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HYUNDAI IONIQ 5 N
「N」ブランド初のフル電動モデル

ヒョンデは、韓国・南陽グローバル開発センターと、ドイツ・ニュルブルクリンクの頭文字を取り、ハイパフォーマンスブランド「N」を展開。「N」は専用チューニングされたパワーユニットやエアロダイナミクスが与えられた特別なモデルとして、販売されている。
今回、Nブランド初となるフル電動モデルとして「アイオニック 5 N」による北極圏テストの様子が初公開された。ヒョンデ・モービスが所有するスウェーデン・アリエプローグのテストトラックは、グリップレベルの低い圧雪路や凍結路、マイナス30℃の氷点下など、自動車メーカーが冬季テストを行うために必要な、あらゆる条件を備えている。
ヒョンデNのエンジニアは、アイオニック 5 Nを過酷な低μコンディションにおいて包括的なテストを実施。応答性、ドライバー重視のキャラクター、寒冷地における挙動など、車両の最適なバランスやセッティングを探っている。
ドライブ好きが選びたくなるEV

現在、開発が行われているアイオニック 5 Nは、ヒョンデが独自開発した電気自動車専用プラットフォーム「E-GMP(Electrified-Global Modular Platform)」を採用しており、ここにWRCなどのモータースポーツで培われた技術とノウハウが融合された。電動パワートレインの性能を高めることで、ドライビング好きが積極的に選びたくなるような、ハイパフォーマンスEVを目指しているという。
ヒョンデ・モーター・カンパニーのNブランド&モータースポーツ担当副社長のティル・ウァルテンベルグは、アイオニック 5 Nについて次のように説明する。
「ニュルブルクリンクの厳しいコーナーで磨かれたように、アリエプローグ試験場の過酷な環境下で走行することで、Nモデルは冬季コンディションにおける最高のパフォーマンスが保証されるのです。アイオニック 5 Nは、ヒョンデの厳しい性能基準を完璧に満たし、当社初のEV市販Nモデルとして、Nブランドの成功をさらに高めてくれると確信しています」
Nブランド初の市販AWDモデルとして投入

アイオニック 5 Nは、電動プラットフォーム「E-GMP」のデュアルモーター・アーキテクチャをスポーツ走行に最適化。アリエプローグの凍結湖をはじめ、滑りやすいコンディションにおいても、高い走行性能を発揮できるようにした。
さらに、アイオニック 5 Nは、Nブランドの市販モデルとして初めて全輪駆動(AWD)を採用することになる。これを受けて、WRCラリースウェーデンにおいて、ヒョンデ i20 N ラリー1により取得された、AWDに関するノウハウも導入。今回のテストでは、アイオニック 5 Nとi20 N ラリー1の比較テストも行われている。
コーナーリング性能に関しては、専用の前後トルク配分、サスペンション・セッティング、ステアリング応答性、e-LSD(電動LSD)システムを統合。さらに、ドリフト専用のドライビングモード「Nドリフト・オプティマイザー」も採用された。これは、あらゆるレベルのドライバーがドリフト走行を楽しめるよう、車両側からサポートするシステムとなる。