3列シート+航続距離400km超の“使える”コンパクトEV

メルセデス・ベンツ GLBのEV仕様に注目! 電気で400km以上走れる超実用派の小型SUV 【IAAモビリティ レポート】

メルセデス・ベンツ EQBのフロントビュー
メルセデス・ベンツ EQBのフロントビュー。(photo=山本圭吾)
メルセデス・ベンツは2021年9月7日〜12日に開催された「IAA モビリティ 2021」で、新型のピュアEV「EQB」を展示した。発表以来、売れに売れている「GLB」のピュアEVバージョンで、航続距離は400km超を実現。2021年10月から生産をスタートする。

Mercedes-Benz EQB

IAAといえばメルセデスのブース

メルセデス・ベンツ EQBのリヤビュー
2021年9月7〜12日に開催された「IAAモビリティ 2021」のメルセデス・ベンツで公開されたEQB。最近のヒット作、GLBのピュアEVバージョンといえるモデルだ。(photo:山本佳吾)

今年から会場をミュンヘンへ移転し、名称を「IAAモビリティ」と改めた旧フランクフルトモーターショー。ドイツ自動車工業界(VDA)主催で2年に1度開かれる自動車の大祭典は、徹底した感染予防対策のもと、装いも新たにオンラインとリアルのハイブリッドイベントとして開催された。

「What will move us next?(次に私たちを動かすものは何か)」をモットーに行われた今回のショーでは、“ラストワンマイル”を繋ぐ小型モビリティから自動運転技術を搭載したロボタクシー、100%リサイクル可能なコンパクトカーなど、次世代を見据えた先進的な乗り物の数々が一堂に会した。

フランクフルト時代から、IAA最大の見どころといえるのがメルセデス・ベンツブース。壮大なスケールで作り込まれた独特の展示世界は、常に説得力をもって「これまで自動車が進んできた道」から「これから自動車が向かう道」を具体的に来場者に見せつけてきた。

GLBのピュアEV版、EQBを展示

メルセデス・ベンツ EQBのフロントビュー
メルセデス・ベンツ EQBは、GLBの優れたパッケージングをそのまま踏襲。3列目の2座は身長165cmまでの乗員に対応する。

そんなメルセデスのブースを今回埋め尽くしたのがピュアEVモデルの数々。「EQ」を冠する電気自動車をコンパクトSUVから大型バンまで隙間なく取り揃え、メルセデスの電動化時代に向けた“本気”をアピールした。

今回IAAのブースに展示したEVファミリーの中のひとつ「EQB」は、メルセデスの新しい基幹車種として好調な売り上げを記録している「GLB」のピュアEV版。GLBは全長4.6mの扱いやすいボディサイズに、最大7人が乗れる3列シートを詰め込んだ機能的なレイアウトがウケにウケている。

サイズも使い勝手もGLB同等

メルセデス・ベンツ EQBのコクピット
メルセデス・ベンツ EQBのコクピット。メルセデス製EVは、操作系を内燃機関モデルとあえて共通化。電気自動車といっても、さほどの違和感なく使うことができる。

そんな人気モデルのEV版として発売予定なのがEQB。すでに販売をスタートしているEQA(GLAのEV版)の兄貴分ともいえるモデルは、GLBのもつ魅力(開放的で明るいキャビン、使いやすい荷室、取り回し性に優れたサイズ感)はそのままに、最大航続距離400km以上の性能を誇るピュアEVとして登場した。

ボディサイズは全長4684×全幅1834×全高1701mm(7シーターの全高は1706mm)、ホイールベースが2829mmと、GLBとほぼ同値。そこに、容量495〜1710リットル(同465〜1620リットル)の広大で使いやすい荷室を組み合わせる。ちなみに内燃機関を搭載するGLBの荷室容量は570〜1805リットルで、大型のバッテリーを搭載してもなお、GLBとほとんど同レベルの使い勝手を確保している。

まずは4輪駆動モデルから投入スタート

メルセデス・ベンツ EQBのフロントシート
メルセデス・ベンツ EQBはまず全輪駆動モデルの「300」と「350」から導入をスタート。最大航続距離は419kmを実現する。

2列目シートはバックレスト角の調整はもちろん、前後に140mmのスライドも可能(オプション)。3列目の2座は身長165cmまでの乗員を対象にしており、チャイルドシートを装着することもできる。

まずは4輪駆動の「EQB 300 4マティック」(最高出力168kW/最大トルク390Nm)と「EQB 350 4マティック」(同215kW/520Nm)から導入をスタート。いずれも容量66.5kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTPモードによる航続距離は419km。追って前輪駆動モデルや、より航続距離の長い仕様を追加する予定という。

EQBは最大100kWの急速充電に対応しており、10〜80%までの充電を32分で完了、15分の急速充電で約140km分の航続距離を稼ぐことができる。

2021年末には欧州と中国で発売

メルセデス・ベンツ EQBのリヤビュー
メルセデス・ベンツ EQBは2021年10月よりハンガリーのケチケメート工場で生産を開始。2021年末には、まず欧州と中国で販売をスタートする。

EQBの欧州仕様はハンガリーのケチケメート工場で生産される最初の電気自動車となる。ケチケメート工場ではこれまでにCLA/CLA シューティングブレークのプラグインハイブリッド(PHEV)モデルを生産。将来的にはドイツ・ラシュタット工場に加えて、AクラスのPHEV仕様もケチケメートで生産される予定だという。なお、中国市場向けのモデルに関しては北京製となる。

EQBの生産は2021年10月にスタートし、2021年末より欧州と中国から販売を開始。2022年には北米マーケットへの導入も予定している。現時点(2021年9月)において、日本での展開については言及されていない。

PHOTO/山本圭吾(Keigo YAMAMOTO)、メルセデス・ベンツ

【SPECIFICATIONS】
メルセデス・ベンツ EQB 300 4マティック(欧州仕様)
ボディサイズ:全長4684 全幅1834 全高1701mm
ホイールベース:2829mm
車両重量:2175kg
バッテリー容量:66.5kWh
最高出力:168kW
最大トルク:390Nm
サスペンション:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
駆動方式:4WD
0-100km/h加速:8秒
最高速度:160km/h
航続距離(WLTP):419km

メルセデス・ベンツ EQB 350 4マティック(欧州仕様)
ボディサイズ:全長4684 全幅1834 全高1701mm
ホイールベース:2829mm
車両重量:2175kg
バッテリー容量:66.5kWh
最高出力:215kW
最大トルク:520Nm
サスペンション:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
駆動方式:4WD
0-100km/h加速:6.2秒
最高速度:160km/h
航続距離(WLTP):419km

著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…