【ランドクルーザー70再販のウワサ】2023年秋に発売?「ランクルBASE」の正式オープンが発表のタイミングか?

トヨタ・ランドクルーザーのハードコアな部分を凝縮したモデルとして知られる「70」系は残念ながら、現在は日本で発売されていない。振り返れば2014年夏に、30周年記念として限定販売されたこともあったが、法規制への対応などがハードルとなってそれ以降は新車でランドクルーザー70を手に入れる機会は失われている。そんな”ナナマル”が再び販売されているという噂には、どこまで信ぴょう性があるのだろうか。
REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya) PHOTO:TOYOTA、編集部

タフネス4WDの象徴たるランドクルーザー70に復活のウワサ

オーストラリア仕様のランドクルーザー70

ランドクルーザーにはラグジュアリーでフラッグシップといえる300系、「ランクル」のエントリーモデルといえるランドクルーザープラド(150系)がラインナップされている。そこに加えて、海外ではよりハードなシチュエーションに対応した70系が販売されている。

悪条件下でのタフネスでは70系に一日の長がある。長年にわたりランクル・ブランドの信頼性を高めているのは世界的に見れば70系によるものといっても過言ではないだろう。

そんなランクル70は、日本では幻のモデルとなっている。

熱心なファンであればご記憶だろうが、2014年夏に期間限定で再販されて以降、ランクル70の日本仕様は存在していないのだ。

2014LC70VAN
2014年の再販ではワゴンではなくバン仕様の導入だった。当時の価格は360万円。
2014LC70TRUCK
2014年にはダブルキャブのトラック仕様も用意された。当時の価格は350万円。

東京オートサロンにも出展した「ランクルBASE」の存在

そんなランドクルーザー70系が日本で再び販売されるという噂が飛び交っている。その背景にあるのは『ランクルBASE』の存在であろう。

ランドクルーザー・シリーズの生産を行っているのはトヨタ・グループ内のトヨタ車体であり、「ランクルBASE」というのは同社が企画、東海特装⾞が運営するランドクルーザー・ファンのためのアンテナショップともいえるもの。

東京オートサロン2023では、ランクル70のシャシー(フレーム)にランクル40のボディを載せたデモカーを展示するなど、メーカー系だからこそ可能な大技カスタムの展開も期待できるのがランクルBASEである。

LC40/70
ランクル70のフレームにランクル40のボディを換装したデモカーを展示した。
LC40/70
東京オートサロンでの注目度も高かった「ランクル40×ランクル70」。70系のフレームを使っているあたり意味深だ。

メーカー直系ショップといえるランクルBASEの誕生は2022年12月に発表され、2023年年初の東京オートサロンにて0号店を出展することで存在をアピール、2023年1月21日に愛知県刈⾕市⼀⾥⼭町にプレオープンといったスケジュールで順調に進んでいる。

ここで気になるのは現時点ではプレオープンであって、正式オープンは 2023年年央を予定しているという点だ。せっかくオートサロンで存在をアピールしたのだから、そのまま正式オープンになってもおかしくない。つまり正式オープンをアピールするどでかいアドバルーンを用意していることが想像できる。

それこそが、まさしくランドクルーザー70の再販といえるのではないだろうか。

ウワサのオーストラリア仕様「ランクル70」はV8ディーゼル一択

国内再販モデルのベース車とウワサされるのが、オーストラリア仕様「ランドクルーザー70」だ。

ランドクルーザー・シリーズはトヨタ車体が製造して世界中にデリバリーしている。その中で日本向けにアレンジするのにもっとも適していると考えられるのがオーストラリア向けのランクル70だ。

オーストラリア仕様のランドクルーザー70

オーストラリアで販売されるランクル70にはトラック仕様のほか5人乗りのワゴン仕様もある。2014年に日本で再販された時にはワゴン仕様がなく、いずれも商用仕様となっていたため毎年車検になるなど一般ユーザーには手が出しづらいところもあった。

そのため今回のランクル70再販のウワサに反応してワゴンを求める声が大きくなっているようだ。

オーストラリア仕様のランドクルーザー70のインテリア

オーストラリアではランクル70のワゴン仕様にはナローボディの「 WorkMate」とワイドボディの「GXL」という2グレードが展開されている。いずれもエンジンは4.5L V8ディーゼルターボ、参考までのスペックを記せば次のようになっている。

LC70_AUS
右ハンドルという共通点もあるオーストラリア仕様をベースにすることが予想されている。
全長:4870~4910mm
全幅:1790~1870mm
全高:1940~19555mm
ホイールベース:2730mm

エンジン型式:1VD-FTV
形式:V8ディーゼルターボ
総排気量:4461cc
最高出力:151kW/3400rpm
最大トルク:430Nm/1200-3200rpm
オーストラリア仕様はワゴンだけでなくトラックタイプもラインナップされてる。

またオーストラリア仕様ではトヨタセーフティセンスに準ずる先進安全機能が標準装備となっているのも、2020年代に再販されるランクル70としての現実性につながり、期待を高めているポイントだ。

もっともランドクルーザーのフラッグシップである300系がガソリン、ディーゼルともにV6エンジンへとダウンサイジング・レスシリンダーしているのに、再販するランクル70がV8エンジンというのは、どうにも座りが悪い部分もある。

日本向けにランクル70再販が実現するとして、どんなパワートレインを選択するのだろうか。

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著者プロフィール

山本 晋也 近影

山本 晋也

1969年生まれ。編集者を経て、過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰することをモットーに自動車コ…