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FEの新時代、前半戦を制したポルシェ

出走する22台のマシンは、今シーズンから「Gen3」と呼ばれる第3世代に進化した。各チームがワンメイクのシャシーに独自開発のパワーユニットを搭載する。タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームのパスカル・ウェーレインとアントニオ・フェリックス・ダ・コスタは、ポルシェ 99X エレクトリックを載せたマシンで今シーズンに臨んでいる。
アメリカを拠点とするアバランチ・アンドレッティ・フォーミュラEも同じポルシェ製パワーユニットを使用しており、ジェイク・デニスと日本でもおなじみのアンドレ・ロッテラーがステアリングを握る。
今シーズンは、1月にメキシコで行われた開幕戦でデニスが優勝。サウジアラビアの第2戦と第3戦ではウェーレインが連勝を果たした。第5戦の南アフリカ戦でダ・コスタがトップでチェッカーフラッグを受けるなど、ポルシェ 99X エレクトリックは4勝を挙げている。
伝統のモナコを走るフォーミュラE


フォーミュラEのレースのため、モンテカルロ市内の道路は1日だけ閉鎖される。カラフルな植木鉢や駐車場、交通標識が撤去されると、高層ビルや高級ブティックの間に世界で最も豪華な雰囲気を醸し出すレーストラックが出現する。コンクリートブロックとフェンスで囲まれたコースには、ランオフエリアがほとんどない。
完璧なラップを刻むために、ドライバーはリスクを冒してコースの隅々まで使い切らなければならない。サン・デボーテ、カジノ、ミラボーといった伝説的なコーナーや、港にあるトンネルをハイペースで駆け抜けてトップを目指す。
ポルシェは、ドライバーおよびチーム選手権首位でシーズン後半をスタートする。トップのウェーレインは100ポイントで、96ポイントのニック・キャシディとジャン・エリック・ベルニュ(81ポイント)が続く。デニスが80ポイントで4位、ダ・コスタは6位、ロッテラーが13位につけている。
チームランキングではこれまで168ポイントを獲得し、エンビジョンレーシング(153ポイント)とジャガーレーシング(138ポイント)を抑えてトップに立っている。サテライトチームのアバランチ・アンドレッティも、103ポイントの5位から上位進出を狙う。