【上海モーターショー】「BMW i7 M70 xDrive」発売は2023年後半

BMW Mによる第3のハイパフォーマンスEV「i7 M70 xDrive」は669PSを発揮するスーパーサルーン【動画】

フル電動ハイパフォーマンス仕様「BMW i7 M70 xDrive」のエクステリア。
電動フラッグシップサルーン「i7」をベースに、電動パワートレインやシャシーを強化したハイパフォーマンス仕様「BMW i7 M70 xDrive」がデビューした。
4月18〜27日にかけて開催されている「上海モーターショー」において、BMWはフル電動フラッグシップサルーン「i7」のハイパフォーマンス仕様「i7 M70 xDrive」を公開した。i7 M70 xDriveは、7シリーズ/i7ととともに、BMWグループの電動モデルの最大拠点ディンゴルフィング工場で製造。世界市場における発売時期は、2023年後半を予定している。

BMW i7 M70 xDrive

BMWで最もパワフルなフル電動モデル

上海モーターショーで初公開された、フル電動ハイパフォーマンス仕様「BMW i7 M70 xDrive」。
BMW M社が手がけた3番目の電動ハイパフォーマンスモデル「i7 M70 xDrive」は、最高出力669PSと、BMWの電動モデル最強のパワートレインが搭載された。

BMW M社(BMW M GmbH)は、7シリーズの頂点に立つパフォーマンスモデル「i7 M70 xDrive」を開発。i7 M70 xDriveは、「i4 M50」と「iX M60」に続く、Mが冠された3番目のフル電動モデルとなり、BMWグループが展開する最もパワフルなフル電動車両として投入される。

システム最高出力669PS(485kW)・最大トルク1100 Nmを発揮する電気モーターを前後アクスルに搭載。M専用セッティングが施された強化型シャシーとMスポーツ・ブレーキを採用し、フラッグシップモデルの名に相応しいラグジュアリー感と、最高レベルのドライビングエクスペリエンスを実現した。

0-100km/h加速はBMWの電動モデル最速となる3.7秒を発揮。最高速度は電子リミッターにより250km/hに制限される。航続距離は日常レベルの使用環境を十分にカバーする、488~560 kmを確保。より効率的に充電するために設計された「コンバインド・チャージング・ユニット」を搭載し、標準で最大22 kWのAC充電、DC電源は最大195kWに対応する。高出力充電ステーションを使用すれば、わずか10分で170kmに相当する電力を充電することができる。

出力が25%も向上したリヤモーター

フル電動ハイパフォーマンス仕様「BMW i7 M70 xDrive」の走行シーン。
コンパクトなハウジングに収められたリヤの電気モーターは、BMW M社によって25%ものパワーアップを果たしている。

i7に搭載された第5世代電動パワートレイン「BMW eDrive」は、出力と効率の両方をさらに向上させるため、BMW M社によってさらに手が加えられることになった。パワートレインやパワーエレクトロニクスだけでなく、高電圧バッテリーや充電技術もi7から、大幅にアップデートされている。

i7 M70 xDriveは、フロントとリヤアクスルに統合された電動ドライブユニットを搭載。このコンパクトな電動ドライブユニットは、電気モーター、パワーエレクトロニクス、トランスミッションがひとつのハウジングにまとめている。2基の電気モーターは高度な設計技術が導入されており、従来の磁気パーツに必要とされていたレアアースの使用を完全に排除することが可能になった。

リヤの電気モーターは、これまでにないレベルのパワーウエイトレシオを達成。デュアルインバータを備えた6相設計が導入されたことで、最高出力が大幅に向上。2.41kW/kgというスペックは、従来のリヤアクスル搭載電動ドライブユニットと比較して、25.5%ものパワーアップを実現しているという。

「Mローンチ・コントロール」は、駆動制御とトラクション制御の両方を電動パワートレインのコントロールユニットに統合。これにより、電気モーターが生み出すパワーが正確に制御され、Mモデルらしいパフォーマンス特性を保ちながら、圧倒的な加速力を実現した。

