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MINI Cooper SE Convertible
原材料だけでなくエネルギー使用量も削減
MINIは、コンパクトカーセグメントでは世界初となるフル電動オープン「MINI クーパー SE コンバーチブル」を、2023年4月から999台限定生産する。このモデルは、リサイクル・アルミニウムのみで製造されたアロイホイールを装着した初の生産車両となる。
今回、ドイツのホイール・メーカーのロナール(Ronal)社と共同で、量産車の軽合金ホイールに初めて100%リサイクルアルミニウムを導入。再生アルミニウムを使用することで、原料資源を大幅に節約できるだけでなく、莫大なエネルギー消費を伴う電解工程を省くことが可能になった。
BMWグループの自動運転開発担当上級副社長のニコライ・マーティン博士は、今回の取り組みを次のように説明する。
「プレミアムメーカーとして、BMWグループは非常に早い段階から持続可能性のアイデアを、自動車開発に織り込んできました。今回、MINI クーパー SE コンバーチブルに装着された100%リサイクル・アルミニウム製アロイホイールは、資源再利用の代表格と言えるでしょう。BMWグループの循環型経済への道において、重要なマイルストーンとなりました」
最大75%の二酸化炭素排出量を削減
BMWグループは「Re:think(再考)」「Re:duce(削減)」「Re:use(再使用)」「Re:cycle(再利用)」の4つの基本原則に従って、循環型経済の確立を目指している。今回、導入された初の100%リサイクル・アルミニウム製アロイホイールの開発は、これらの基本ポリシーに則って行われた。
アルミニウム1kgあたりの二酸化炭素排出量が0.16kg以下となるリサイクル・アルミニウムを使用することで、従来のアロイホイール生産と比較すると、生産時点での二酸化炭素排出量を最大75%も削減することが可能になった。具体的には約130kgあった炭素排出量が約30kgに減少したという。
MINI クーパー SE コンバーチブルは、アロイホールだけでなく、車両全体に持続可能性(サステナブル)の観点が貫かれている。今回、リサイクル・アロイホイールに、エアロダイナミクスを向上させるリアルメタル・インレイとセンターキャップが装着されたことで、走行距離の延長も可能になった。つまり、この革新的なアロイホイールは、製造時と走行時の両面において、車両の二酸化炭素排出量を削減しているのである。
将来的に大量生産モデルへの導入も計画
MINI クーパー SE コンバーチブルに装着されたリサイクル・アロイホイールは、車両自体のライフサイクルが終了した時点で、再びリサイクルすることもできる。車両のライフサイクルを循環型社会へと組み込むことで、BMWグループは、必要とされるアルミニウム量を継続的に削減することを目指している。
今回は999台という限定生産モデルへのテスト導入となったリサイクル・アロイホイールだが、今回得られた知見を活かし、将来的には大量生産モデルへの導入も計画されているという。