「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」が日本導入開始

「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」が日本導入「最高出力585PSの4.0リッターV8ツインターボを搭載して2890万円」

メルセデスAMGのラグジュアリーロードスター「SL」に、専用の足まわりや高性能4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載した「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」が追加された。
メルセデスAMGのラグジュアリーロードスター「SL」に、専用の足まわりや高性能4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載した「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」が追加された。
メルセデス・ベンツ日本は、ラグジュアリーロードスター「SL」のハイパフォーマンス仕様「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」の日本導入をスタート。また「SL 43」の装備を一部見直し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じて発売を開始した。

Mercedes-AMG SL 63 4MATIC+

SLに待望のハイパフォーマンス仕様が登場

2022年に発表された新型SLのラインアップに、ハイパフォーマンス仕様の「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」の導入が開始された。
2022年に発表された新型SLのラインナップに、ハイパフォーマンス仕様の「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」が導入された。

「Super」と「Light」の頭文字を取った名称の「SL」は、公道を走行できるレーシングスポーツカーとして1952年に発表され、ル・マン24時間レースで1-2フィニッシュを飾ったほか、世界各地のレースで輝かしい戦績を重ねた。

その初代300 SLの誕生から70年を迎えた2021年、メルセデスAMGによる完全自社開発モデル新型「SL」がデビューを飾った。今回、日本導入が開始される「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」は、SL専用の高剛性プラットフォームによる、優れたドライビングパフォーマンスを発揮。最高レベルの快適性を兼ね備えたドライバビリティ、2+2シートレイアウト、そしてAMG製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンがもたらす、パワフルなドライビングを楽しむことができる。

フロントとリヤには高い動力性能を表現したスポーティなデザインを採用。オプションの「AMGカーボン・パッケージ」を選択すると、フロントスポイラーやサイドエアインテーク、サイドスカートトリム、リヤディフューザートリムなどに、カーボンファイバー製コンポーネントが装着され、足元にはマットブラックペイントの21インチAMG10ツインスポーク・アルミホイールが奢られる。

インテリアはアナログとデジタルを融合した「ハイパーアナログ」デザインを採用。300 SLのデザインをオマージュしながらも、ラグジュアリーで快適な空間を実現している。また、「AMGカーボンファイバー・インテリアトリム」がオプションとして用意された。

「M177」4.0リッターV8直噴ツインターボを搭載

SL 63 4MATIC+は、AMG社が独自開発した4.0リッターV型8気筒「M177」直噴ツインターボエンジンを搭載。最高出力は585PSという、ハイパワーを実現した。
SL 63 4MATIC+は、AMG社が独自開発した4.0リッターV型8気筒「M177」直噴ツインターボエンジンを搭載。最高出力は585PSという、ハイパワーを実現した。

「SL 63 4MATIC+」はメルセデスAMG社が完全自社開発した、最高出力585PS(430kW)、最大トルク800Nmを発揮するAMG4.0リッターV型8気筒「M177」直噴ツインターボエンジンを搭載。砂型鋳造されたクローズドデッキのアルミニウムクランクケースに、鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせることで、軽量かつ高強度なエンジンを実現した。

シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングする「NANOSLIDE」摩擦低減加工を施したことで、フリクションロスを低減。さらに、燃料を効率的に消費するために「Comfort」モードでの走行中、エンジン回転数が1000〜3250rpmの低負荷時、2/3/5/8番の4気筒を休止することで、燃料消費量とCO2排出量を抑えることができる「AMGシリンダーマネジメント」も搭載している。

ターボチャージャーは2基搭載。この2基のターボチャージャーはV型シリンダーバンクの外側ではなく内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトを採用。また、搭載されるタービンはレスポンスをさらに改善する狙いから、ツインスクロール・ターボチャージャーとした。