「Mスポーツ・ブースト」機能は、ステアリング・ホイール左側のシフトパドルで作動。この機能をオンにするとパワーとトルクの向上に加えて、メータークラスターにパフォーマンス専用グラフィックが表示される。同時に、標準搭載された「BMW アイコニック・サウンド・エレクトリック・バイ・ハンス・ジマー」も、Mパフォーマンスモデル専用の爽快なサウンドへと切り替えられる。

航続距離を延長する「マックス・レンジ」を導入

フル電動ハイパフォーマンス仕様「BMW i7 M70 xDrive」のエクステリア。
I7 M70 xDriveの導入に合わせ、i7シリーズ全体に燃費走行に特化したドライブモード「マックス・レンジ」が追加された。

I7 M70 xDriveの導入に合わせて、i7シリーズに「マックス・レンジ(MAX RANGE)」モードが導入された。このモードでは、駆動力と最高速度が制限され、快適機能も抑えた状態で走行。これにより、航続距離を15~25%程度伸ばすことができる。

「マックス・レンジ」モードは、予定していた充電ステーションが故障している場合など、走行中に充電ができないシチュエーションを想定して開発された。モード設定を有効にすると、代替充電ポイントまで余裕をもって走行できるよう、すべての設定が変更される。車両の最高速度は90km/hに制限され、シートヒーター/シートベンチレーション/ステアリングヒーターがすべて無効になる。

コントロールディスプレイには、航続距離の伸びを示すポップアップウィンドウを表示。また、インフォメーションディスプレイは、90km/hを超えた速度メーター部分がブランクとなり、延長された航続距離が提示される。

ブラックで引き締められたエクステリア

フル電動ハイパフォーマンス仕様「BMW i7 M70 xDrive」のエクステリア。
エクステリアは、ブラックを基調とした専用エクステリアパーツを装着しており、ラグジュアリーサルーンでありなら、ハイパフォーマンス仕様に相応しいスポーティなエクステリアが完成している。

i7 M70 xDriveは、ツインストーク・デザインが特徴となるMエクステリア・ミラー、Mバッジ付きBMWキドニーグリル、ディフューザー付き専用リヤエプロン、フロントサイドパネルに配置された「M」ロゴなど、Mモデルであることをアピールするエクステリアを採用した。

オプションの「Mパフォーマンス」パッケージ装着車は、i7シリーズ初となる「ブラック・ハイグロス・フィニッシュ・グリル・サラウンド」が組み合わせられる。これにより、フロントセクションは、明るく照らされた輪郭と、グリルサラウンドの暗い輝きが、絶妙なコントラストを生み出し、フラッグシップモデルとしての強力な存在感をアピールする。

Mバッジを配した「BMWキドニーグリル」は、ブラックのハイグロスサーフェスで縁取られており、ダイナミックなキャラクターをより強調。フロントエプロンの外側にはボディカラーでペイントされた大型エアガイド・エレメントが装着されており、フロントのエアカーテンへと最適にフレッシュエアを導く効果が与えられている。

リヤセクションにはディフューザー付き専用エプロンを配置。「Mパフォーマンス」パッケージは、ブラックペイントされた「Mリヤ・スポイラー」「テールライト・ブラック・アクセント・ストリップ」「リヤエプロン専用インレイ」が装着される。

ドライビングの楽しさを強調したインテリア

フル電動ハイパフォーマンス仕様「BMW i7 M70 xDrive」のインテリア。
ラグジュアリーな7シリーズのインテリアをベースに、スポーティなBMW M専用コンポーネントを装着。BMWカーブド・ディスプレイには、M専用コンテンツが導入されている。

インテリアは、ドライビングの楽しさを強調した、M専用コンポーネントを標準装備。イルミネーション付きMドアシル、Mメリノ・レザートリム(ブラック/アトラス・グレー)、Mレザー・ステアリングホイール、Mドライバーズ・フットレストに加えて、BMWカーブド・ディスプレイにはM専用コンテンツも導入された。

インフォテインメントシステムは「BMWオペレーティング・システム8」のアップグレード仕様が搭載された。BMWカーブド・ディスプレイには、BMW M社の高性能モデルのコクピットを思わせる、専用グラフィックとフォントを採用。インフォメーションディスプレイのスピードメーターは、スポーティな「プラチナ/シルバー」カラーで表示される。

BMW i7 M70 xDriveを動画でチェック!

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