ピュアEVも用意する欧州屈指の実力派「プジョー208」【最新コンパクトカー 車種別解説】

どこでも小回りが効き、扱いやすいプジョーの最小コンパクト「208」。スマホのナビアプリを表示・操作できる7インチのタッチディスプレイや、視認性を高める二層立体構造のインパネなど、今のリアルな使い勝手とアイデアが光る。四人乗車でも後席の乗員も快適な空間が広がり、欧州発のコンパクトカーのレベルを高くしているクルマのひとつと言える。
REPORT:河村康彦(本文)/工藤貴之(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:林あやの

EV仕様が日本へ導入 一方エンジン仕様は装備充実

プジョーのラインナップの底辺を受け持つのが、初代モデルが2012年に登場し、19年に発表された現行型が二代目となる208。全長4095mm、全幅1745mmのボディはどこに乗り付けるにも扱いやすいサイズだ。

エクステリア

欧州車としてライバルに相当するのはフォルクスワーゲン「ポロ」やルノー「ルーテシア」。スタイリングはフロントグリルやテールランプに新しさを感じる一方、 Cピラーは往年の名車「205」を連想させる懐かしさも。

日本導入モデルに搭載されるパワーユニットは、8速ステップATとターボ付きの1.2l3気筒ガソリンエンジンの組み合わせ、もしくは100kW≒136psの最高出力を発して前輪を駆動するモーターと50kWh容量の駆動用バッテリーを組み合わせたピュアEV仕様の2タイプとなる。

インストルメントパネル

高い位置のメーターに小径のハンドルを組み合わせることで独特のコクピットを構築。これはメーター表示がハンドルに遮られることなく確認できるアイデアだ。二層の立体グラフィックとしたメーターも個性抜群だ。

テストドライブを行なったのは、エンジン搭載バージョンで最上級の「GT」グレード。前述のパワーユニットは共有するものの、フルLEDのヘッドライトやフロント・シートヒーター、インテリア・アンビエンスランプや17インチのシューズなどが標準装備となり、パノラミックガラスルーフをオプション装着できるのもこのグレードのみとなる。

居住性

〝ピュアテック〞の愛称が与えられるエンジンは、低回転域からのトルク感が強い一方で高回転側への伸びも良く、「ディーゼルとガソリンの良いとこどり」という印象が強いもの。車両重量が1.2tを下回り、多段ATを備える効果もあって、動力性能に不満はない。

うれしい装備

メーターを高い位置とした独自のインターフェイスに加え、シフトレバーやパーキングブレーキまで電子制御化するなど運転環境は先進的だ。
月間登録台数     NO DATA
現行型発表      20年7月(一部仕様変更 22年4月)
WLTCモード燃費    17.9 km/l ※ガソリン車

ラゲッジルーム

さすがにニースペースの余裕は少ないものの、キャビン空間は大人4名が無理なく乗り込めるレベル。欧州発のコンパクトカーでは見逃せない実力の持ち主だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.142「2022-2023 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/142/

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