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15万台分の水酸化リチウムをドイツ国内で供給
2023年3月27日、メルセデス・ベンツと、ドイツとカナダのスタートアップ企業「ロックテック・リチウム」社は、ブランデンブルク州グーベンに建設するリチウム工場の起工式を行った。これにより、メルセデス・ベンツはバッテリー製造パートナー企業から、直接水酸化リチウムの供給を受けられるようになる。
2022年、メルセデス・ベンツとロックテック・リチウムは、新工場で精製された高品質水酸化リチウムの供給する契約を締結。グーベン工場が本格稼働する2026年以降、1年間にフル電動モデル約15万台分に相当する水酸化リチウムが供給される。メルセデス・ベンツは、ヨーロッパにおける素材の現地調達/電動パワートレインの一貫製造にむけて、大きなステップを踏み出した。
高性能バッテリーの安定供給を確保
メルセデス・ベンツのチーフテクノロジー・オフィサーを務めるマーカス・シェーファーは、ドイツ国内でのリチウム工場新設について次のように説明する。
「メルセデス・ベンツにとって、電動モビリティへのシフトは、サプライチェーンの変化も意味します。現在、メルセデスは電動化に関して、3つの目標を掲げています。 サステナビリティ(持続可能性)の推進、原材料の安全性の確保、そして調達の現地化です」
「今回のグーベン工場の起工式は、調達の現地化における大きな一歩です。メルセデス・ベンツにとって、最先端・高性能なバッテリーの持続的な生産に向けて、新たなマイルストーンとなります。ここヨーロッパでのリチウムの供給に関して、ロックテックは将来的にメルセデス・ベンツにとって重要な役割を果たすことになるでしょう」