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Audi activesphere concept
様々な用途に使用できる荷台を確保
全長4.98mの非常にエレガントなスタイルを持つ「アクティブスフィア コンセプト」は、高められた最低地上高とオフロードでの優れた走破性を実現した22インチ大径ホイールを採用。単なるラグジュアリースポーツカーではなく、あらゆる用途で活躍できるクロスオーバー4ドアクーペとして開発された。
エクステリアは、エレガントでダイナミックなクロスオーバークーペとしてクラシカルなプロポーションとラインを特徴としているが、スイッチを押すだけでオープンカーゴベッド(アクティブバック)に変化させることが可能。これによりウォータースポーツやウインタースポーツ用ギアなど、あらゆるレクリエーション向け装備を積載することができる。
2.97mの長いホイールベースは、パッセンジャーの足元に広々としたスペースを提供。前後オーバーハングが短く、見る者に全体としてスペック以上にコンパクトな印象を与える。アクティブスフィア コンセプトのデザインを担当したのはマリブのアウディ・デザインスタジオ。スタジオマネージャーのゲール・ビュザンは、スフィア・シリーズの第4弾を飾るモデルについて、次のように説明する。
「アクティブスフィアはとてもユニークなクルマです。このモデルは、アウディのスポーツバックが持つエレガントなスタイル、SUVの実用性、オフロード走行性能を巧みに組み合わせた、まったく新しいタイプのクロスオーバーです」
新世代PPEモジュラーシステムを採用
今回、アウディが誇る「PPE」プラットフォームによる電動駆動と急速充電テクノロジーが採用された。ゼロエミッションによる走行、600kmを超える航続距離、800Vテクノロジーによる急速充電を実現した。持続可能性、優れたドライビングダイナミクス、長い航続距離を妥協なく手にしている。
将来的に「PPEモジュラーシステム」採用モデルの中心的要素となるのが、800Vの充電テクノロジー。急速充電ステーションを使用すると、最大270kWの出力で短時間でバッテリーを充電することができる。アウディはこの革新的なテクノロジーを、ミッドレンジ/ラグジュアリーセグメントの市販モデルへと導入を進めていくことになる。
PPEモジュラーシステムにより、内燃機関搭載モデルの給油時間に近い充電時間が可能になった。わずか10分で300km以上走行するのに十分なエネルギーを充電。さらに25分未満で容量100kWhバッテリーを5%から80%まで回復させることができる。
また、アクティブスフィア コンセプトの最低地上高は、走行条件に応じて変化。基本となる地上高は208mmだが、オフロード走行時は40mmライドハイトを高めることができる。また、オンロード走行時には40mm低めることも可能だ。
オフロード走行時のアプローチアングルは18.9度、ディパーチャーアングルは28.1度と、厳しい条件の悪路でも難なく対応。地上高の可変システムは、2000年以来、Dセグメント/Eセグメントで高い人気を集めてきた「オールロードシリーズ」をイメージしているという。
道路環境と拡張現実を組み合わせた複合現実
今回、自動運転技術の導入により、ドライバーとパッセンジャーに新たなレベルの自由がもたらされることになった。新開発のディスプレイと操作テクノロジーを活用することで、ドライバーやパッセンジャーは様々な機能を活用することができる。乗員それぞれの視野にデジタルコンテンツをリアルタイムで表示することにより、物理的世界とバーチャルワールドを組み合わせた、複合現実世界を実現した。
アクティブスフィア コンセプトに搭載された「ハイテクヘッドセット」は、実際の環境とルートビューを提供すると同時に、3Dコンテンツとインタラクティブな要素を表示することが可能。ドライバーとパッセンジャーは個別に設定することもできる。
運転状況やナビゲーションなど、ドライバーに関連するすべての情報を表示し、ヘッドセットを装着した乗員は、実際には目では見ることのできないコントロールパネルや、その他のバーチャルディスプレイをチェックすることができるという。アウディAGの技術開発担当取締役オリバー・ホフマンは、アクティブスフィア コンセプトのインテリアについて、次のように説明を加えた。
「これまで『スフィア・コンセプト』は、未来のプレミアムモビリティに対するアウディのビジョンを示してきました。将来のアウディのインテリアは、パッセンジャーがくつろぎ、同時に外の世界とつながることができる場所となります。アクティブスフィアにおける最も重要な技術革新は、拡張現実の導入です。私たちは周囲とデジタルリアリティの完璧な統合を生み出すことを目指しているのです」