車中泊ならぬ“車上”泊!、カーゴ、サポートカーなど多彩な軽トラ・カスタムが勢揃いした「ハイゼット」ブース【東京オートサロン2023】

最近のアウトドアシーンでは、ジムニーや軽バンと並んで注目株となっている軽トラック。東京オートサロン2023と併催の東京アウトドアショー2023の「ハイゼットトラックフレンズブース」には、ダイハツ・ハイゼットトラックをベースにした8台のカスタムトラックが勢ぞろいしていた。各チューナーの想いがこもったカッコイイ軽トラたちを紹介していこう。
REPORT & PHOTO 小原裕一郎(OHARA Yuichiro)

「東京オートサロン2023」との併催で開催された「東京アウトドアショー2023」。「ハイゼットトラックフレンズブース」では、ダイハツ・ハイゼットトラックをベースにした8台のカスタムトラックが勢ぞろいしていた。各チューナーの想いがこもったカッコイイ軽トラたちを紹介していこう。

EXIZZLE-LINE オーバーランドスタイル

4WDやSUVのカスタムに欠かせないルーフラック、キャリアバー、アクセサリなどの輸入販売を行っている「EXIZZLE-LINE」は、ハイゼットトラック・ジャンボエクストラをベースに、最近キャンピングカー業界でトレンドとなっている車上泊スタイル(オーバーランドスタイル)を提案。ボディ、ホイール、ストレージボックス、テントなどがブラックで統一されており、いかにも若者受けしそうな引き締まったフォルムが特徴的だ。

荷台のフレームに取り付けられたストレージボックスは大容量なので、シュラフなど濡れると困るアウトドアギアも大量に格納できる。
車上泊用のテントはオーバーランドスタイルで有名な「ROAM ADVENTURE CO.」を搭載。底を支えるフレームもシッカリした造りで安心できる。

TOYO TIRES タイヤディスプレイカー

モータースポーツや4WD/SUV用タイヤで躍進目覚ましい「TOYO TIRES」は、ハイゼットトラック・スタンダードをベースとしたタイヤディスプレイカーを出展。最大の注目点は空気のいらない新しいタイヤ「noair(ノアイア)」を装着していることだ。

このタイヤは開発開始から15年以上経過しているので、すでに実用レベルまで仕上がっているが、現在はゴルフ場のカートや遊園地の乗り物などに使用されている。パンクの心配がないので、アウトドアシーンなどでも活躍が期待されるだけに、一般車用として販売される日が待ち遠しい。

鮮やかなトーヨータイヤカラーでひときわ目を引いていたタイヤディスプレイカー。エクステリアは「乱人」のボディキット、サスも同社の30mmリフトアップキットが採用されている。
(左)荷台後部はアルミフレームでオーバーハングを拡大して作業性をアップ。(右)特殊な樹脂を交互に交差させたX字型スポーク構造を採用した「noair」は、独自の支持構造形態によって耐久力を大きく向上させている。

■乱人 HIJET JUMBO 【MOTOR SPORT SERVICE TRUCK】

さまざまなクルマのエアロ―パーツ製作を手掛ける「乱人(RANDO)」は、ハイゼットトラック・ジャンボスタンダードをベースとしたモータースポーツ用のサービストラックを出展。シルバーのボディに和を感じさせるラッピングを施し、シックなスタイルに仕上げている。当然ながら、ボディキットとリフトアップキットは乱人製。軽トラベースのサービストラックは、手狭なピットにはピッタリかもしれない。

フロントフェイスの張り出しは、ガンダムを想起させるロボット的な造形。RAYSのアルミ+TOYOのOPEN COUNTRY R/Tで足元も引き締まって見える。
荷台のフロアにはTASKAL製のフロアマットを敷き詰め、タイヤのほか、整備用のパーツや用品を搭載。軽トラらしい極めて実用的な造りが印象的だ。

■KC-TECHNICA HIJET-SPORT TRUCK

Kカー専門のチューナーである「KC-TECHNICA」は、ハイゼットトラック・スタンダード(4WD)をベースとしてシンプルなスポーツトラックを製作。エクステリア、インテリア、足回りなどのパーツは、すべてKC-TECHNICA製が使用されており、文字どおり、ストリートでのカッコよさや走りのよさを演出している。荷台には試作品のトノカバーを装着。表面はクッション性のある柔らかい加工が施され、子供が乗って遊んでも壊れないほど強度にこだわった設計になっている。

