバーチブルとM3がデモカーとして登場した。LC500のほうはBCフォージドの新作「HCA388S」が、M3にはBBS LMが装着されるなど、ホイールコーディネートという意味では伝統と革新の両方を提案していた。KWの車高調、イデアルのエアサスなど、足まわりの構築方法も型に捉われず、あらゆるアプローチを持っていた。この自由奔放な雰囲気が会場に溶け込んだ。
Stompin’ark/Roncraft
汎用リップで手軽にローフォルムを

スタンス系を含めて攻めたカスタムカーで定評のあるロンクラフトが持ち込んだのは992型911カレラSだった。KWのサスペンションにフロント21インチ、リヤ22インチのニュートレイルホイールを使って大口径&ローダウンフォルムを実現したもの。その上でStompin’ark(ストンピンアーク)というリップスポイラーが装着されている。これはインフュージョン成型(真空成型)という技術を使い強度と軽量性能を両立したエアロパーツ。その質感はドライカーボンに近い。1cm単位でのオーダーが可能で、一定の範囲で汎用品として使うことができる。
M’s MACHINE WORKS
日本の“ものづくり”でポルシェを鍛え上げる

日本の技術と工作機械を駆使してレーシングパーツを生み出してきたのがエムズマシンワークスだ。今回、ポルシェ製レーシングカーを凌ぐ速さを持たせようと製作した987型ケイマン、そしてRWBのワイドボディをまとうレーシングカー(RWBプロトタイプ/M’s 930GT)の2台がお目見えした。特にケイマンは2022年12月時点における筑波サーキット・チューニングカーNAクラスのレコードホルダーだ。2023年もタイムアタックの挑戦は続く。
neutrale
フェラーリだって大胆に着地させる

ニュートレイルは日本でプロデュースするアメリカン鍛造ホイールブランド。今回はMOONTECH × JONSIBAL DESIGNのコラボで製作したフェラーリ488GTBに、PLOOMのサスペンションキットを組み、ニュートレイルSCD(21インチ)を装着した。そこに並ぶのはエアサス(エアリフトパフォーマンス)で車高を落としてSCD-EXTホイールを装着した328GTS。ガツンと車高を落とした新旧フェラーリのカスタムに熱い視線が注がれた。
Liberty Walk
改造車の魅力を訴えてクルマ好きを増やしたい

毎年、リバティーウォークは自社のコンプリートカー(LBワークス、スーパーシルエットなど)を大集結させる。今年もまた国籍、年代を問わず様々なクルマが見受けられた。それらは販売されるのが常で、実際に会期中に成約された例があった。なお、華やかなブースはいつものリバティーウォーク節で、家族連れも多く、アパレルやグッズなどの物販エリアも賑やかだった。大人ばかりか子供たちにも愛されるのがリバティーウォークの魅力だ。
APR JAPAN/J-Factory
エンジンチューニングでアウディを激辛に


APRはアメリカに本拠を構え、VW/アウディを中心に取り扱うECUチューナー&エンジンビルダーだ。今回はRS3のECUアップグレードほか電気系チューニングを披露した。その上でオリジナルホイールや専属デザイナーによるバイナルグラフィックスで彩った。APRとコラボ体制にあるジェイファクトリーは、S1に対してAPRステージ3、DTR6054タービンを投入。最高出力443PS、最大トルク56.2kgmを発揮する過激なホットハッチに仕上げた。その過激さをより際立たせるのがフロントワイドフェンダーやアイロムエキゾーストシステムである。
BLITZ
時代を牽引する大御所チューナー


国産車チューナーの大御所として知られるブリッツだけに新型車への取り組みは早い。東京オートサロンには新型フェアレディZとクラウン・クロスオーバーが展示された。フェアレディZに関しては、カーボンパワーエアクリーナーにスロットルコントローラー(パワスロ)、そしてエキゾースト(ニュルスペックF-Ti)という仕様。最初の一歩ながら今後の発展性には期待が募る。また、クラウン・クロスオーバーのほかアリアなどを用いてEVやハイブリッドカーに対する新しいスポーツカスタマイズを提案。ブリッツは電動時代も牽引することになりそうだ。
ARTISAN SPIRITS
持ち前の造形美で世界的なブランドへ

2017年に日本に先駆けてアメリカで、世界初のLC500カスタムを出展したのがアーティシャンスピリッツだった。今年はその発展系にして、ワイドボディキットにセンターマフラー用のリアバンパーを装着したブラックレーベルLC500GTを登場させた。JOKERによるラッピングも美しい。2022年のSEMAショーにデビューさせたBRZ GTに続いて東京オートサロンにはGR86GTがやってきた。こちらもGTワイドボディキットにJOKERスペシャルラッピングというコーディネートを持つ。足もとはレイズ製TE37SAGA SLを組み合わせる硬派仕立てだ。
T’s CLUB
多種多様な方向性を一挙にアピールする

多種多様なクルマを扱い、カスタムアプローチも多種多様なのがティーズクラブだ。その個性を体現するような4台だった。ヴォルシュタイナーのエアロをまとい、KW V4、アクラポビッチのエキゾーストなどを装着するG80型M3に、R’sレーシングのMINI JCW LCI2などはいかにもティーズクラブらしい。その上でテックアートのパーツを使って構築したカイエン、R’sレーシングのプジョー208GTもお目見えした。車両販売から好みのカスタムまでなんでも相談できるティーズクラブの姿勢が、しっかりと表現されているようなブース構成だった。
REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)、上之園真以(Mai AGENOSONO)
PHOTO/白谷 賢(Ken SHIRATANI)、平野 陽(Akio HIRANO)、土屋勇人(Hayato TSUCHIYA)、山本佳吾(Keigo YAMAMOTO)
MAGAZINE/GENROQ 2023年3月号