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ショッピングしながら充電が可能に

ベルリンのプレンツラウアーベルク地区に設置された「アウディ・チャージング・ハブ」は充電の待ち時間に、ショッピングや食事を楽しむことができるコンセプトが導入されている。ドイツのスーパーマーケット「フリッシュ・パラディース(Frischeparadies)」との協力により、充電施設をスーパーマーケットの施設内に設置。ユーザーは、充電時間を有効活用できるようになった。
「アウディ・チャージング・ハブ」エネルギーシステム統合・ベルリン導入統括マネージャーを務めるエリアス・ハンマーは、今回の設置方針について次のように説明する。
「ベルリンのプレンツラウアーベルクの拠点は、住宅が密集する「east-west B1 highway」の近くに位置されています。ここは『アウディ・チャージング・ハブ』のコンパクトバージョンを設置するには理想的な場所です。多くのドライバーは、自宅に充電設備を持っていないため、都市の中心部において便利で信頼性の高い急速充電ステーションを利用したいと思っているからです」
施設の拡大に対応したモジュラーコンセプト

ハンマーは都市部のBEV(バッテリーEV)ユーザーは、帰宅時に充電することが多いと指摘する。
「一般的に都市部では、通勤者が帰宅する際に、充電する需要が高いと私たちは考えています。蓄電装置を導入したことで、各充電ポイントでは、320kWの安定した出力で車両を充電することができます。特に、プレンツラウアーベルクの拠点は、帰宅時のサラリーマンや買い物客など、頻繁に利用されると見込んでいます」
「今回のケースに代表されるように、私たちは、お客様が日常生活の中で、30~40分で充電することが可能な『アウディ・チャージング・ハブ』を設置しています。この目的のために社内のデータを分析、現地の需要を調査し、適切な場所に設置することを計画しているのです。2基の電源キューブに4基のカバー付き充電ポイントを備えたコンパクトバージョンは、協力パートナーであるスーパーマーケットのフリッシュ・パラディースに隣接する場所に設置されています」
アウディは今後さらに増加する、充電施設への需要に対して、予約システムの構築により対処しようとしている。
「アウディのドライバーは、予約システムの恩恵を受けることができるでしょう。また理論的には、十分な需要があれば、この施設にもより多くの電源キューブを、比較的簡単に追加することも可能です。モジュラーコンセプトにより、現在4基ある充電ポイントを、すぐに6基に増やすことができます。これは、より高い需要が発生した場合に、即座に対応できることを意味します」
様々なタイプの充電施設を展開するアウディ

「アウディ・チャージング・ハブ」は今回のベルリンに続き、オーストリアのザルツブルグ、ドイツのミュンヘンでの設置を予定している。
「2023年5月末にも、ザルツブルクにベルリンと同じコンパクトな『アウディ・チャージング・ハブ』を開設し、続いてミュンヘンにもオープンする予定です。最初の段階ではラウンジのないバージョンを展開し、パートナー企業と提携してサービス施設を提供することを考えています」
「設置箇所を増やすことでさらにノウハウを蓄積して、より多くのデータを収集することができるでしょう。コンパクトバージョンで可能な限り最高のサービスを提供できるよう、お客様の利用状況を理解したいと考えています。2024年からは、様々なサイズのラウンジを備えたバージョンも提供します。このため、新たなパートナー企業と適切な設置場所を探しています」