電動化には必須のバッテリー生産に対するメルセデス・ベンツの取り組み

メルセデス・ベンツのBEV生産に向けた取り組み「BEV15万台規模のリチウムをドイツ国内の工場で2026年から製造」

メルセデス・ベンツとロックテックから首脳陣が参加し、ドイツ・ブランデンブルク州のグーベンでリチウム工場の起工式が行われた。
メルセデス・ベンツとロックテックから首脳陣が参加し、ドイツ・ブランデンブルク州のグーベンでリチウム工場の起工式が行われた。
メルセデス・ベンツの戦略的パートナー企業「ロックテック・リチウム(Rock Tech Lithium Inc.)」が、ドイツ・ブランデンブルク州のグーベンに、リチウム製造工場を起工した。この工場は、2026年からメルセデス・ベンツ向けにバッテリー用水酸化リチウムを供給する。

15万台分の水酸化リチウムをドイツ国内で供給

ロックテック・リチウムのグーベン工場では、将来的に15万台のEVに搭載される、リチウムイオンバッテリー用水酸化リチウムが製造。大量のバッテリー用素材をドイツ国内で調達できるようになる。
ロックテック・リチウムのグーベン工場では、将来的に15万台のEVに搭載される、リチウムイオンバッテリー用水酸化リチウムを製造。これにより大量のバッテリー用素材をドイツ国内で調達できるようになる。

2023年3月27日、メルセデス・ベンツと、ドイツとカナダのスタートアップ企業「ロックテック・リチウム」社は、ブランデンブルク州グーベンに建設するリチウム工場の起工式を行った。これにより、メルセデス・ベンツはバッテリー製造パートナー企業から、直接水酸化リチウムの供給を受けられるようになる。

2022年、メルセデス・ベンツとロックテック・リチウムは、新工場で精製された高品質水酸化リチウムの供給する契約を締結。グーベン工場が本格稼働する2026年以降、1年間にフル電動モデル約15万台分に相当する水酸化リチウムが供給される。メルセデス・ベンツは、ヨーロッパにおける素材の現地調達/電動パワートレインの一貫製造にむけて、大きなステップを踏み出した。

高性能バッテリーの安定供給を確保

今回の新工場設立により、最先端・高性能なバッテリーの持続的な生産が可能になる。写真はメルセデス・ベンツのマーカス・シェーファー(右)と、ロックテック・リチウムのマーカス・ブルーグマンCEO(左)。
今回の新工場設立により、最先端・高性能なバッテリーの持続的な生産が可能になる。写真はメルセデス・ベンツのマーカス・シェーファー(左)と、ロックテック・リチウムのマーカス・ブルーグマンCEO(右)。

メルセデス・ベンツのチーフテクノロジー・オフィサーを務めるマーカス・シェーファーは、ドイツ国内でのリチウム工場新設について次のように説明する。

「メルセデス・ベンツにとって、電動モビリティへのシフトは、サプライチェーンの変化も意味します。現在、メルセデスは電動化に関して、3つの目標を掲げています。 サステナビリティ(持続可能性)の推進、原材料の安全性の確保、そして調達の現地化です」

「今回のグーベン工場の起工式は、調達の現地化における大きな一歩です。メルセデス・ベンツにとって、最先端・高性能なバッテリーの持続的な生産に向けて、新たなマイルストーンとなります。ここヨーロッパでのリチウムの供給に関して、ロックテックは将来的にメルセデス・ベンツにとって重要な役割を果たすことになるでしょう」

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