アメリカンな魅力満載のスーパースポーツも『トミカ』にあります!

アメリカンな魅力全開のスーパースポーツも『トミカ』になっています! | トミカ × リアルカー オールカタログ / No.91 シボレー コルベット

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.91 シボレー コルベット (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

アメリカのゼネラルモーターズ(GM)社がシボレーのブランドで販売しているコルベットは、GMを、いや、アメリカを代表するスポーツカーとして有名な1台です。もともとは小型軽量のボディに相応のパワーのエンジンを搭載した小型高級スポーツカーでしたが、国際的なレースへの参戦などを重ねるうち、現在ではGMで最も強力なエンジンが搭載可能な、走行性能に優れた高級スポーツカーとなっており、シボレー・ブランドを象徴する頂点のモデルとなっています。

C8型 シボレー・コルベット 実車フロントビュー(2020年モデル)
C8型 シボレー・コルベット 実車リヤビュー(2020年モデル)

コルベットは2020年に発売されたC8型で8代目を数える伝統あるスポーツカーですが、『トミカ』の『No.91 シボレー コルベット』は2020年にデビューした、その最新のC8型をモデルとしています。実は7代目のコルベットまではエンジンは車両前方に搭載し、後輪を駆動するフロント・エンジン/リヤ・ドライブ=FR方式を採用していましたが、このC8型からはエンジンを車両の中央に配置するミッドシップ方式となったため、デザインがまったく異なっています。

C8型からはヨーロッパ製スーパーカーなどに対抗するべく、エンジンを中央に配置するミッドシップ方式に変更された。

ミッドシップ方式となったのは、フロントにエンジンを搭載する今までのFR方式では性能追求の限界に達しており、レースなどでライバルとなるヨーロッパ製のスーパーカーやスポーツカーに対抗するためには、新しいレイアウトにする必要があったからだそうです。さらに、C8型の外観デザインは、航空機とレーシングカーのデザインを源流としており、キャノピー(風防)をフロント寄りに置いたデザインは、F22やF35といった最新のステルス・ジェット戦闘機やF1レーシングマシンに影響を受けたものとなっています。

また、C8型コルベットは日常ユースに適した真のスーパーカーを目指して開発されています。その車体構造は、背骨となるセンタートンネルを中心に設計されており、軽量で剛性の高い車体構造は、サスペンション・システムが最適に機能するためのしっかりした基盤を構成しています。さらに、ボディのたわみが取り除かれたことで、究極の乗り心地と卓越した横方向のグリップ能力を実現しています。これにより高速走行や長距離走行において振動が少なく、路面に吸い付くような安定したフィールが実現されています。

C8型コルベットはハイウェイでの優れた乗り心地と、サーキットでのバランスのとれたハンドリングを実現させるべく開発された。

さらに、C8型コルベットはハイウェイでの優れた乗り心地と、サーキットでのバランスのとれたハンドリングを実現させるべく開発されています。ミッドシップ方式の採用により、素早くてストレート、しかも強固なステアリングシステムが実現されています。また、コイルオーバーダンパーの採用で、まったく新しい乗り心地とハンドリング特性を達成。さらに電子制御ステアリングシステムに改良を施したことで、ドライバーの入力に即座に反応する操縦性能が実現されています。また、シートポジションが新しくなったことで、車両の重心位置がドライバーの腰部に近づき、車両はドライバーを中心として回転運動することになりました。このため車両のハンドリングとレスポンスは今までとはまったく異なったものになりました。

