現行ゴーストが110年前のシルバーゴーストをエスコート

速度記録実験車「ロールス・ロイス シルバーゴースト1701」、優勝した110年前のタイムトライアルを再現

1911年のロンドン~エディンバラ・トライアルを「ロールスロイス シルバーゴースト1701」が再現
ロンドン~エディンバラ・トライアルを再現したロールスロイス シルバーゴースト1701
20ゴースト・クラブが保有する「ロールス・ロイス シルバーゴースト1701(Rolls-Royce Silver Ghost 1701)」が、1911年のロンドン〜エディンバラ間のトライアル走行を再現。かつての歴史的偉業が、21世紀に蘇った。

Rolls-Royce Silver Ghost 1701

「20ゴースト・クラブ」が歴史的偉業を再び

1911年のロンドン~エディンバラ・トライアルを「ロールスロイス シルバーゴースト1701」が再現
20世紀初頭に行われたロンドン~エディンバラ・トライアルを、1940年以前のロールス・ロイスを保存するオーナーズクラブ「20ゴースト・クラブ(20‑Ghost Club)」が再現した。

ロールス・ロイス シルバーゴースト1701は、20世紀初頭に速度記録実験車として開発。1911年に初めて開催されたロンドン~エディンバラ間のタイムトライアルで、799マイルをトップギヤのまま駆け抜け、優勝を達成している。今回、1940年以前のロールス・ロイスを保存するオーナーズクラブ「20ゴースト・クラブ(20‑Ghost Club)」が、このトライアルレースを現代に蘇らせた。

ロールス・ロイス・モーター・カーズのヘッド・オブ・コーポレーションのアンドリュー・ボールは、今回の試みについて次のように説明した。

「このシルバーゴーストは、ロールス・ロイスの中でも最も有名な1台と言ってもいいでしょう。スピード、信頼性、耐久性を競う初期のトライアルレースで成功を収めたことで、ロールス・ロイスは“世界最高のクルマ”という評価を得たのです。1911年のロンドン〜エディンバラ・トライアルで優勝したことは、シルバーゴースト1701にとって画期的な出来事となりました」

「今や貴重なコレクションとなったシルバーゴースト1701が、110年後に再びこの挑戦を成し遂げることができたのは、その卓越したエンジニアリング、素材、製造品質を証明しています。そして、私たちの友人である『20ゴースト・クラブ』の皆様に、この素晴らしい偉業を達成したことを心よりお祝い申し上げます」

1911年に驚異的な記録を達成したシルバーゴースト

1911年のロンドン~エディンバラ・トライアルを「ロールスロイス シルバーゴースト1701」が再現
自動車の黎明期に行われた長距離トライアル走行において、シルバーゴーストは驚異的な速度記録と燃費記録を叩き出している。

ロンドン~エディンバラ・タイムトライアルにおいて、シルバーゴースト1701が叩き出した平均速度19.59mph(31.52km/h)は当時としては非常にインパクトのある記録であり、さらに前代未聞ともいえる24mpgの燃費記録も樹立。mpg(マイル・パー・ガロン)は、1ガロンあたりの走行距離を示す単位で、シルバーゴースト1701は、3.79リットルのガソリンで38.6kmを走行した。

特別な改造が施されていないことを証明するため、トライアル直後に行われたハーフマイル(800m)の速度試験では78.2mph(125km/h)を記録。さらにサリー州ブルックランズ・サーキットで行われたテストでは、ロールス・ロイスとして初めて100mph(160km/h)を突破している。

今回のトライアルでは、1911年のイベント当時の状況を可能な限り忠実に再現。今や貴重なコレクターズアイテムとなった登録番号「R-1075」のロールス・ロイス シルバーゴースト1701が使用された。

2021年9月5日午後6時、初代トライアルを監督した王立自動車クラブ(Royal Automobile Club)の本部があるポール・モールをスタートし、旧グレート・ノース・ロードをできるだけ忠実に再現したルートでエディンバラへと向かった。また、走行中は110年前と同じように、ギヤはトップにロックされている。

同時代の9台と最新のゴーストが随伴

1911年のロンドン~エディンバラ・トライアルを「ロールスロイス シルバーゴースト1701」が再現
ロンドンからエディンバラへの行程では、最新型のゴーストがヒストリックカーたちをエスコートした。

今回のトライアルには、20ゴースト・クラブに所属する同年代の9台のロールス・ロイス シルバーゴーストが随伴し、華やかさを演出した。さらに、グッドウッドのロールス・ロイス本社で製造されたテンペストグレーの真新しいゴーストが、エディンバラまでの道のりをエスコートしている。

エディンバラでのフィニッシュ後、翌日の9月6日にはロールス・ロイス・モーターカーズ・エディンバラにおいて、盛大なレセプションパーティーが行われている。

「シルバーゴースト1701は、ロールス・ロイスの歴史において、特別な位置を占めています。110年前とまったく同じ性能が維持されたクルマは、そうそうありません。この特別な1台を設計し、デザイン・製造した先人たちへの素晴らしいトリビュートとなりました。私たちは、彼らの仕事を引き継ぎ、彼らの価値観を今日のロールス・ロイスの車両に反映できることを誇りに思います」と、ボールは付け加えた。

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