ハウジングが2基に分割され、並行する「フローチャンネル」とされた他、これに合わせてエキゾーストマニホールドのダクトも2本を配置され、排気をタービンホイールまでふたつの経路に分離して導くことができる。一方のダクトには、同一シリンダーバンクの1番目および2番目のシリンダーからの排気が、もう一方のダクトには3番目と4番目のシリンダーからの排気がそれぞれ供給される。

これによりシリンダー間の排気干渉を防いでガスサイクルが改善。排気の背圧が低減され、ガス交換が改善される。その結果、出力の増強(新たな混合気によるシリンダー充填が改善することによる)、低速トルクの増強、そしてより、素速いレスポンスが実現した。

広範囲な改良が施された「M177」エンジン

新型SLへの搭載を受けて、インタークーラーの搭載位置が変更され、新型オイルパンやアクティブクランク・ベンチレーションシステムが採用された。
新型SLへの搭載を受けて、インタークーラーの搭載位置が変更され、新型オイルパンやアクティブクランク・ベンチレーションシステムが採用された。

SL 63 4MATIC+に搭載される「M177」エンジンの特長は、重量を最適化したピストンの採用や、エアインテークとインタークーラーシステムの改良、広範な新開発ソフトウェアが導入された。ピエゾインジェクターとスプレーガイド式ガソリン直噴燃焼システムに加え、100%アルミニウムのクランクケース、可変カムシャフトを採用した4バルブ方式、水冷式インタークーラー、ジェネレーター管理、ECOスタートストップ機能、セーリング機能などは、先代モデルからそのまま受け継がれている。

「M177」エンジンは、新型SLに搭載されるにあたり、インタークーラーの搭載位置を変更し、新しいオイルパンとアクティブクランク・ベンチレーションシステムが採用された。吸気ダクトと排気ダクトは最適化され、ガス交換効率がさらに向上している。また、触媒コンバーターボックスとガソリンエンジン用粒子状物質除去フィルターに対する排気流路が拡大。今回の出力増強は、主にブースト圧の引き上げと気流の増大、エンジンソフトウェアの変更によって実現した。

エンジンと車体との接続部には磁性流体の可変マウント「AMGダイナミック・エンジンマウント」を採用。各種センサーからの情報によりドライビングの状況を検知し、マウントの硬さを自動で調整する。通常走行時は柔らかいマウントにより、ドライブトレインからのノイズと振動を効果的に遮断、快適性を高める。ダイナミックなドライビング時にはマウントを硬くすることで、ドライブトレインのロールモーションを減少し、クイックなコーナリングを実現した。

70年の歴史で初めて4輪駆動を採用

SL 63 4MATIC+は、SLとしては初めて4輪駆動を採用。駆動トルクの前後配分比を無段階で連続的に変化させる「4MATIC+」を標準装備する。
SL 63 4MATIC+は、SLとしては初めて4輪駆動を採用。駆動トルクの前後配分比を無段階で連続的に変化させる「4MATIC+」を標準装備する。

SL 63 4MATIC+には、SL70年の歴史の中で、今回初めて4輪駆動を採用。AMGのパフォーマンス志向の連続トルク可変配分式四輪駆動システム「4MATIC+」を標準装備する。

このシステムは、異なる駆動方式の利点を兼ね備えており、駆動トルクの前後配分比を無段階で連続的に変化させることで、物理的限界まで最適なトラクションを確保。ドライ、ウエット、スノーといったあらゆる走行条件下で高い操縦安定性と安全性が確保された。

ギヤボックスは、特別なチューニングが施された、AMG製スピードシフトMCT9速トランスミッション(MCT=マルチ・クラッチ・トランスミッション)を搭載。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを導入し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現している。

トルクコンバーターに見られる損失を低減し、軽量化も実現したことでレスポンス向上に貢献。シフトダウン時の自動ブリッピング機能やレーススタート機能によって、ダイナミックな走りも楽しむことができる。

さらに、高速走行時などにアクセルから足を離すと、エンジンとトランスミッションを切り離して燃料消費を抑えるセーリング機能を採用。燃費を優先する「Comfort」、よりスポーティなドライビングが楽しめる「Sport」「Sport+」「RACE」、滑りやすい路面を安全に走行する「Slippery」、様々なパラメーターを個別に設定できる「Individual」という、6つのドライブモードが用意された。

