実用域における航続距離も大幅に向上、タイプ964時代のボディカラーも選択可能に

ポルシェ タイカン/タイカン クロスツーリスモがアップデート。航続距離を延長し自動駐車システムも採用

「ポルシェ タイカン」が新たなモデルイヤーに切り替え、タイプ964時代のボディカラーも選択可能に
ポルシェ タイカンの2022年モデル
ポルシェは2021年9月からフル電動スポーツモデル「タイカン」と「タイカン クロスツーリスモ」を新たなモデルイヤーに切り替える。技術面のアップデートにより、実用域における航続距離が向上したほか、「ルビーストーンレッド」など1990年代に人気を集めたボディカラーが選べるようになった。

Porsche Taycan

1990年代の人気カラーを復刻した新色も登場

「ポルシェ タイカン」が新たなモデルイヤーに切り替え、タイプ964時代のボディカラーも選択可能に
今回のモデルイヤー切り替えにより、航続距離が向上したほか、写真の「ルビーストーンレッド」など90年代に人気を集めたカラーが選べるようになった。

今回のアップデートにより、タイカン/タイカン クロスツーリスモの航続距離は向上。さらにAndroid Autoが「ポルシェ・コミュニケーション・マネージメント(PCM)」システムに統合されたほか、タイカン・シリーズとして初めてリモートパークアシストが搭載された。リモートパークアシストは、ドライバーがステアリングを握っていなくても、スマートフォンを使ってクルマを自動的に駐車させることができる。

また、「Paint to Sample」と「Paint to Sample Plus」オプションを活用することで、標準色以外の個性的なカラーをチョイスすることが可能になった。例えば、タイカンには1990年代のクラシックカラーである「ルビーストーンレッド」や、鮮やかな「アシッドグリーン」も選ぶことができる。

2021年上半期、タイカンは2万台をデリバリー。2021年4月からタイカンのモデルライン担当副社長を務めるケビン・ギークは、タイカンが非常に高い人気を集めていることを強調する。

「電動モデルのタイカン・シリーズは常に進化を続け、多くの地域で好調な販売を続けています。今回、航続距離の向上のほか、Android Autoを含むシームレスなスマートフォンとの接続が可能になりました。さらに春からラインナップに加わったクロスツーリスモが多くの注文をいただいていることからもわかるように、シリーズ全体でお客様から非常に高い評価を得ています」

スペックに変更はないものの日常域での航続距離が向上

「ポルシェ タイカン」が新たなモデルイヤーに切り替え、タイプ964時代のボディカラーも選択可能に
イヤーモデルの切り替えとなるためカタログ値の変更はないものの、フリーホイール機能の採用などにより日常域における航続距離の向上を実現した。

2022年モデルでは新たにホモロゲーションを申請しないため、航続距離(WLTP)のカタログ値は変更されていない。しかし、実質的な走行距離は特に日常域において飛躍的に向上した。今回、一般的な走行状況における航続距離を伸ばすため、広範な変更が施されている。

4WDモデルの「ノーマルモード」と「レンジモード」では、負荷の少ない走行状況において、フロントの電気モーターからの駆動が切り離される。さらにコースト走行時や停車時には、どちらの車軸にも駆動が伝わらないようにシステムが変更された。このフリーホイール機能によってドラッグロスを大幅に低減。ドライバーがさらなるパワーを要求したり、走行モードを変更したりした場合にのみ数ミリ秒以内に再びモーターが動力を伝える。

熱マネージメントや充電機能も向上。ターボチャージング・プランナーの採用により、高電圧バッテリーを従来よりも少し高い温度まで加熱できるようになった。この結果、より早くより高いレベルでの急速充電が可能になっている。また、電装パーツからの排熱を、バッテリーの温度調整に活用できるようになった。

自動駐車「リモート・パークアシスト」機能を追加

「ポルシェ タイカン」が新たなモデルイヤーに切り替え、タイプ964時代のボディカラーも選択可能に
オプションで、スマートフォンを介した自動駐車が可能な「リモート・パークアシスト」機能も選ぶことができる。

新たにオプションとして追加された「リモート・パークアシスト(Remote Park Assist)」は、ドライバーがステアリングを握っていない状況で、スマートフォンを使って駐車を遠隔操作することができる。

リモート・パークアシストは、縦列駐車場や車庫入れのいずれの場合でも自動で行うことが可能となっている。このシステムは車両に搭載された超音波センサーとカメラシステムにより、駐車スペースを自動的に検出・計測。十分なスペースがあれば、ドライバーは「ポルシェ・コネクト・アプリ」を使って、駐車プロセスをスタートさせることができる。ドライバーはクルマから降りていても、アプリのインターフェース上にあるボタンを長押しすることで駐車プロセスを監視。このアプリ上のボタンを離すと、タイカンの駐車プロセスは直ちに停止される。

タイカンはデビュー時の段階で、第6世代「ポルシェ・コミュニケーション・マネージメント(PCM)」を搭載。先に組み込まれたApple CarPlayに続き、今回の変更からAndroid AutoもPCMに統合された。これにより、Android OSを搭載したスマートフォンもタイカンにつなぐことが可能になり、電話機能やスマートフォン用アプリを、ドライブ中も音声コマンドで操作できるようになった。また、音声アシスタント「ボイスパイロット」の聞き取り精度も向上している。

タイプ964時代に人気のビビッドなカラーを展開

「ポルシェ タイカン」が新たなモデルイヤーに切り替え、タイプ964時代のボディカラーも選択可能に
オプションの「Paint to Sample」と「Paint to Sample Plus」を選ぶことで、鮮やかなルビーストーンレッドなどタイプ964当時に人気だったボディカラーをタイカンでも選べるようになった。

1990年代、ポルシェは非常にカラフルなボディカラーを導入していた。このビビットなピンクやグリーンのボディカラーは、瞬く間にポルシェ・ファンの間でカルト的な人気を博すことになる。現在でも、タイプ964に採用された鮮やかなボディカラーはヒストリックカー市場で大きな人気を集めている。

近年のトレンドではこれらのビビットカラーが再評価されつつあり、「ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチャー」は、パーソナライゼーション戦略の一環として、現在タイカンにラインナップされている17の標準色に加えて、個性的なカラーバリエーションを追加した。

現時点で65色の追加カラーを揃えており、ポルシェを象徴する「ムーンライト・ブルーメタリック」「アシッドグリーン」「ルビーストーンレッド」「リビエラブルー」「ビオラメタリック」などを選ぶことができる。

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