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POWER ST.GAMAGORI(パワーステがまごおり)

愛知県蒲郡市は、風光明媚な観光都市である。マリーナがあるリゾート施設のラグーナテンボスを中心に開催された「POWER ST.GAMAGORI(パワーステがまごおり)」の主催者は、ラリー界の重鎮・勝田照夫率いるモンテカルロオートスポーツクラブと蒲郡市などで組織する実行委員会だ、勝田照夫さんはご存知WRCドライバー、勝田貴元選手の祖父である。





パワステがまごおりは、勝田さんが鈴木寿明・蒲郡市長に4ヵ月前に構想を話したところから始まったプロジェクト。スカベンジャーラリーで蒲郡を「ニッポンのモンテカルロ」にしよう、クルマを中心としたお祭りを盛り上げよう、モータースポーツが楽しめる街にしようという目標を掲げて開催された。
イベントの中心となるスカベンジャーラリーとは、買い物ラリーと呼ばれるラリーの一種。スピードを競うというより、設定されたルートの間で主催者が定めた買い物をしたり、計算などの問題やクイズを解いたりしながら規定の時間内で走行する競技だ。ラリーには、クラシックカーやちょっと古めのスポーツカーなど多くの参加車が集まっていた。
モリゾウ選手がサプライズ登場。その理由は?


ここに駆けつけたのが、モリゾウ選手こと豊田章男社長だ。
モリゾウ選手は、WRC Rally1車両のGRヤリス Rally1テストカーをドライブ。豪快な走りで観客を沸かせた。1週間前の東京オートサロン2023ではGRヤリスRally2マシンをデモランしたモリゾウ選手。2週連続のラリーマシンのデモランとなった。オートサロンの路面がターマック(舗装路)だったのに対して、今回はグラベル。芝と土埃を盛大に上げながらの走行は迫力満点だった。

モリゾウ選手は
「とかくモータースポーツというと音がする、うるさい、危険と思っておられる方もまだまだたくさんいらっしゃると思います。ですが、プロドライバーが運転しているのは、究極の安全運転だと思うのです。速くは走っているけれど安全。モータースポーツを通じてより安全な交通流を作ったり、なによりもモータースポーツという以上、やっぱりスポーツなんです。ですが、日本だと野球やサッカー、バスケットボールはスポーツですが、モータースポーツはまだその枠に入っていない。パラリンピックもそうですが、道具と人間でスーパーヒューマンを作り出す、これはある面、モータースポーツも同じだと思うのです。今回のようなラリーはどなたでも楽しめる。参加者も観客も運営している人も”やっぱりクルマっていいよね”と感じる人がひとりでも多くなる。こういうイベントを蒲郡の地でやっていただくのは良いことだと思います」
と語った。
蒲郡をニッポンのモナコに、という構想を聞いたとき、どう感じましたか?という問われると
「ワクワクしましたし、なにかお手伝いをしなきゃいけないと思って、なんのお許しもなく(笑)、ここに駆けつけました。モリゾウとしても一肌脱ぐべきだ、と思いました」



開催一回目にして、多くの参加車、観客を集めたパワステがまごおり。モリゾウ選手は
「ラリーをスポーツとしてもっともっとメジャーにしていくチャンスになると思います。こういう活動を皮切りに愛知県、そして日本全体にいい流れを作っていただきたいなと思っています」と笑顔を見せた。