「アウディ RS Q e-tron」が2023年ダカールにおけるトラブル検証テスト

ダカール2024に向け「アウディ RS Q e-tron」がサウジアラビアで2500km以上テスト走行

2024年の総合勝利に向けて、電動パワートレインを搭載する「アウディ RS Q e-tron」が、サウジアラビアの悪路を舞台に2568kmの距離を走破した。
2024年の総合勝利に向けて、電動パワートレインを搭載する「アウディ RS Q e-tron」が、サウジアラビアの悪路を舞台に2568kmの距離を走破した。
チーム・アウディ・スポーツは、惨敗に終わった2023年ダカール・ラリーを受けて、2024年に向けた「アウディ RS Q e-tron」のタイヤとサスペンションの分析テストを実施した。5月にサウジアラビアで行われた最終テストにはカルロス・サインツ、ステファン・ペテランセル、マティアス・エクストロームら、全クルーが参加している。


Audi RS Q e-tron

惨敗に終わった2023年のダカール

5月第3週目にサウジアラビアで行われた数日間の検証テストには、3名のファクトリードライバー、カルロス・サインツ、ステファン・ペテランセル、マティアス・エクストロームが参加。最高気温42℃、繰り返し吹く強風に見舞われる厳しいコンディションのなか、アウディ RS Q e-tronはトータル2568kmの距離を走破している。

2022年12月31日から2023年1月15日にかけて、サウジアラビアを舞台に開催された2023年のダカール・ラリー。電動パワートレインを搭載する「アウディ RS Q e-tron」で2年目のダカール挑戦となったアウディは、厳しい戦いを強いられることになった。サインツとペテランセルはリタイア、エクストロームも4輪部門14位に終わっている。

アウディ RS Q e-tronは、過酷な環境下において電動パワートレインが想定した性能を発揮しながらも、タイヤや足まわりのトラブルに泣かされたことを受け、1月のイベントフィニッシュ後に、チーム・アウディ・スポーツは精力的な検証テストを実施。5月には本番が行われたサウジアラビアのテストを行い、今回のトラブルに関する原因究明を完了した。

アウディ・モータースポーツを率いるロルフ・ミヒェルは、今回のテストについて次のように説明する。

「アウディ RS Q e-tronは、トップを争えるポテンシャルを持っていると理解しています。実際、ステージタイムの結果が、それを証明しているでしょう。だからこそ、今回のダカールでタイヤの不具合やその他の問題で後退したことが、腹立たしかったのです。来年までに、その解決策を見つけなければならないと、我々は考えました。体系的に計画されたテストにおいて、様々なデータを取得することができました」

トラブルの状況をサウジアラビアで再現

タイヤトラブルの原因を究明すべく、サウジアラビアのステージを走行する「アウディ RS Q e-tron」。
1月のラリー本番で頻発したタイヤトラブルの原因を究明すべく、BFグッドリッチのサポートで、その時のコンディションが再現された。

このテストでは、ダカール・ラリーの公式タイヤサプライヤーであるBFグッドリッチが、2種類のタイヤを用意。性能比較と1月のトラブルの再現が試みられ、対策が練られている。まず、13km弱のグラベルコースにおいてアウディ RS Q e-tronが走行を繰り返し、様々なデータを取得。その後、約110kmの石畳のコースでは耐久性やダメージ測定が行われた。このテストでは、シャシーが荒れた路面でも安定して走行できるよう、ショックアブソーバーのセッティング調整も実施されている。

チームディレクターを務めるスヴェン・クワントは、以下のようにテストを振り返った。

「今回のテストのメニューはかなりハードでしたが、アウディ・モータースポーツは完璧にサポートしてくれました。走行中にタイヤの不具合を再現できたことで、1月に悩まされた状況を正確に分析できたと考えています。タイヤと密接に関係しているサスペンションのセッティングについても、貴重な知見を得ることができました。100%の解決には至っていませんが、間違いなく正しい道を進んでいると断言します」

実戦デビューに向けてテストを続ける、ラリーレイド用電動プロトタイプバギー「アウディ RS Q e-tron E2」。

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