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2030年を目標にカーボンニュートラルを達成
4月に開催された「#Project1Hour」キックオフデイ以来、フォルクスワーゲン・グループは、従業員の行動と意識向上に重点を置いた環境プロジェクト「#GoToZero」を推進してきた。その中で、ベントレーは2030年までにビジネス全体でカーボンニュートラル達成するという「ビヨンド100」の目標に焦点を当てている。
9月の第1周目に行われた、従業員に向けた1週間の教育プログラムは、従業員が自身の二酸化炭素排出量をより深く理解し、個人でも社員としても行動を変化できるよう意図されている。またアクティビティとして「エクストラオーディナリートーク(Extraordinary Talk)」と銘打った講演会も実施。社内にカーボンニュートラル専門チームによる、ベントレーの取り組みについての質疑応答などが行われた。
物流におけるプラスチック包装を大幅に削減
具体的な取り組みとしては、4月から行われている「Go Paperless(ペーパーレス)」と「Power Down(節電)」に加えて、プラスチック使用削減プログラムも新たにスタートした。
たとえば、世界的な物流企業「シーバ・ロジスティクス(CEVA)」社の協力により物流の状況をチェックしたところ、燃料システムやブレーキ製造ラインにおいて部品を梱包するプラスチック包装を大幅に削減できる可能性が判明した。今年の初めに行われた同様のシミュレーションでは、1日あたり1000m以上のシュリンク包装を削減し、出荷時の保護包装も13品目から6品目にまで減らしている。
従業員の移動も環境問題においては重要なポイントとなる。より多くの社員に自転車通勤を奨励するため、ベントレーでは社内に自転車修理ステーションを設置。さらに、従業員駐車場の屋根をソーラーパネルで覆ったほか、この駐車スペースに社員専用の無料充電ステーションを新設した。これは社用車制度を活用し、アウディ e-tronやフォルクスワーゲン ID.3などEVの購入が可能になったため、充電ステーションへの需要が高まったことに対する措置となる。
地元地域に向けた様々な貢献も推進
ベントレーは、地元地域においても環境問題に関する取り組みを推進している。ベントレーの物流チームは「#GoToZero」期間に合わせて多様な活動プログラムを用意。この中には、地元の子供たちに向けたクイズやアイデアコンテスト、プラスチックや紙類の使用削減チャレンジ、ゴミ拾い、地元のフードバンクへの寄付などが含まれている。
また、2021年の夏の初めには、5600平方メートルのエリアに「ビーボム(蜂の爆撃)」を行い、ミツバチの自然生息地を大幅に増やしている。ベントレーモーターズの製造部門担当取締役、ピーター・ボッシュはこれらの環境問題に対する取り組みについて次のようにコメントした。
「フォルクスワーゲン・グループが進める『#GoToZero』は、私たちのビジネスにおけるカーボンニュートラルに向けた取り組みを、盛り上げるためのプログラムになります。さらに、ベントレーが独自に廃棄物の削減、リサイクル・資源効率の向上を推進。持続可能なラグジュアリー自動車メーカーのリーダーとなることを目指しています」
「それぞれの従業員は、変化をもたらす重要な触媒となります。彼らの洞察力を活用し、互いにネットワークを広げて学びの機会を提供することで、内側からさらなる進歩を促すことができるのです。この活動が創造性と関心を生み出しているのを見るのは素晴らしいことです。私たち役員も独自のワークショップを開催してプログラムを見直し、『ビヨンド100』を加速させる取り組みに参加しています」
「ベントレーの環境問題への取り組みは、6月に2番目のハイブリッドモデルであるフライングスパー ハイブリッドを発売したことでさらに加速しています。私たちは2025年には初のフルEVモデルを投入し、2026年にはEVとハイブリッドのみを供給、2030年にはEVのみをラインナップするという目標を掲げています。そこに至るまでにはまだ多くの課題があるのも確かです。ただ、今回、ベントレーの仲間たちが示した情熱、創造性、コミットメントが、私たちの旅の成功につながると確信しています」