時計趣味を加速させる時計店「コミット銀座」とは?

「経年変化やエイジングを評価する場合も?」資産価値の高い腕時計の見極め方

資産価値の高いモデルは?と聞いたところ出てきたモデルがこちら。「セミヴィンテージ」と分類される1980〜90年代の個体たちだ。中でも状態も良く、経年変化によって生まれた“エイジング”があるものは貴重な個体として高く評価されるという。モデル選びから購入にあたって気を付けるべきポイントなど、詳しくは問い合わせて欲しい。
“リセールバリュー”(resale value)とは、文字どおり再販価値のこと。下取りや買取りなど中古車販売においてはおなじみの言葉だ。同年式のまったく同じモデルであっても走行距離や色、装備の違いで査定は大きく変わることがある。それは時計の世界でも同じなのだ。

COMMIT GINZA

お宝の探し方

自分が所有する時計にはいったいどれほどのリセールバリューがあるのか。一般的な時計買取店の買い戻し率は約70%と言われる。要は100万円で買った時計は70万円で買い取ってもらえるということだ。一方で平均買い戻し率102.1%を誇る腕時計専門店がある。コミット銀座だ。2016年1月から2022年12月まで、およそ7年で買い戻した累計本数は942本。平均販売価格263.4万円に対し、平均買い戻し価格は268.8万円という。

同店のYouTube チャンネル「コミット TV」のMCなども務めるシニアアドバイザーの八木隆幸氏はこのように話す。

「基本的にうちで買っていただいた商品に関しては、できるだけ高く買い取っています。そうすれば、また次に別の時計を買っていただくことにつながります。もちろん所有期間やモデルにもよりますが、購入後すぐ1ヵ月後に売りたいとなれば、やはり通常は80%や85%くらいにはなってしまいます。しかし基本的にいま人気のモデルの相場は右肩上がりの傾向にあって、数年前にうちで販売したものが戻ってくると、買い戻し率が150%なんてこともあって、平均100%を超えているわけです」

廃盤ロレックスに存在するレアモデル

これはそもそもコミット銀座の品揃えに、再販価値の高いものが並んでいるという証左でもあるが、中でもロレックスには廃盤になったモデルの中に特筆して再販価値の高いレアモデルが存在するという。

鑑定士の金子 剛氏は、そのポイントをこのように話す。

「モデルによって違いがありますが、トリチウムの夜光塗料が焼けているとか、ダイヤルが変色しているといった本来は起きるはずのない変化が生じた個体に高い価値がつくこともあります」

なんと時計の世界でも、経年変化やエイジングを評価するモデルも存在するというから驚きだ。そうした動向を知らずにいると、ただ劣化していると評価され安値で手放してしまうケースもあるという。金子氏は続ける。「そういう点でもオリジナルのコンディションのままうちにもって来ていただければ、しっかりと評価させていただきます」

祖父や父の引き出しに眠る古いロレックスを探してみるのも一興だ。納屋モノと呼ばれるBarn find(バーンファインド)のように、すごいお宝が見つかるかもしれない。

REPORT/藤野太一(Taichi FUJINO)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)

コミット銀座

住所:東京都中央区銀座6丁目4-7 G・O・WESTビル1階, 2階, 12階
TEL:03-6264-5310
営業時間:11:00〜21:00
https://www.commit-watch.co.jp/

インタビューは時計専門店コミット銀座の店内にて行われた。ヴィンテージロレックスを豊富に取り扱っていることで定評がある。

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