実はこれ、ホンダのジャイロ キャノピーの『トミカ』なのです。

あの「ピザ屋さんのバイク」はホンダのスグレモノなのです! トミカ × リアルカー オールカタログ / No.99 ピザーラ デリバリーバイク

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.99 ピザーラ デリバリーバイク (台座/のぼり旗付き・希望小売価格550円・税込)
『トミカタウン』規格の展示用の台座とのぼり旗がセットされている。

『トミカ』のNo.99は『ピザーラ デリバリーバイク』です。『ピザーラ』は1987年、東京・目白に1号店がオープンした宅配ピザチェーンです。創業者の浅野秀則氏が大ヒット映画『E.T.』に登場したデリバリーピザに注目、「日本人向けのピザを、特に女性や子どもが喜んでくれるオリジナルピザを作ろう」と思い立ったのがきっかけだそうです。創業35周年を迎えた2021年の時点で、「毎日、日本人がたべても飽きないピザをつくる」をテーマに、日本全国の約6割の世帯にピザをデリバリーすることが可能なほどに成長しているのは、皆さんもご存じの通りです。

この『ピザーラ』のデリバリーを支えているのが宅配に活躍する『ピザーラ デリバリーバイク』や、「ここにはピザーラがないので、ぜひ出店してほしい」という声にこたえて2015年に始まった移動販売、『ピザーラキャラバン』を支えているキッチンカーのような車両たちです。

『ピザーラ』のデリバリーバイク。『トミカ』と同じホンダのジャイロキャノピーを使用しているもの。(PHOTO:ピザーラ リリースより)
デリバリーバイクが店前にスタンバイしている一般的な『ピザーラ』の店舗。(ピザーラ東久留米店)。この店舗には折りたたみ電動バイクのシェアリングサービス 「Shaero」のステーションも設置されている。(PHOITO:シェアード・モビリティ・ネットワークス株式会社リリースより)

さて、『ピザーラ デリバリーバイク』にはいくつかの種類がありますが、基本的には三輪バイクが使用されています。自動車的には三輪車はスリーホイラーやトライシクル、あるいは単にトライクなどと呼び、幼児用三輪車によく見られる前1輪後2輪の形式をデルタタイプ、前2輪後1輪の形式をタッドポール(おたまじゃくし)タイプと呼びます。また、オートバイの側車を取り付けたサイドカーのうち、トランスファーなどでを用いて側車の車輪も駆動させるものも三輪車扱いにとなります(変則デルタタイプ)。『ピザーラ デリバリーバイク』に主に用いられているのは、後部に荷物を積みやすいデルタタイプのものになります。

ホンダ ジャイロ キャノピー 実車フロントビュー(2017年モデル)
ホンダ ジャイロ キャノピー 実車リヤビュー(2017年モデル)
ホンダ ジャイロ キャノピー 実車サイドビュー(2017年モデル)

なお、道路運送車両法では総排気量が250ccを越える三輪車は、車体形状としては「側車付オートバイ」となりますが、オートバイではなく「二輪の小型自動車」として扱われるというややこしい事になっています。また、50cc超~250cc以下のものは「側車付軽二輪」、50cc以下のものは「原動機付自転車」となります。

さて、『トミカ』でモデル化されているのは、数ある『ピザーラ デリバリーバイク』の中でもホンダのジャイロ キャノピーのようです。ジャイロ キャノピーは、二輪車の機動性や駐車性の良さをいかしながら、二輪車にはない新しい機能とファッション性を追求し、近年の都市交通環境の変化や、宅配・巡回サービス業などの新しいビジネス形態の普及に対応させるべくホンダが開発した原付の三輪ビジネスバイクのジャイロ X(エックス)をもとに、雨天時の効果的なワイパー付ウインドスクリーン(風防)とルーフ(屋根)を装備したもので、1990年に初代モデルがデビューしました。総排気量50cc以下なので、普通に「原動機付自転車」となります。

PGM-FIを装備した49cc TA03E型単気筒SOHCエンジン。

エンジンは総排気量49cc、当初は2ストロークエンジンを搭載しましたが、2008年にデビューした現行の2代目モデルから、より環境性能に優れた水冷・4ストローク・OHC・4バルブに一新。優れた始動性に寄与する電子制御燃料噴射システム(PGM-FI)の採用などでスムーズな走りを実現しています。燃費は初代モデルに比べ32%の向上を実現し、CO2の低減が図られています。また、排気ガスを浄化する触媒装置(キャタライザー)をエキゾーストパイプに内蔵すること――デュアルコアキャタライザー――で、平成18年国内二輪車排出ガス規制に適合させています。

2017年にマイナーチェンジされた現行最新モデルでは、平成28年排出ガス規制対応として燃料蒸発ガス抑制装置や排出ガスの異常を警告する車載故障診断装置を装着。新たにリヤフェンダーの左側にエンジンオイルの点検・交換時に役立つ開閉式の点検窓を設置し、オイルレベルゲージの延長とあいまってメンテナンス性を向上させています。

ジャイロ キャノピーのインパネまわり。メーターはひと目で必要な情報が得られる、シンプルで機能的なデザイン。

従来同様に走行安定性の高い車体には、前・後輪に新設計のアルミ製ホイールを採用するとともに後輪のサイズを6インチから8インチに大径化することで、走行安定性がより高められています。また、チューブレスタイヤやφ130mm大径ドラムブレーキを装備しています。さらに、雨や埃など天候の影響を受けにくい大型フロントスクリーンとルーフを装着しながらも開放感のある運転スペースと良好な視界を確保しており、宅配ビジネスや出張修理サービスなど、様々なビジネスの要望に対応できるものとなっています。

キャパーキングロックレバー発進・停止の多い配達業務で特に威力を発揮するワンタッチパーキング。
パーキングロックレバーを上げてメインスイッチを切るだけのカンタン操作で駐車が可能。

『トミカ』の『No.99 ピザーラ デリバリーバイク』は、ホンダのジャイロ キャノピーの特徴を上手くとらえて再現しています。さすがに『トミカ』特有のホイールになっており、デザインの違いがわからないため、初代モデルか2代目モデルか判断がつきませんが、左リヤにオイル点検ハッチがないので、初代モデルかもしれません。もっとも初代も2代目も外観上の大きな違いはその程度なので、特定しようとするだけ野暮というものでしょう。

また、この『No.99 ピザーラ デリバリーバイク』には、『トミカタウン』規格の台座がセットされており、のぼり旗を刺して一緒に展示することが出来るようになっています。あなたのコレクションにも1台いかがでしょうか?

■ホンダ ジャイロキャノピー (2017年モデル) 主要諸元(『トミカ』と同一仕様・規格のものではありません)

全長×全幅×全高(mm):1895×660×1690

ホイールベース(mm):1410

後輪トレッド(mm):495

車両重量(kg):139

エンジン:TA03E型単気筒SOHC

排気量(cc):49

最高出力3.4kW(4.6ps)/7500rpm

最大トルク:4.4Nm(0.45kgm)/7000rpm

トランスミッション:無段変速式(Vマチック)

サスペンション(前/後):ボトムリンク/ユニットスイング

ブレーキ(前後) :ディスク

タイヤ:(前) 100/100-12 62J (後) 130/70-8 42L

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