C8型に搭載されるシボレー(GM)の次世代型エンジン、LT2型。6.2ℓ スモールブロックV型8気筒の自然吸気だ。

エンジンはシボレー(GM)の次世代型エンジンである、6.2ℓ スモールブロックV型8気筒の LT2型エンジンが搭載されています。この種類の車両の中では唯一の自然吸気型V8エンジンになります。最高出力と最大トルクは、パフォーマンスエキゾースト装着時でそれぞれ369kWと637Nmで、入門レベルのコルベットとしては過去最大のパワーとトルクを発生します。このエンジンの最大の改良点は潤滑およびベンチレーションシステムで、C8型は旋回性能が大幅に向上しているため、このLT2のドライサンプ潤滑システムは、1Gを超える横方向加速度があらゆる方向に加わっても、卓越したエンジンパフォーマンスを発揮できるように設計し直されました。ベースグレードモデルにエンジン取り付け型のドライサンプオイルシステムと3基のスカベンジポンプが今回初めて採用され、サーキット走行時のための潤滑性能が高められています。これにより本格的なサーキット走行中に、エンジン内のオイル容量を維持し、性能の低下を防ぎます。また、このエンジンは低い位置に搭載されることで低重心化が図られ、ハンドリング性能の向上に貢献しています。

次世代型エンジンに組み合わされる、シボレー初採用の8速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)。
8速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の内部。オートマチックトランスミッションではなく、自動化マニュアルトランスミッション(AMT)である。2組のギヤセットでスムーズな自動変速を可能にする。

このエンジンに組み合わされるのが、シボレー初の8速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)で、これによりきわめて素早いシフトと優れたパワー伝達が達成されています。このトランスミッションはTREMEC社と共同で専用開発されたもので、マニュアルのダイレクトな操作感とオートマチックならではの極上の快適性を併せ持っています。ダブルパドル式のクラッチ解除機構が備わっており、ドライバーが両方のパドルを保持するとクラッチの接続を解除することができるため、よりマニュアルトランスミッションに近い操作が可能になります。パドルシフターにより、ドライバーは特定のギヤを選択することができます。そのドライバーモードの選択肢は従来のWeather、Tour、Sport、Trackの4種類からマイモード、Zモードを加えた6種類に増やされ、ドライバーは自分の好みに合わせて車両のフィーリングをさらに微調整することができるようになりました。このDCTには新しい電子制御トランスミッションレンジセレクターが組み合わされており、標準のシフターよりも魅力的かつコンパクトなデザインに仕上げられています。

さらに、C8型にはGMの新世代の車載デジタルプラットフォームが採用されています。この最新設計の電子アーキテクチャーは、GMの次世代テクノロジーの導入を可能にし、配線を最小限に留めるとともに、異なる車両システム間のより高速な信号伝送および高解像度の画面表示を可能にしています。このプラットフォームは、オーバー・ジ・エアー(OTA)方式のアップデートと強化されたサイバーセキュリティ対策を通じて、車両の継続的な改善を可能にしています。

C8型には歴代コルベットで初めて右ハンドル仕様車が製造された。日本で正規販売されるのは右ハンドル仕様車のみとなっている。

これらに加え、このC8型からはGMの「世界戦略車」となったため、歴代コルベットで初めて左側通行諸国向けの右ハンドル仕様車が製造されたことも大きな話題です。日本ではこの右ハンドル仕様車のみが販売されています。なお、C8型には、脱着可能なルーフをもつクーペと、16秒でフルオープンにできるコンバーチブルの2車種のスタイルが用意されています。また、日本ではクーペには装備の違う2LTと3LTが用意されています。

『トミカ』の『No.91 シボレー コルベット』は、2022年現在、“最新最強のコルベット”の雄姿をよく捉えて再現しています。モデル化されているのは、カーボン調ルーフパネルと思われる天井の黒い塗装から、どうやら3LTのクーペのようです。アメリカを代表するスーパースポーツカーをコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。

■シボレー コルベット クーペ 3LT (2022年モデル) 主要諸元 

全長×全幅×全高(mm):4630×1940×1225

ホイールベース(mm):2725

トレッド(前/後・mm) :1635/1570

車両重量(kg):1670

エンジン形式:LT2型 V型8気筒OHV

排気量(cc):6156

最高出力:369kW(502ps)/6450rpm

最大トルク:637Nm(65.0kgm)/5150rpm

トランスミッション:8速DCT(AMT)

サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク

タイヤ:(前)245/35ZR19 89Y (後)305/30ZR20 99Y

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