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2030年のホンダ車は5台に2台がBEV
三部敏宏社長の就任1周年を迎えたこともあって、21年4月の社長就任会見でぶち上げた「2040年にカーボンニュートラルを実現する」という目標に向けての具体策が示された。
ここでは、BEV開発の今後のロードマップについてお伝えする。
まず、BEVの車種数は2030年までに30車種をグローバルで投入する。2030年時点でのBEVの生産台数は200万台を計画している。ホンダの世界生産を500万台とすると、2030年では5台に2台がBEV(その他はハイブリッド)になるというわけだ。
BEV開発でもっとも重要な電池については、調達体制を強化する。ホンダは200万台のBEVに必要なバッテリーの量を160GWhと想定している。
北米:GMから「Ultium」バッテリーの調達
GMとは別の企業との合弁の設立を検討
中国:CATL(寧徳時代新能源科技)
日本:2024年前半に投入する軽のBEVには、エンビジョンAESCグループ(中国系のメーカー。元は日産とNEC、NECトーキンが作ったAESC)製のバッテリーを搭載する
また次世代革新電池として「全固体電池」の開発も進めている。現在はラボレベルの検証は完了しており、今後は栃木県さくら市に430億円を投資してパイロットラインを設ける計画だ。
この説明会で明らかになったホンダのBEVの今後のスケジュールは
2024年前半:日本国内に商用の軽BEVを投入
商用を皮切りにインフラ全体の再生可能エネルギーの普及状況などもみながらパーソナル向け軽BEV、SUVタイプのBEVも適時投入。軽のBEVはNシリーズをBEV化することで商用タイプは100万円台での販売を目指す。
2024年:北米でGMと共同開発している中大型クラスのBEVを投入。ホンダブランドは「プロローグ」、アキュラブランドも1モデル投入。
2025年:ソニーと協業する新会社によるBEVを投入。これはホンダブランドとは別のものになる。
2026年:ホンダが開発する「Honda e:アーキテクチャー」を使ったBEVを投入。Honda e:アーキテクチャーはBEVのハードとソフトウェアのプラットフォームを組み合わせたもので、バッテリーをはじめとしたBEVハードウェアプラットフォームとクルマの機能を後から進化させるために必要なOTA(Over The Air=無線によるソフトウェアの更新)の基盤となる次世代電子プラットフォームを組み合わせた新しいBEV用のプラットフォームを使ったBEVだ。
2027年以降:GMのUltium(アルティウム)プラットフォームを使った中型BEVの投入。これはコストや航続距離で従来のガソリン車と同等レベルの競争力を持つ量販価格帯のBEVだという。
まとめると、ホンダは3つの電動車プラットフォームを用意する戦略だ。
大型:Honda e:アーキテクチャー
大型:Ultiumプラットフォーム
中型:Ultium(中型)
それからアジア展開を視野に入れた小型BEV用のプラットフォームも準備するようだ。
BEVのスポーツモデルも!
三部社長は「FUNな方向性も忘れていない」ということで、2モデルのシルエット(ベールがかけられていた)を見せた。
1台はスペシャルティ、もう1台はフラッグシップという位置づけて2020年代半ばにグローバル展開することを発表した。これは日本も含めて、ということだから、フラッグシップBEVは、次期NSXということになりそうだ。