”目指せ!ニッポンのモンテカルロ”のラリーイベント「パワステ蒲郡」でモリゾウがWRCマシンを激走

PowerST. GamagoriでWRCマシンのデモランを披露したモリゾウこと豊田章男社長と主催者の勝田照夫さん、そして勝田範彦選手。
1月22日、愛知県蒲郡市で「POWER ST. GAMAGORI(パワステがまごおり)」というイベントが開催された。イベントはスカベンジャーラリーをはじめとしたクルマ関連で、多くの参加者・観客で賑わった。そこに、モリゾウ選手こと豊田章男トヨタ自動車社長もあった。

POWER ST.GAMAGORI(パワーステがまごおり)

70年代のポルシェ911など多くの参加車が集まった。

愛知県蒲郡市は、風光明媚な観光都市である。マリーナがあるリゾート施設のラグーナテンボスを中心に開催された「POWER ST.GAMAGORI(パワーステがまごおり)」の主催者は、ラリー界の重鎮・勝田照夫率いるモンテカルロオートスポーツクラブと蒲郡市などで組織する実行委員会だ、勝田照夫さんはご存知WRCドライバー、勝田貴元選手の祖父である。

天気は快晴。絶好のラリー日和となった。

パワステがまごおりは、勝田さんが鈴木寿明・蒲郡市長に4ヵ月前に構想を話したところから始まったプロジェクト。スカベンジャーラリーで蒲郡を「ニッポンのモンテカルロ」にしよう、クルマを中心としたお祭りを盛り上げよう、モータースポーツが楽しめる街にしようという目標を掲げて開催された。

イベントの中心となるスカベンジャーラリーとは、買い物ラリーと呼ばれるラリーの一種。スピードを競うというより、設定されたルートの間で主催者が定めた買い物をしたり、計算などの問題やクイズを解いたりしながら規定の時間内で走行する競技だ。ラリーには、クラシックカーやちょっと古めのスポーツカーなど多くの参加車が集まっていた。

モリゾウ選手がサプライズ登場。その理由は?

GRヤリス Rally1テストカーのコックピットにおさまるモリゾウ選手。
豪快に土埃を上げて走行。報道陣にも観客にも大量の土埃が……。ラリーの迫力を体感できたイベントだった。

ここに駆けつけたのが、モリゾウ選手こと豊田章男社長だ。

モリゾウ選手は、WRC Rally1車両のGRヤリス Rally1テストカーをドライブ。豪快な走りで観客を沸かせた。1週間前の東京オートサロン2023ではGRヤリスRally2マシンをデモランしたモリゾウ選手。2週連続のラリーマシンのデモランとなった。オートサロンの路面がターマック(舗装路)だったのに対して、今回はグラベル。芝と土埃を盛大に上げながらの走行は迫力満点だった。

走行後に報道陣の質問に答えるモリゾウ選手。隣は鈴木寿明・蒲郡市長と蒲郡警察署の内藤一昭署長。モリゾウ選手は「WRT(ワールドラリーチーム)の本拠地はフィンランド、勝田範彦選手が出場するのがWRJ(ワールドラリージャパン)、そしてラリーチャレンジなど私が絡むのは、WRGなんです。そのGはなんと蒲郡のGなんです。その本拠地が蒲郡にあるってことなんです」と地元・蒲郡への想いを語った。

モリゾウ選手は
「とかくモータースポーツというと音がする、うるさい、危険と思っておられる方もまだまだたくさんいらっしゃると思います。ですが、プロドライバーが運転しているのは、究極の安全運転だと思うのです。速くは走っているけれど安全。モータースポーツを通じてより安全な交通流を作ったり、なによりもモータースポーツという以上、やっぱりスポーツなんです。ですが、日本だと野球やサッカー、バスケットボールはスポーツですが、モータースポーツはまだその枠に入っていない。パラリンピックもそうですが、道具と人間でスーパーヒューマンを作り出す、これはある面、モータースポーツも同じだと思うのです。今回のようなラリーはどなたでも楽しめる。参加者も観客も運営している人も”やっぱりクルマっていいよね”と感じる人がひとりでも多くなる。こういうイベントを蒲郡の地でやっていただくのは良いことだと思います」
と語った。

蒲郡をニッポンのモナコに、という構想を聞いたとき、どう感じましたか?という問われると
「ワクワクしましたし、なにかお手伝いをしなきゃいけないと思って、なんのお許しもなく(笑)、ここに駆けつけました。モリゾウとしても一肌脱ぐべきだ、と思いました」

鈴木寿明・蒲郡市長も同乗。「すごい経験しました。これは、社長のおしゃるとおり、スポーツです。道具とヒューマン、これはスポーツですね。蒲郡からもっともっと発信していきたい。モンテカルロという夢に一歩一歩近づいていきたい」と感想を述べた。
モリゾウ選手に同乗した蒲郡警察署の内藤一昭署長は、「隣に乗せていただいて、安全運転だなと思いました。中に乗っていて本当に安心でした。運転技術が高くてクルマの性能がいいとこれだか安全なんだと痛感しました」と話していた。
デモランにも多くの観客が集まった。

開催一回目にして、多くの参加車、観客を集めたパワステがまごおり。モリゾウ選手は
「ラリーをスポーツとしてもっともっとメジャーにしていくチャンスになると思います。こういう活動を皮切りに愛知県、そして日本全体にいい流れを作っていただきたいなと思っています」と笑顔を見せた。

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著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…