PROVILE HIJET AIR

Kカーを中心としたパーツ製作やチューニングを行う「PROVILE」は、「HIJET AIR」と銘打ってエアツールを搭載したユニークな車両を出展。ハイゼットトラック・スタンダードをベースに製作したHIJET AIRは、自転車洗車専門店ラバッジョとのコラボで生まれたカスタムトラックで、自転車の運搬、洗車、空気の充填など一連の作業が荷台で完結できる仕様となっている。外部電源なし(クルマのバッテリーのみ)でエアツールを使用できる利点を生かしてエアサスを搭載したことにより、自転車やバイクの積み下ろしが飛躍的に楽になっている。

エアサス装備なので、後部の車高を下げると自転車やバイクの積み下ろしが楽にできる。写真は荷台側の車高を下げた状態だ。
(左)車体側面に取り付けられた12V仕様のエアコンプレサー。(右)自転車整備用のエアツールのほか、洗車用の高圧洗車機も搭載されている。

■TRUST GReddy HIJET TRUCK CHIBA SURF TRIP号

「TRUST」といえば、クルマのトータルチューナーとして定評のあるメーカーで、とりわけモータースポーツのノウハウがつぎ込まれたGReddyブランドのカスタムは、パフォーマンス、完成度とも一級品だ。そのGReddyとCARSTYLEがコラボして東京オートサロン2023に投入したのは、サーファーのためにカスタムされたハイゼットトラック。ラックボックスタワーバーやサイドユーティリティキャビネット/タンクキットなどを装備しているなど、サーフィンには欠かせない装備がすべて搭載されている。

サイドパネルにラッピングされた波のイラストとGReddyロゴが印象的なエクステリア。開催地の幕張にちなんで千葉県のサーフポイントも描かれている。
ラックボックスタワーバーにはロングボードも搭載可能。運転席後部に設置されたボックスにはウエットスーツを濡れたまま収納できる。

■YOKOHAMA GEOLANDAR HIJET HARD CARGO CUSTOM

4WDやSUV用タイヤとしてGEOLANDARブランドを展開する「YOKOHAMA(横浜ゴム)」は、カーゴを基本としながら、アウトドア用途にも対応すべくサイドオーニングを装着したハイゼットトラックを出展。普段は仕事用のカーゴトラックとして利用し、休日はテントや焚き火台などのアウトドアギアを大量に積み込んでキャンプに出かけたい人には最適のトラックといえる。ボディにはセンスのよさが光る艶消しのラッピングが施されており、こんなトラックで仕事場へ行ったら注目されること間違いなしだ。

ベース車両はシートリクライニング機構の付いたハイゼットトラック・ジャンボなので、仕事やアウトドアでの長時間・長距離運転にも向いている。
(左)サイドオーニングはアウトドアだけでなく、仕事でも活躍する装備だ(右)タワーバーに装着された6連スポットライトがアウトドア気分を盛り上げてくれる。

■YOKOHAMA GEOLANDAR KAMION KT

「GEOLANDAR HIJET HARD CARGO CUSTOM」とともに出展された「GEOLANDAR KAMION KT」は、パリダカールラリーで活躍しているカミオン風のエクステリアが特徴的なハードカーゴ。コンセプトがカミオン風ということで、高い車高にジムニーシエラと同サイズのタイヤ(195/80R15)が装着されており、いかにもオフロードをガンガン走りそうなインパクトのあるフォルムに仕上がっている。残念ながら、現状は公道を走れないが、高性能なハードカーゴを手軽かつ比較的安価に製作できるのは軽トラならでは魅力といえるだろう。

外観は迫力万点!製作者はオフロードレーシングドライバーの塙 郁夫氏で、車名の由来は「KAMION KT=カミオン軽トラ」だそうだ。
タワーバーに張られたスポンサーロゴ入りのシートが、本物のカミオンを彷彿させる。足回りや燃料タンクなどもレーシング仕様のパーツが使われている。

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著者プロフィール

小原 裕一郎 近影

小原 裕一郎

メディアプランナー&ライター。メディア業界でテレビ視聴率調査、マーケティング(リアル&デジタル)、…