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Porsche 911 GT2 RS Clubsport
911 GT2 RS ベースのレーシングカー

911 GT2 RS クラブスポーツは、ポルシェ・モータースポーツが2019年に開発したカスタマー向けレーシングカー。3.8リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載した991型「911 GT2 RS」をベースとしている。その後、2020年からFIA GT2規定が正式導入された。
今回、GT2規定で行われる様々なレースシリーズに参戦するカスタマーチームのため、ポルシェ・モータースポーツは911 GT2 RS クラブスポーツの進化版を開発。今回のアップデートでは基本スペックには変更がなく、エアロダイナミクスの最適化、18インチ・ホイールのデザイン変更、ショックアブソーバーの変更に加えて、安全装備類の充実も図られた。
イタリア・モンツァでレースデビュー

911 GT2 RS クラブスポーツのエボキットは、ニュルブルクリンク24時間レースなど、ロングディスタンス・レースにおけるパフォーマンスアップを目的に導入する。4月22~23日にイタリア・モンツァで行われた「ファナテック・GT2ヨーロッパ・シリーズ」開幕戦で初の実戦を経験した。
ポルシェ・モータースポーツのセールスディレクター、ミハエル・ドライサーは、911 GT2 RS クラブスポーツのアップデートについて次のように説明する。
「2019年、ポルシェが911 GT2 RS クラブスポーツを導入したことで、ポルシェはモータースポーツにおけるGT2規定復活の先駆者となりました。私たちはこのカテゴリーの前向きな発展を確信しています。911 GT2 RS クラブスポーツのエボキットにより、多くのお客様がGT2規定レースでトップ争いを繰り広げられことになるでしょう」
エアロダイナミクスや効率性が大幅アップ

エボキットでは、エアロダイナミクスが大幅にアップデートされた。フロントセクションは、ブレーキ冷却用エアインテークを新設し、新形状のエプロンとフロントリッド、センター配置されたラジエーターを導入。さらに、フロントスプリッターのデザインも変更され、フロントアクスル周辺のダウンフォースレベルが向上した。
前後フェンダーをワイド化したことで、より幅広なリムのホイール&タイヤの装着が可能になった。フロントは10.5インチから12インチへ、リヤは12.5インチから13インチへと拡大。また、ショックアブソーバーのセッティングを変更したことで、タイヤの摩耗が抑えられ、安定したラップタイムを刻めるようになったという。
新デザインのサイドシルはホイール間のエアフローを最適化。リヤセクションは、大型リヤウイングのガーニーフラップ形状が変更され、前後の空力バランスが改善している。また、リヤエプロンのエアアウトレットを拡大したことで、リヤブレーキとエンジンルームへと効率的にフレッシュエアを導くことが可能になった。これにより、特に夏場のイベントにおいて、効果を発揮することになる。
オプションで設定されている「SROパッケージ」には、クイック・リフューエル・システムと強化型サイドインパクトパッドが装着される。