また、シフトダウン時に1速飛ばしたギヤを選択したり、自動ダブルクラッチ機能など、効率良くギアチェンジを行う。

新開発の「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」

「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」のエクステリア。
足まわりには、メルセデスAMGの量産車としては初めてマルチリンク式差スペションを採用し、大幅な運動性能向上を実現した。

SL 63 4MATIC+のフロントには、メルセデスAMGの量産車としては初めて5本のリンクをホイールの内側にすべて収めた「マルチリンク式」を採用し、運動性能が大幅に向上。ホイールをコントロールする部分とサスペンション機能を受け持つ部分を相互に独立させることで、高い横加速度を可能としながら、ステアリングシステムに対する駆動力の影響を最小限に抑えた。リヤサスペンションにも5リンク式が採用されている。

サスペンションには、新たに開発された「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」サスペンションを採用。こちらもメルセデスAMGの量産モデルとしては初搭載となる。トーションバー(スタビライザー)を利用した従来の機械的なアンチロールバーに代えて、能動的な油圧機構を採用したことで、ロールを瞬時に補正することが可能になった。

これを実現するため、アダプティブダンパーも2基の油圧接続を導入。一方はダンパーの縮み側に、もう一方は伸び側にあり、全4輪のダンパーチャンバーとラインの接続は、アダプティブダンパーのコントロールバルブを介してなされる。

4基のサスペンションストラットを相互に油圧接続し、ポンプとスイッチングバルブに対して圧力調整を行うことで、非常に広いロールレートの確保と同時に、ロール動作の低減が可能になった。これにより日常走行では、片側に凹凸があっても個別に補正されるため、快適性が向上。また、ダイナミックなコーナリング時には、油圧装置によりキャンバーの減少が能動的に抑制される。高いキャンバー安定性が得られることで、非常に正確なコーナリングが可能になった。

SL 43の標準装備やオプションを変更

日本市場に先行導入された「SL 43」は、「メモリーパーキングアシスト」の標準搭載など、装備の一部が見直されている。
日本市場に先行導入された「SL 43」は、「メモリーパーキングアシスト」の標準搭載など、装備の一部が見直されている。

すでに日本市場に導入されていた「SL 43」は、新たに「メモリーパーキングアシスト」が標準装備された。これは、所定のA地点(自宅駐車場など)と、B地点(乗降場所など)のルートを車両に記憶。車両が区間の移動と駐車を行う。ルート上に障害物を検知すると、この機能は停止する。

また、新デザインのボンネットエンブレムを採用。新たにヒマラヤグレーペイントの21インチ・AMG10ツインスポークアルミホイールと、内装色「クリスタルホワイト/ブラック(ナッパレザー)が有償オプションとして、導入されている。

車両本体価格(税込)

メルセデス AMG SL 43(BSG搭載モデル):1700万円

メルセデス AMG SL 63 4MATIC+:2890万円

【問い合わせ】
メルセデス・コール
TEL 0120-190-610

【関連リンク】
・メルセデス・ベンツ 公式サイト

ボディ各部にF1マシンをイメージした、ペトロナス・カラーがコントラストカラーで入れられたモータースポーツ コレクターズ エディション”。

メルセデスAMG SL 63 4MATIC+の限定車「モータースポーツ コレクターズ エディション」はF1マシンをイメージ

ハイパフォーマンスロードスター「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」をベースに、F…

メルセデスAMGにより独自開発され、2+2レイアウトを採用した新型「メルセデス AMG SL」。

メルセデスAMGによって完全自社開発された新型「メルセデスAMG SL」が日本発売開始

メルセデス・ベンツ日本は、メルセデスAMGによって完全独自開発された新型ロードスター「メルセ…

キーワードで検索する

著者プロフィール

GENROQweb編集部 近影

GENROQweb編集部